21世紀源内ものづくり塾

源内塾とは

1.事業の目的

香川のものづくり企業の活力を維持し、持続的な発展を図るため、単に技術がわかるだけでなく、マーケティングやビジネスプラン等経営マネージメントも養成する実践的なプログラムにより、次代の経営を担う人材、イノベーションの原動力となる人材、製品の企画・開発をリードする人材、ベンチャーを指向する人材等を育成します。

なお、本事業は、香川県が25年度に策定した「香川県産業成長戦略」の産業人材の育成事業の一環として、実施するものです。

2.育成する人材像

  1. 工学や生命科学分野の先端技術を理解し、「売れるものづくり」が企画・開発できる高度技術者(イノベーション、ベンチャー等ものづくり全般)
  2. 健康に関連した予防、診断、治療、介護分野で付加価値が高く高機能な部材・デバイスや診断装置などが企画、開発が出来る高度技術者(かがわ健康関連製品開発地域関係)

3.育成の方針

「地域で必要な人材は、自前で養成すること」を基本に、香川のものづくりを担う若手リーダーを育成するため、香川大学が20年10月に開設した「21世紀源内ものづくり塾」(以下、源内塾)の座学、課題研究、技術経営と言った2年間の育成システムにより、香川大学を中心に徳島文理大学(香川校)、香川高等専門学校などが連携して育成します。

 また、育成後は、修了者の自己研鑽を促し、育成成果等をビジネスに結びつけるため、継続的にフォローアップします。

【育成の考え方】

 平賀源内を輩出した香川には、オンリーワン、ナンバーワンと言われるものづくり企業が少なくありません。しかし、今日のグローバル競争を勝ち抜くためには、自らのコア技術を生かしながら、付加価値向上を目指し継続的に取り組む必要があります。

 また、高齢化社会に入り、疾患治療などによって長寿を支えるのでなく、健康で長生きするという「健康長寿」の実現が望まれています。このため、予防、診断、治療、介護といった健康関連分野で付加価値が高く高機能なデバイスやシステムの開発が求められており、これらを香川地域で創出することが重要です。

 そのような中で、香川大学では、平成17年4月に「微細構造デバイス統合研究センター」を設置し、マイクロ・ナノ技術と言われる先端分野の微細加工技術の研究開発を進めてきました。その一環として、企業技術者が指導教員の指導を受けながら開発に取り組む「マンツーマン方式」による実践的な人材育成に取り組んできました。

 源内塾では、このようなノウハウをベースに、国の事業採択以降、付加価値が高いものづくり技術を習得させながら、しかも香川における多様なものづくり企業の様々なニーズに対応できる育成プログラムの構築を進めてきました。そして、育成期間を2年とし、座学、課題研究、技術経営と言った3つの課程を効果的に組み合わせることで、塾生に対し実践的できめ細かく教育・指導する運営体制を整備しました。

 具体的には、「座学(約半年間)」では、工学や生命科学と言った先端分野について理解を深めます。売れるものづくりのためには、先端技術の使われ方やシステム化の手法等について幅広く知ることが求められており、座学を通じ幅広い知識、広い視野を植え付けます。

 次に、座学に引き続き実施する「課題研究(約1年半)」は、自由にテーマを設定して、マイペースで取り組んでいただきます。塾生が自ら抱えている業務上の身近な問題や会社の長年の懸案事項等をテーマに設定し、これを指導教員の指導を定期的に受けながら解決を目指して取り組み、問題解決能力やコミュニケーション能力を養います。

 さらに、MOT(技術経営)では、経営がわかる技術者を目指し、個別指導の機会を十分にとりビジネスマインドを磨きます。 マーケティング基礎等座学に加え、課題研究に関係したテーマでビジネスプランを作成し、個別指導を基本にブラッシュアップを重ねより良いプランに仕上げ、修了発表会で発表します。

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育成システムに求められる要素

 また、健康関連製品の開発を目指す塾生には、座学として、工学や生命科学と言った先端のものづくり技術の理解に加え、医用機器開発に求められる品質安全、最先端の医療機器開発の技術やビジネス、薬事法等が関係する場合があります。これらは、受講者の必要性に応じ別途検討します。

 そして、源内塾では、このような育成システムについて、原則、いわゆる「オープンイノベーション」により運営したいと考えています。

 また、受講による個別のスキルアップだけでなく、修了後には、ビジネスプランのブラッシュアップ等フォローアップ制度を通じ継続的な自己研鑽も促していきます。このため、塾生による地域ネットワーク「源内OB会」を開設します。地域に開かれたものづくり人材の強固なネットワーク形成により、地域全体として技術力が向上し、また、個別企業においては研究開発と人材育成の好循環が形成でき、これらを通じ地域の活性化や産業振興へ貢献ができるものと考えています。

4.実施の体制

 育成システムの運営は、香川大学が行い、徳島文理大学(香川校)、香川高等専門学校など連携する大学や高等専門学校(以下、関係大学等)と相互に調整・協力しながら実施します。

 座学の講義と課題研究に伴う指導は、原則として、香川大学と関係大学等に在籍する教員が実施する。ただし、当該教員で不足する分野は、その分野に精通した他大学、香川県産業技術センター、産業技術総合研究所など関係機関の適任者に依頼します。

 また、技術経営におけるマーケティングやビジネスプラン作成は、この分野に精通して指導経験を有するコンサルタントに依頼します。

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