○国立大学法人香川大学における研究インテグリティ確保のための管理規程

令和4年4月1日

(趣旨)

第1条 この規程は、国立大学法人香川大学(以下「本学」という。)における研究環境の基盤となる価値を守りつつ、国際協力及び国際交流を推進するため、研究活動の国際化やオープン化に伴う新たなリスクに対して確保が求められる研究の健全性・公正性(以下「研究インテグリティ」という。)について、その自律的な確保を行う上で必要な事項を定める。

(目的)

第2条 この規程は、本学に所属して研究に従事する者(非常勤職員を含む。以下「研究者」という。)が、香川大学行動規範に則りコンプライアンスを確実に実践すること及び研究インテグリティの確保に関する法令、行政機関による告示、通達、訓令、要綱等に基づき、研究インテグリティの自律的な確保に関する取組を推進することを目的とする。

(研究インテグリティ対策室)

第3条 研究インテグリティの確保のために、学長の下に、香川大学研究インテグリティ対策室(以下「対策室」という。)を置く。

2 対策室は、次の各号に掲げる室員をもって組織する。

(1) 学長が指名する理事(以下「担当理事」という。)

(2) 産学連携・知的財産センター長

(3) インターナショナルオフィス長

(4) 産学連携・知的財産センター教員のうち学長が指名する者 1人

(5) 地域連携推進課長

(6) 人事企画課長

(7) 研究協力課長

(8) 国際課長

(9) 施設企画課長

(10) 経理課長

(11) 各学部及び地域マネジメント研究科の事務担当者 総務系及び学務系 各1人

(12) その他学長が必要と認めた者

3 前項の室員に加え、必要に応じて学外の有識者を室員として参加させることができる。

4 第2項第11号の室員は、各学部及び地域マネジメント研究科における研究インテグリティの自律的確保を推進する者とする。

5 第2項第11号第12号及び第3項の室員は、学長が任命する。

6 第2項第11号の室員の任期は1年とし、第2項第4号第12号及び第3項の室員の任期は2年とする。ただし、いずれも再任を妨げない。

7 第2項第4号第11号第12号及び第3項の室員に欠員が生じた場合の後任者の任期は、前任者の残任期間とする。

(室長)

第4条 対策室に室長を置き、担当理事の中から、学長が指名する者をもって充てる。

2 室長は、対策室の業務を掌理する。

3 室長に事故があるときは、あらかじめ室長が指名した室員が、その職務を代行する。

(副室長)

第5条 対策室に、副室長を置くことができる。

2 副室長は、第3条第2項第2号から第4号までに掲げる者の中から、室長の推薦に基づき、学長が指名する。

3 副室長は、室長の業務を補佐する。

(対策室の役割と権限)

第6条 対策室は、研究インテグリティの確保への対応方針の策定及び個別案件の評価を実施するものとする。

2 対策室は、研究活動の国際化やオープン化に伴う新たなリスク(別表に定めるものをいい、以下「リスク」という。)に対して、部局等の担当と連携してリスクを評価するものとする。

3 対策室は、リスクが懸念される場合は、個別案件を所掌する部局等の担当と連携して対応するものとする。

4 対策室は、研究者の活動に関して、研究インテグリティに係る疑義が発生した場合は、当該研究者に対するヒアリングの実施、役員等への意見具申及び役員会等へ上程を行うことができるものとする。

5 対策室は、研究インテグリティに関して文部科学省、経済産業省等の外部機関との渉外を担当するものとする。

6 対策室は、研究インテグリティの確保への理解醸成を促すため、研究者の研修及び第3条第2項第11号の部局の担当者を対象とした研修を実施するものとする。

(対策室会議)

第7条 対策室に、リスク評価、個別案件の判断及び対応方針の策定のために、対策室会議(以下「室会議」という。)を置く。

2 室長は、室会議を招集し、その議長となる。

3 室会議は、室員の過半数の出席がなければ、議事を開くことができない。

4 議事は、出席室員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

5 議長が必要と認めるときは、室員以外の者の出席を求めて意見を聴くことができる。

(誓約書の提出)

第8条 研究者は、リスクを認識した上で、特に国際的な連携を行う際には自らの研究活動の透明性を確保し、必要な情報の適切な報告・申告を行うことを遵守するものとし、本学に採用された後速やかに、学長に誓約書(別紙)を提出しなければならない。

(確認書の提出)

第9条 研究者は、リスク確認のため、以下の確認書を学長に提出しなければならない。確認書の項目、内容等については、別途、対策室にて定めるものとする。

(1) 定期確認用(年1回)

(2) 個別確認用 海外出張又は海外研修の計画時

(3) 個別確認用 外国の機関・大学等との共同研究の計画時

(4) 個別確認用 留学生・外国人研究者の受入時

(5) その他リスクが懸念され、学長が必要と判断した時

(研究者教育)

第10条 研究者は、対策室が定める研修プログラムを受講しなければならない。

2 研究者は、原則5年ごとに受講するものとする。ただし、研修内容の追加等の理由により、対策室が受講を求めたとき、研究者は、前回の受講からの年数にかかわらず受講するものとする。

3 新たに採用された研究者は、着任後速やかに受講するものとする。

(事務)

第11条 研究インテグリティの確保に関する事務は、関係部署等の協力を得て、地域創生推進部地域連携推進課において処理する。

(雑則)

第12条 この規程に定めるもののほか、研究インテグリティの確保に関し必要な事項は、別に定める。

1 この規程は、令和4年4月1日から施行する。

2 この規程の施行日以前から本学に所属する研究者は、第8条に規定される誓約書を対策室が指定する日までに学長に提出するものとする。

(令和5年4月1日)

この規程は、令和5年4月1日から施行する。

別表(第6条関係)


想定されるリスク

内容(【 】内は関連する学内手続)

(1)

利益相反・責務相反が適切に管理されないリスク

・研究者又は大学が研究活動に伴って得る利益(実施料収入、兼業報酬、未公開株式、研究成果等)と、国又は研究資金配分機関から交付、補助又は委託される経費を用いて行われる研究開発において求められる責任や大学において所属する研究者に求められている責任が衝突・相反していること。

(2)

技術流出・情報流出につながるリスク

・技術情報を提供する際の事前確認や技術情報の管理を適切に行わなかったことにより、技術流出・情報流出につながること。

【知的財産、貨物の輸出、技術の提供、外国人留学生、研究者等の受入】

(3)

信頼の低下リスク

・例えば、研究公募への応募において、研究者が、海外では制限が講じられている外国機関との共同研究の情報を提出しなかったことにより、虚偽記載や利益相反を疑われるような事態になり、本人の信頼が低下すること。

・職歴・研究経歴、現在の全ての所属機関・役職(兼業や外国の人材登用プログラムへの参加、雇用契約のない名誉教授等)を大学側に報告しなかったことにより、利益相反を疑われるような事態になり、本人の信頼が低下すること。

(4)

外国の機関・大学等と連携・契約において覚書(MOU)等の書面を交わす際の手続のリスク

・覚書(MOU)等の書面を交わす際、大学の規程等に基づいて確認や判断を行うなど、適切な手続を経なかったことにより、(1)(2)(3)のリスクが懸念されること。

【学術交流協定】

(5)

外国の機関・大学等から補助金や助成金・報酬(※)・物品の提供を受けることのリスク

※奨励金、兼務の給与、賞金、贈答品、寄付金、出張費、講演料、執筆料等

・外部から寄附金等による支援を受けていることを大学側に報告しなかったことにより、(1)(2)(3)のリスクが懸念されること。

【兼業、職員倫理、助成金等の受入、出張】

(6)

外国の機関・大学等との長期間にわたる連携・契約に関するリスク

・相手方の参加メンバーや共同で行う研究内容に変化がないか確認し、実質的な変更があったことを大学側に報告しなかったことにより、(1)(2)(3)のリスクが懸念されること。

【学術交流協定】

(7)

外国の機関・大学等との書面を交わさない連携や報酬・物品の提供の無い連携を行う場合のリスク

・この場合であっても(1)(2)(3)のリスクがあり得ること。

(8)

特定の外国に長期の出張や高頻度な出張を行う場合のリスク

・この場合であっても(1)(2)(3)のリスクが懸念されること。

【海外出張、海外研修】

(9)

外国の機関・大学等と共同で行う研究の過程で共同研究の目的外使用をされるリスク

・日本国の安全保障や経済・社会に悪影響を及ぼす等、技術情報の提供が共同研究の目的外使用をされるリスクがあり得ること。

【国際共同研究】

(10)

その他リスクが懸念されること


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国立大学法人香川大学における研究インテグリティ確保のための管理規程

令和4年4月1日 種別なし

(令和5年4月1日施行)