瀬戸内圏研究センターSeto Inland Sea Regional Research Center

多田教授が国際学会PICESにおいてBest Presentation Awardを受賞しました!

 平成24年10月に広島で開催された国際学会PICES(北太平洋海洋科学機構、主催:日本政府(水産庁他)、(独)水産総合研究センター)で、多田邦尚教授のポスター発表が、Best Presentation Award を受賞しました。PICESは、北太平洋の対象となる海域を科学的に解明するため、加盟国が協力して生物資源並びに海洋環境及び海洋と陸地、大気との相互作用等についての調査、研究を行おうとするもので、1902年に設置された国際海洋探査協議会(ICES)がモデルとなっています。
 瀬戸内海は、日本の高度経済成長期に急激に富栄養化が進行し、当時は赤潮が多発する等、「死の海」と言われるほど、その環境は悪化していました。その後、瀬戸内法が施行され水質総量規制等の対策が功を奏し、現在は赤潮発生件数も最盛期の1/3程度に減少する等、水質はかなり改善されてきました。しかしながら、その一方では、養殖ノリが栄養不足のために色落ちを起こす等、水産業に問題が生じるようになりました。多田教授らは、近年の瀬戸内海の栄養塩濃度の減少は基本的には瀬戸内法の効果と考えられるが、海底の底質が良くなり、底泥からの栄養塩供給が少なくなったこともその原因であることを報告しました。
Best Presentation Award を受賞した発表ポスターの前で
Best Presentation Award を受賞した発表ポスターの前で