香川大学 微細構造デバイス研究開発センター
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MEMS研究
            
サンプル写真 覚センサ 繊細な”ナノ触覚”を定量化
香川大学 工学部 知能機械システム工学科 高尾研究室
(高尾英邦 教授/微細構造デバイス統合研究センター センター長)

シリコンで創る人工皮膚機能:ナノ触覚センサ

研究の目的
本研究では,「人間の指先」が持つ繊細な触覚をセンサ技術で再現する「ナノ触覚デバイス」を実現し,「ザラザラ感」や「ふんわり感」,「しっとり感」などの手触り感を数値化できる新しい計測技術の開発に取り組む。いまだ数値化と計測が実現されていない人間の指先手触りの感覚を定量化,または計測する新技術を創出し,各種応用分野における「手触り感数値化」の実現に向けた新しい触覚情報処理基盤技術を開発する。

研究成果の概要

本研究では,ナノスケールの解像力と複数種類の触覚センサを有する「ナノ触覚」を半導体MEMSデバイス技術で実現し,人間の指先皮膚がもつ高度な触覚を定量的に数値化することを目指している。指紋部分で感じるとされる,対象物表面の微細な凹凸形状とその形状に起因して生じる微細な摩擦力波形を,微細な接触子の先端を用いて同地点・同時刻で取得する。図1は,我々のMEMS触覚デバイスで取得した「わら半紙」と「コピー用紙」の表面波形をそれぞれ示しており,手触りの違いと一致する触覚情報が得られている。取得されたデータを詳細に分析することにより,指先が感じている手触り感に含まれる様々な「感覚」を数値として表現する。これにより,「すべすべ」と「ざらざら」などの抽象的表現で表される手触り感が数量的に表現されるようになると期待できる。
また,図2は内視鏡手術等に応用可能な,臓器固さ判別用触覚センサの特性評価結果である。これまで,内視鏡に搭載可能な微小サイズのMEMS硬さセンサでは,10HS(Shore-A)以下の固さ判別ができなかった。本触覚センサは,特性を安定化する新しい構造の導入により,10HS以下の固さ判別をMEMSセンサで初めて実現することに成功している(平成26年)。

MEMS触覚センサ

図1 MEMSセンサによる凹凸と摩擦の同時検知結果 図2 触覚センサと臓器固さの関係

備考
・平成25年度香川大学リーディングリサーチ推進事業研究課題採択
・平成27年度JST−CREST採択:研究課題「繊細な触覚を定量的に検知する『ナノ触覚神経網』の開発と各種の手触り感計測技術への応用」
Profile
工連携 超低侵襲内視鏡医療技術の実現に向けて

工連携 IoT時代を変革する農業プラットホームの実現に向けて

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触覚センサ