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視覚障害

視覚障害とは

視覚障害は、視覚活用の程度によって「盲」と「弱視(ロービジョン)」に大きく分けられます。

「盲」は視覚情報が全く得られない場合とほとんど得られない場合とがあり、中には明暗の区別ができる人、目の前に出された指の数が分かる人もいます。早期に失明した場合、文字の読み書きには点字を用いることができ、移動も白杖や盲導犬を用いて単独で行える人もいますが、中途失明では読み書きや移動が困難な人もいます。

「弱視」の人はルーペや単眼鏡などの弱視レンズや拡大読書器を用いたり、文字を大きくした印刷物やパソコンで画面を拡大したりして文字を読むことができます。しかし、人によっては視野が狭い、まぶしさがあるなどの見えにくさがある場合もあり、見え方には個人差があります。

視覚障害の人への支援

人によって障害の程度や症状は様々です。白杖を用いていても、一見して視覚障害があるとわからない人もいます。まずはその人の見え方や困り感などを聞いていき、どのような支援ニーズがあるのかを話し合うことが大切です。

視覚障害の人に近づいていく場合、一般には正面から「○○さん、こんにちは。△△です。」と、その人に声をかけていることがはっきりと伝わるように話すとよいでしょう。情報を伝える時に、「あっちの…。」「それを…。」などの指示代名詞を用いてしまうと、視覚障害の人にはわかりにくい説明になってしまいます。その人の向いている方向を基準に、「あなたの左の…。」と方向を伝えるようにしたり、「手のひらぐらいの大きさの…。」と具体的に説明するとよいでしょう。道順を説明する時には、目印になる具体的な建物名や店の名称などを伝えておくと、再び道を尋ねる時に説明がしやすくなります。

特に、初めての場所では「部屋の中心には、4人くらいが囲んで座れる机といすが2組あります。左奥の壁側にはパソコンが置いてある席が2つあります。今、部屋には4人います。」など、部屋の様子や机などの配置を伝えるとよいでしょう。

聴覚障害

聴覚障害とは

聴覚障害とは、音を聞く、または感じる経路になんらかの障害があり、周囲の音が聞こえない、または聞こえにくくなっている状態(難聴)のことをいいます。難聴の程度は人によって様々で、音が聞こえなかったり小さく聞こえて聞き取りづらかったりする場合のほかに、音は聞こえるが、歪んで聞こえるために内容が聞き取れない場合もあります。また、補聴器等によってある程度音声を聞き取れる中軽度の難聴の人でも、雑音の多い場所や、コンクリート壁の場所など音の反響が大きい場所では聞き取りが困難になります。

聴覚障害の人の支援について

支援のポイントとして、多くの人が共有している情報を視覚的な手段を用いて提供することが重要になります。このような情報提供のことを「情報保障」といいます。情報保障の手段としては、授業前に紙の資料を配付する、ノートテイク・パソコンノートテイク・手話通訳などで授業の内容を伝える、FM補聴器を使って聞き取りの補助を行う、などがあります。

特に重要な情報保障としては、実験や実習など、危険を伴う可能性のある場面での注意事項や、災害時の情報伝達などです。音による危険の察知ができないため、注意事項をあらかじめ紙に書いて渡したり、緊急放送の場合は内容を筆記したり、紙を貼りだすなどして、視覚的に分かるように伝えてください。

聴覚障害の人のコミュニケーション手段は手話だと一般的に思われがちですが、聴力が低下した時期やこれまでの教育歴によって、口話(相手の口の形や話の文脈を頼りに会話を理解する方法)や筆談を主なコミュニケーション手段として用いている場合もあります。まずは聴覚障害のある人自身に、どのような手段での情報保障が望ましいか、丁寧に聞き取ることが大切です。

病弱・虚弱

病弱・虚弱とは

病弱・虚弱とは、主に慢性の疾患による症状や治療により、日常生活に制限が必要とされる状態のことを言います。該当する慢性疾患には「ぜんそく」などの呼吸器疾患、定期的な人工透析を必要とする「腎臓疾患」や、寛解(症状がいったん消失した状態)後も継続的な治療が必要である悪性新生物(がん)などがあります。

また、てんかん、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、インスリン依存性糖尿病なども慢性的な疾患であり、生活の中で様々な配慮や制限が必要になると言えます。

病弱・虚弱の人の支援について

慢性疾患への支援は多岐にわたり、それぞれ個別に支援の内容を決めていく必要があります。その人が抱える疾患について知り、理解した上で適切な支援を考えていく必要があるでしょう。

一般的には、病弱・虚弱の人は体力が低下しており、一般の人に比べ長時間の運動が身体に与える影響も大きいことが考えられます。一人ひとりの疾患や症状の状態を見ながら、身体に過度の負荷がかからないように配慮する必要があります。たとえば、てんかんによる発作や食物アレルギーによるアナフィラキシーショックなど、緊急の対応が必要となることが予測される慢性疾患もあります。このような疾患については、事前に医療機関との連携マニュアルなどを作成したり、本人を含めた関係者間で対応を話し合っておくことも重要です。

定期的な受診・治療が必要な疾患については、修学の機会を保障する措置について事前に本人と学校で話し合うことも必要になります。

病弱・虚弱の人の多くは、本人からの申し出がないかぎり一見健康な人と区別がつきません。また、様々な制限や制約によって心理的なストレスを受けている場合も多く、孤独に陥りやすいため、本人が安心して生活を送れる環境作りを意識して支援していくことが望まれます。

肢体不自由

肢体不自由とは

肢体不自由とは、身体の動きに関する器官が、病気やけがで損なわれ、歩行や筆記などの日常生活動作が困難な状態のことです。肢体不自由の程度は、一人ひとり異なっていて、片足が動かない場合、両足が動かない場合、全身が動かない場合など様々です。外見的に分かりやすい障害に思えますが、見た目では分かりにくい場合もあります。例えば、手指に力が入りにくく、書字が困難である場合や、短距離なら自分で歩けていても、長距離の移動は困難である場合などです。

肢体不自由の人の支援について

肢体不自由の程度は、一人ひとり異なっているため、支援の際には、学習上又は生活上どのような困難があるのか、それは杖や車椅子などの補助的手段によってどの程度軽減されるのかを直接聞き取ることが重要です。まずはどのような支援を必要としているのかを尋ねて、一人ひとりのニーズに合った支援を行いましょう。

例えば、上肢(腕や手)に障害がある人は、ノートテイクや器機操作などが困難な場合があります。そのため、ノートテイクや試験の解答方法にPCの利用を認めたり、実習などで器機操作が必要な場合は補助にTAを配置するといった配慮が考えられます。

下肢(脚)に障害がある人は、授業間の教室移動や通学手段に困難を抱える場合があります。できるだけ早い時期に履修の相談を行い、授業を行う教室の配置を移動距離が短くなるように調整するといった配慮が考えられます。また、自動車での通学を希望する場合、駐車場の確保も必要になります。特に、車椅子を利用する学生の場合は、学内の設備で坂や段差によって利用しにくい場所がないか事前にチェックしておくことが大切です。また、ドアの開閉が困難なことも多いので、このことも留意する必要があります。

肢体不自由の人全般に考えられる配慮として、体育や実習などの身体動作が必要な授業について、どの程度の内容なら参加できるか事前に相談し、場合によっては他の授業やレポート評価などに置き換えることが必要になります。

発達障害

発達障害とは

発達障害には自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。発達障害の人は、中枢神経系の障害により、生まれつきコミュニケーションや社会性、注意力、学習に偏りがあります。そして、障害の特性が重なっている場合も多く、これらのうち、どの障害の種類にあたるのかを明確に分けて診断することは難しい場合もあります。もともとの障害特性に加えて、人間関係が険悪になるといったストレスから腹痛や頭痛といった身体症状や、気分の落ち込みや不安といった精神症状といった二次障害が問題になることもあります。大学では授業や実習、ゼミやサークルなどグループや集団で活動する場面も多くなりますが、それが苦手で授業に出られなくなるという人も少なくありません。

発達障害の人への支援

発達障害の人を支援していく時に、「努力が足りない」「甘やかされている」といった見方は適切ではありません。努力してもうまくいかないという経験を繰り返してきた、ということを理解した上で関わっていく姿勢が重要と言えます。そして、一人ひとりと具体的な支援方法を話し合っていくことが大切です。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の場合、どういった言葉の表現をすればうまく相手に伝わるのかを一緒に練習したり、見通しを持って行動ができるように、予定を一緒に確認してスケジュール帳に書くことを支援するといった方法が考えられます。注意欠如・多動性障害の場合は、やることをリスト化したり、物を整理しやすいように環境を具体的に整えることが有効です。学習障害の場合は、「読む」「書く」「計算する」のどれに困難を感じているかを把握し、得意な能力を活かした対処法を考えます。パソコンやタブレット端末等のICT機器を補助的に用いることで、学習しやすくなる場合もあります。

本人だけががんばるのではなく、家族や関係者とも連携を図りながら支援の体制を作っていくことが重要です。

精神障害

精神障害とは

人は様々な出来事によって不安になったり、時には混乱して取り乱すことがあります。しかしそれは一時的なもので、時間の経過や場面の変化によって落ち着きを取り戻し、通常の生活を取り戻していきます。しかし、日常的に不安や混乱に陥っており、学業や仕事、日常生活に支障をきたすことが続いた場合、精神障害の可能性を疑う必要があるかもしれません。

精神障害には幻覚や妄想といった症状がみられる統合失調症、いらいらしやすく感情が不安定になったり、気分の落ち込みや不眠や過眠、何をしても楽しめないといった症状がみられるうつ病、強い不安によって動悸、呼吸困難、めまいなどが突然出現するパニック障害や、何度も確認しないと落ち着かない強迫性障害などの不安性障害があります。これらは共通して、日常生活に支障がでるほどの症状が見られます。

精神障害の人の支援について

まず、通院と服薬への配慮が必要です。疾患によっては長期間の服薬が必要になることも多いため、通院計画に沿って履修スケジュールを組むようにするとよいでしょう。

症状悪化の要因(サークルなどの特定の人間関係や、睡眠不足などの生活リズムの悪化など)が明らかな場合には、症状が安定するまでサークル参加を控えたり、生活リズムを整える練習をするなど、増悪因子を避ける手立てを話し合うようにするとよいでしょう。

不安性障害の場合、周りが比較的空いていて静かな席(壁に近い最前列の席など)を確保できるように支援することで、授業時の負担が軽減されることもあります。また、eラーニングなどwebで受けられる講義の選択も検討するとよいでしょう。

参考資料