久保絢二朗/材料創造工学専攻1年

今回の協定校訪問では、通常の海外旅行では体験できない体験を多く経験することができました。まず日程の二日目に株式会社デンソー・スウェーデンでの企業見学に参加しました。
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デンソーは日本を代表する企業で自動車部品メーカーであることは知っていたので、日本を出発する以前から楽しみにしていました。デンソー・スウェーデンでは主にVOLVOへ部品を生産しています。スウェーデンに来て思ったことは、非常にVOLVO車が多いということでした。これはVOLVOの車がスウェーデンの人たちに高く評価されている結果だと思います。スウェーデンは交通事故の件数が日本に比べて非常に少なく、そのようなスウェーデンの安全への意識の高さから、VOLVOの車は安全性をいかに向上させるかというところに重きを置いているように感じました。市場のニーズに合った製品の開発をすることの重要性を再確認したと同時に、興味を持ち、実際に製品を開発する場合には市場の歴史的背景や人柄などを調べることは非常に重要であると考えました。企業見学では、飲酒運転や居眠り運転のシミュレーターや歩行者を自動で感知して停止する衝突被害軽減装置について説明していただきました。衝突被害軽減装置の説明では実際に、ダミー人形を使用して装置が作動するところを見せて頂きました。
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テストコースを走るという体験は普通に生きていると経験するようなことではないと思うので、非常にいい経験でした。その後はVOLVOミュージアムを見学し、デンソーの部品を使用したVOLVOの車を実際に見て、VOLVOの歴史の知識を深めました。

三日目にはハルムスタッド大学を表敬訪問しました。JAPAN DAYで英語でのプレゼンができたことはこれからのプレゼンにとてもいい影響を与えると思います。
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それから、ハルムスタッド大学の学生さんや先生方と話をし、スウェーデンの学生は高校を出ると2年ほど業務が簡単な職についてお金を貯めて、そのお金で数か月海外へ行き、大学へ入る人が多いということを聞いて日本と海外への意識の違いを感じました。また税金が高い代わりに福祉的な補助が充実しており、医療費や教育費がかからないこと、子育てに負担が少ないために世界でも数少ない子供が増えている国だということを聞き、世界的に進んでいることを認識しました。JAPAN DAYの序盤はお互いに緊張してみんなあまり話せていませんでしたが、書道や茶道、折り紙などを通じてよい会になったと思います。国際的な感覚を身につけるいい機会になったと感じました。
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四日目はハルムスタッド大学の施設見学をさせて頂きました。入院患者や高齢者用のベッドや認知症対策のためのシミュレーターなど、福祉関係の研究が多くなされていました。また材料系の学科の見学では普段使っている装置の説明を英語で聞くことができ、より理解を深めることができました。デンソー・スウェーデンとハルムスタッド大学の研究の共通点として「既存の技術の組み合わせで新しい技術を作る」ということが挙げられると思いました。例えば、デンソー・スウェーデンの衝突被害軽減装置では、車に取り付けられたカメラとGPSの組み合わせ、そして車と車の衝突を防ぐためのシステムが応用されており、ハルムスタッド大学の高齢者用ベッドでは、サーモグラフィや体重計などの多くの既存の技術が応用され用いられていました。既存の技術を用いて新しい技術を作ることで大幅にコストを削減できることがとても素晴らしい点だと思います。
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もう一点素晴らしいと思ったことはフィカと呼ばれる時間が設けられていることです。フィカとは簡単に言うとお茶の時間ですが、このフィカの時間があることで仕事のストレスが軽減されたり、この時間に自分の研究で行き詰ったりしているところがあれば、ほかの研究者に相談して解決法を話し合ったりすることができるため仕事や研究の効率を上げることができるそうです。

この学校見学で英語の勉強の重要性を再確認し、日本に帰ってきた現在、日々英語の勉強に励んでいます。文法が合っていることにこしたことはないけど、合っていなくても英語はある程度通じるので、実際話して慣れていくことが英語上達の近道だと、この旅で感じました。

その後、学校敷地内で世界一くさい缶詰と名高いシュールストローミングを開ける会がありましたが、世界の広さとレベルの高さを缶詰から学ぶとは思いもしませんでした。

この協定校訪問を通してこの報告書では書ききれないほど、多くのことを学ぶことができました。今回得た経験はこれからの大学院生活や社会人生活で必ず役に立つと確信しています。この協定校訪問でお世話になった先生方また、協定校訪問のメンバーの皆様およびご協力いただいた皆様に心より感謝を申し上げます。

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