香川大学女性研究者

MATSUDA Yoko

香川大学松田 陽子MATSUDA Yoko

  • 香川大学医学部 病理病態・生体防御医学講座 腫瘍病理学 教授
  • 博士(医学)

略歴/香川県生まれ。坂出高等学校卒業。1998 年に香川医科大学卒業後、循環器内科に入局し、同大学院に進学。大学院修了後、病理学の道に進むことに決め、2003 年より香川医科大学腫瘍病理学にて研究を開始。2007 年に日本医科大学、2013 年に東京都健康長寿医療センターにて、病理診断と病理研究に従事した。米国のマサチューセッツ総合病院に短期留学。2019 年4 月より香川大学に着任。

継続は力なり

臨床の業務と違い、実験は、先延ばしにできたり、手間を省いたりできるため、意欲を保ち続けることが難しいと感じることがあります。研究意欲維持のため私が心掛けていることは、①誰かと一緒にやること、②様々なことをやってみること、③目標を決めることです。①は、実験・解析・論文の抄読・執筆等を1 人でやらずに誰かとやるように心掛けています。②は研究だけでなく、診断のカンファレンスに参加したり、研究に直接関係のない業務をやることで、気分をリフレッシュできます。③は例えば、先行きが不透明な研究の演題を学会に登録し、学会発表までに何とか結果を間に合わせるように自分を追い込みます。研究に最も大切なことは、自分にできることをやり続けることであり、それぞれの研究者の背景や考え方、環境の違いが個性的な研究につながっていくと思います。

研究テーマ

テロメア病理学

テロメアは染色体末端の保護装置であり、細胞分裂のたびにテロメアの長さが短くなるため、命の回数券と呼ばれます。私は、ヒトの病理検体(病理検査のために採取される病変の一部)を用いて、テロメアの解析を行い、細胞の形や構造の変化とテロメアの変化との関連を調べています。テロメアは、核の中にあるTTAGGG の繰り返し塩基配列から成るDNA の一部です。テロメアの変化が目に見える形となって病理標本上に表れてくること、さらには癌をはじめとして、加齢に伴う様々な疾患の発症の原因となることに強い興味を感じ、研究を始めました。正常細胞が癌細胞に変化していく過程において、テロメアの異常や細胞の形・機能の異常が積み重なっていく機序を、明らかにすることで、癌の早期発見や新しい治療法に結び付く研究成果を獲得することを目指しています。

研究領域

病理学、腫瘍学、消化器疾患

キーワード
  • テロメア
  • 膵臓
  • 染色体異常
  • 病理