メンタルヘルスアップ・コーディネーター養成講座 第1回

日時
2011-09-23 14:00–16:00
場所
香川大学幸町キャンパス 研究交流棟5階 研究者交流スペース
参加者
60名
講義
わが国の自殺の現状と対策/メンタルヘルスアップ・コーディネーターについて
鈴江 毅 (香川大学医学部公衆衛生学)
実習
自己理解と他者理解
岡田 倫代, 片山 はるみ, 藤川 愛, 鈴江 毅

講義風景

メンタルヘルス
アップ
コーディネーター

それぞれの言葉の意味は分かるが、これらが連なったらどうなるのか? メンタルヘルスアップ・コーディネーターとは何をする人たちなのか?

このような問いかけから始まった、メンタルヘルスアップ・コーディネーター養成講座。9月23日に開催された第1回では、香川大学医学部の鈴江准教授が世界, 我が国, そして香川県の自殺の現状を紹介しました。

世界では年間約100万人もの自殺者がおり、未遂者はこの10倍とも20倍とも言われています。特に東アジアやロシアに多く、日本では1998年以降、年間約3万人を超えています。都道府県別統計では、香川県の人口10万人あたりの自殺者数は平均より少ないものの、それでも年間200人前後の方が命を絶っているとの解説がありました。

講義風景

自殺の予防には3段階あり、本講習会で養成するメンタルヘルスアップ・コーディネーターに期待されることは、主に初期段階である一次予防であると説明されました。すなわち、地域住民の相談にのる、声かけや挨拶をする、自殺予防に関する情報を地域住民に提供するなど、普段生活している人のメンタルヘルスを、自殺しようと考える前の段階でサポートするための地域活動が、メンタルヘルスアップ・コーディネーターの役割であり、それより進行したケースの対応は専門家の役割である、ということです。また、国や地方自治体の取り組みについても紹介されました。

その後、受講者の皆さんにコンピテンシー (行動特性) 分析のアンケートを行って現在の取り組み状況を知っていただき、講義を終了しました。

講義風景

後半の実習では、「自己理解と他者理解」と題して、家庭でよくみられるコミュニケーション破綻の例、精神的健康, 社会的健康, 経済的健康のバランスの重要性について解説がありました。続いて、会釈など個と個のコミュニケーション, 二人組の中でのコミュニケーション, 2組のペアを統合した四人組でのコミュニケーションなどを通じて、聞くことと話しかけることの練習。ここでは名前を呼びかけること、相手の話を遮らず聞くことがポイントです。四人組で相互に握手して実習は終了しました。

最後にエゴグラムを作成して、この日の実習は終了。

受講生の皆さん、お疲れ様でした。