大学教育基盤センター

Higher Education Center


 Teaching Tips :よりよい授業のためのヒント集

 INDEX


1.第人数講義のコツ
2.ゼミ運営のコツ
3.授業の工夫のための参考文献

 はじめに

これまでのFD研修会やアンケートなどで蓄積されてきた授業改善の具体的なヒントをいくつかご紹介します。個々の先生方のお名前は挙げませんが、貴重な情報提供に深く感謝申しあげます。あくまでも実践例ですから、ご自分の担当される具体的な授業や学生の様子を想定したとき、「これは使えそうだ」というものも、「これは自分の授業では不可能だ」というものもあるはずです。授業形態や分野によって工夫は様々ですから、どんな場面にも効く魔法の万能薬ではありませんが、授業計画や授業実践の手がかりにしていただければ幸いです。

先生方へのお願い 

それぞれの先生方が授業改善に関して、かなり多くのアイデアをすでに蓄積し、様々な手法を開発していらっしゃると思われます。しかし現状では、それらの貴重な情報がお互いにつながりや重なりをもたないまま孤立し埋没してしまっている面があるようです。大教センターでは今後それらの情報を、教員間で共有できるTeaching Tipsとして集積し、充実させていくことを計画しています。ご協力よろしくおねがいします。


 1.大人数講義のコツ


主題科目や共通科目では数百人相手の大講義を担当しなくてはならないこともあります。しかし、大人数講義に特有のジレンマ・悪循環がいくつかあります。

[A]人数が多いと……教員の目が行き届かない……私語・メール・内職・睡眠……見つけて注意「出て行け!」「単位が出ないぞ!」……教室の雰囲気悪化……教員も疲れてしまって、そのうち注意もおざなりに……教室後方は無法地帯……真面目な学生もやる気をそがれる
[B]学生に勉強させたいと思って課題を出す……大量の提出物が一度にどっと……いそがしくて採点・返却・コメントできず……教員からの反応が感じられないと……学生:「せっかく頑張ったのに」「あのレポート読んでもらえたのかなあ」……学習意欲低下
[C]たまには学生の声を聞こう……「質問ある人?」……しーん……(わからないけど自分だけ手をあげて質問するのは恥ずかしい)……「ないようなので講義を続けます」……(ああ、わからないんだけど、待ってよ先生)……教員と学生のすれちがいは続く……

ではどうしたら?

[A]大人数を制御する──放牧と恐怖政治のあいだで
[B]学生に勉強させる──小さな課題を少しずつ積み重ねる
[C]学生に発言させる──雰囲気づくりと明確な手順

 2.ゼミ運営のコツ

教養ゼミナールなどでは授業の性質上、学生側の積極的な関わりが必要です。しかし、学生がなかなか発言や議論をしようとしないという悩みをかかえる担当者も多いようです。ここでは、どのようにして学生の参加意欲を引き出し、少人数授業の雰囲気を醸成するかという点に的を絞って、様々な実践例を紹介します。

(1)受講者名簿を作る
(2)グループ分けをする
(3)レジュメを作らせる
(4)発言を引き出す
(5)流れにメリハリをつける
(6)授業形式の例:ディベート
(7)授業形式の例:あえて輪読を

 3.授業の工夫のための参考文献
  1. 浅野誠『授業のワザ一挙公開:大学生き残りを突破する授業づくり』大月書店、2002年.
  2. 家田愛子『18歳からの教養ゼミナール』北樹出版、2005年.
  3. 池田輝政ほか『成長するティップス先生:授業デザインのための秘訣集』玉川大学出版部、2001年.
  4. 宇佐美寛『大学の授業』東信堂、1999年.
  5. 川又淳司『大学の授業研究:一般教育・環境教育を学生がつくる』水曜社、1994年.
  6. 木野茂『大学授業改善の手引き 双方向型授業への誘い』ナカニシヤ出版、2005年.
  7. T. W. クルーシアスほか『大学で学ぶ議論の技法』杉野俊子ほか訳、慶応義塾大学出版会、2004年.
  8. D. W. ジョンソンほか『学生参加型の大学授業:協同学習への実践ガイド』関田一彦監訳、玉川大学出版部、2001年.
  9. 島田博司『私語への教育指導:大学授業の生態史2』玉川大学出版部、2002年.
  10. 島田博司『メール私語の登場:大学授業の生態史3』玉川大学出版部、2002年.
  11. 杉江修治ほか編著『大学授業を活性化する方法』玉川大学出版部、2004年.
  12. P. セルディン『大学教育を変える教育業績記録:ティーチング・ポートフォリオ作成の手引』大学評価学位授与機構監訳、玉川大学出版部、2007年.
  13. R. チェンバース『参加型ワークショップ入門』野田直人訳、明石書店、2004年.
  14. B. G. デイビス『授業の道具箱』香取草之助監訳、東海大学出版会、2002年.
  15. 戸田山和久『論文の教室:レポートから卒論まで』NHKブックス、2002年.
  16. A. ブリンクリーほか編『シカゴ大学教授法ハンドブック』小原芳明監訳、玉川大学出版部、2005年.
  17. 溝上慎一『大学生の学び・入門:大学での勉強は役に立つ!』有斐閣、2006年.
  18. J. ローマン『大学のティーチング』阿部美哉監訳、玉川大学出版部、1987年.