2011年12月20日  その他

法学部の出来事 2011年12月20日(火)

この日は2つのイベントが行われました。
まずは、「消費者生活と法」の講義でのゲストスピーカーによる講演からご紹介します。

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第3回目となる今回の講師は、香川県消費者問題対策委員会副委員長である植松浩司弁護士(香川県弁護士会所属)にお越しいただきました。 植松弁護士は、歯科医師免許も持っておられる日本でお2人目の弁護士です。政治資金監査人、事業再生士でもいらっしゃいます。

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今回の講演では、消費者被害の実態を学びました。
おもしろかった点は、植松先生が、教室内で「資格試験を突破する秘伝」をまとめた資料を限定的に配布しますから、配布を希望する学生数を知りたいとおっしゃったところです。配布するって、教室で販売するってこと?ええ?って、出席者が耳を疑ったと思いますが、あくまでも「配布」するだけです。
後でこの種明かしがわかるのですが、実は、植松先生の巧妙な「消費者被害の実演」だったわけです。半分近くの出席者が上記の資料の「配付」を希望していたので、「自分は消費者被害に遭わない」と思っても、そうではないことを実感したと思います。あぶないあぶない。
また、極めて事実に近い架空の消費者被害事件の経緯を写真をまじえて詳細にシュミレーションしてくださった点もたいへんわかりやすく勉強になりました。消費者被害に遭った場合は、被害額はほとんど戻ってこないことがよくわかりました。

「消費者生活と法」でのゲストスピーカーによる講演は、年が明けた1月もまだまだ続きます。
実務に携わっている方々からの講演は、皆さんの視野を広げる良い機会ですので、これからも積極的な参加を期待しています。

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次のイベントは、平成23年度「外交講座」の開催です。
これは、外務省から現場の実務に精通した講師をお招きして、様々な外交政策や外務省の仕事内容についてお話しいただく講座です。昨年度は「国際関係論」の時間帯で、軍縮・不拡散の問題をテーマに開催されましたが、今年度も「国際関係論」の授業の一環として開講されました。今年度のテーマは、「日本の経済連携とTPP」というものです。
国際関係論の受講者のほか、国際法関連科目の受講者にも聴講を呼びかけたため、会場はこのように大盛況となりました。

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講演では、自由貿易協定(FTA)の仕組みのお話や、日本が取り組んでいる経済連携協定(EPA)の説明などを踏まえて、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の概要、交渉を進めるうえでの意義や留意点などを、わかりやすく解説していただきました。

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質疑応答の時間では、学生の間でも関心の高いテーマであったことを反映して、多くの質問が寄せられましたが、一つ一つに丁寧にお答えいただき、非常に密度の濃い時間になりました。
マスメディアによる報道だけでは十分に知ることのできない問題に対して、外交実務の最前線に立つ方から直接お話を聞くことができ、たいへん貴重な機会になったのではないでしょうか。

この日開催された2つのイベントにも見られるように、香川大学法学部では多様な視点で社会の事象を捉えて、自らの見解を構築し、的確に表現できる学生を育てています。
ゲストスピーカーを招いての講演は、普段の講義や演習では得られない知識を獲得し、異なる視座から物事を考える良い機会ですので、今後の企画にもご期待ください。