理事閑話(2018.9)

funahashi.png


 
香川大学 理事
舟橋 徹

香川の地で学ぶ

  本年4月に就任しました。3月まで女子大で勤務していましたので、男子学生(もちろん女子学生も)の元気な声が響くキャンパスの活気ある様子が印象的でした。四国での勤務は初めてですが、緑豊かで気候は温暖、人々もおおらかな住みやすい土地柄と感じました。道や交通機関を訊ねても親切に教えてもらえました。空港行きのバスが満席のとき、運転手さんが停留所ごとに乗車口まで降りて「次のバスを利用して下さい」と丁寧に説明する様子が大変印象的でした。香川は四国の玄関口であり、高松など行政・経済等の拠点として都市機能を持つと同時に、豊かな自然に恵まれており、晴れた日の瀬戸内海の美しさなど目を見張るものがあると思います。また、源平古戦場跡や四国霊場など歴史的名所も数多い一方で、四国初のプロオーケストラが結成され瀬戸内国際芸術祭が開催されるなど、新しい文化への取組みも盛んに行われていると思います。自然と文化、歴史的なものと新しいものがバランスよく存在しているところが、香川の魅力の一つではないかと感じています。もちろん食べ物も、「うどん」は言うに及ばず、瀬戸内の海の幸やフルーツなどもとてもおいしいと思います。このような地で学ばれる学生の皆さんには、香川の魅力を楽しみつつ、充実した学生生活を送っていただきたいと思います。現在、全国に86ある国立大学は、それぞれが個性・特徴を持った各地域の拠点であると同時に、すべての都道府県に設置され、国全体の教育・研究を支える基盤の役割も有しています。そのため、昨今厳しさを増しているとは言え国の様々な支援を受けており、それは国立大学で学ばれる学生の皆さんへの国民の期待の現れでもあると思います。学生の皆さんはご自身の意欲や将来への希望をもとに勉学に励まれていることと思いますが、その香川発の学びの成果を大いに発揮して、地域はもとより我が国の未来を担うご活躍をいただきたいと思います。

 

監事閑話(2018.8)

今井監事顔写真


 
香川大学 監事
今井良行

大好きな「釣り」と「魚」について

 いわゆる「船釣り」を始めてから40年を超えました。未だに飽くことなく旧来型の釣り“竿を振り回さない釣り”を楽しんでいます。場所は瀬戸内海をメインに四国の近海で、今年も「釣り友達」と20回程度の釣行を予定しています。
 釣る魚は「自然のもの」ですから、季節とともに移り変わっていきます。年間で20種類程度の魚を釣っていると思います。多くの魚は釣れる季節が限られていますので、年中釣れることはありません。「今月は△△を釣ろう」これも釣りの楽しみの一つです。
 ただ、年中釣れる(釣る?)魚もいます。代表は皆さんよくご存じの「鯛」です。「鯛」は、日本では「魚の王様」と言われます。お目出たい魚でもあります。七福神の恵比寿様が釣竿の反対側の手で抱えているあの魚です。またニュース等でご覧になったこともあると思いますが、大相撲の優勝力士が祝いの席で持っているあの魚でもあります。「釣り人」にとっても、魚が掛かった時の引きの強さとやり取りの面白さ、そして何より魚体の美しさでたいへん人気のある魚です。
 ところで、皆さんは魚の食味が季節によって変わることを、ご存知でしょうか。「鯛」は9月から翌年の4月頃までは、料理方法に関わりなくたいへん美味しくいただけます。ただし、5月から8月頃までは「腐っても鯛」ではありますが、産卵後で身が痩せ、なぜか水っぽく感じられます。我が家では、この時期は刺身ではいただきません。焼くなり、煮るなりすると美味しくなり、さらに味噌漬けで味噌の風味を付け水分を減らしたうえで焼くととても美味しくいただけます。
 もうすぐ9月です。たくさんの魚が美味しくなり釣れだします。「釣ってよし食べてよし」皆さんも瀬戸内での生活をさらに楽しく豊かなものにしてはいかがでしょうか。

副学長閑話(2018.7)

横見瀬副学長顔写真


 
香川大学 副学長
(医療担当)
横見瀬裕保

私の好きな本

 以前はかなり真面目な文学少年でした。その理由は不真面目で、町に一つしかない図書館のおねえさんに恋をしたからです。私の出身地岡山県高梁市は人口3万2千人、城と川の小さな町です。高梁川に流れ込む小川沿いに古い市立図書館があり、静寂の中、土曜の午後をそこで過ごすのが私の密かな楽しみでした。もちろん冷房などはなく初夏から真夏にかけてはすべての窓が開け放たれ、うっそうと茂る木立から不思議とひんやりとした風が流れてくるのが好きでした。そのうちに図書館のおねえさんが新刊書や自分が愛読している本をこっそりとっておいてくれるようになり、さらに図書館に通う頻度は増えていきました。ところがある日突然、おねえさんは出産のために私の前から姿を消しました。ほのかな初恋は破れてしまい、図書館は次第に遠のいていきました。

 中学、高校時代は漱石、龍之介を愛読しました。漱石の作品では「三四郎」が好きで、いくつか心に残るセンテンスがあります。熊本から上京する列車で知り合った未亡人から誘われて、慌てていると、「あなたは度胸のない男ですね」と見透かされてしまいます。読んでいる時に自分自身がドキッとしているのに気がつきました。私は度胸がありません。日露戦争に勝利、高揚した時勢の中、これからの日本はどうなるかの質問に広田先生は「滅びるね」と答えます。破局的な第二次大戦に向かう日本の姿を漱石は予見しています。龍之介の作品では「歯車」が好きです。全体に理由のない不安が漂い、まさに現代の精神病理そのものです。レエン・コオト(レインコート)着た幽霊、なくなったスリッパ。小さな出来事が心を削ります。タイプは違うのですが他人事のように自分を外から斜に眺める人生観に傾倒しました。漱石と龍之介は医者になった今の自分の生き方に、大きな影響があったと考えています。医者になっていなければ、売れない小説家は私の夢です。学生の皆さん、本を読みましょう。
 

副学長閑話(2018.6)

白木副学長顔写真


 
香川大学 副学長
(産官学連携・特命担当)
白木 渡

 「レジリエンス(resilience)」という言葉をご存知でしょうか? 最近は、テレビのニュースや新聞記事でもよく登場しますので、見聞きされている方も多いと思います。しかし一般の方には馴染みのない言葉ですので、意味を理解している方は少ない気がします。辞書では「復元力」や「回復力」などと記述されています。ハードな「物」が有する力学的な「力」という意味で使われます。一方「心のレジリエンス」という使い方もされます。この場合は人が逆境下で生き抜くために必要な「能力」という意味になります。具体例として、「ストレス対応力」、「ポジティブ思考力」、「関係構築力」、「モチベーション維持力」の4つの能力が心のレジリエンスとして定義されています。

 私がレジリエンスに興味を持ったのは、東日本大震災がきっかけです。想定外の事態に対応できる学問や技術は無いか探して、巡り合ったのが「レジリエンスエンジニアリング」です。この考え方では、レジリエンスとは「環境の変化や外乱の発生前、発生中、発生後に、社会の中で活動を続ける組織や社会・技術システム(組織や個人を含む)がその機能を調整し、想定内、想定外いずれの状況でも必要な行動・動作を維持できる能力(予見能力、監視能力、対処能力、学習能力)である。」と定義されています。

 現在、四国において危惧されている最悪の事態は、南海トラフ巨大地震の発生です。今後30年以内に70~80%の高い確率で発生し、最悪の場合死者数は全国で32万人以上、四国では9万人以上に達すると想定されています。政府は平成25年12月に「国土強靭化基本法」を公布・施行し、強さとしなやかさを持ったレジリエントな国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土強靱化(national resilience)」の政策を推進しています。

 このようにレジリエンスは、個人から企業や行政などの組織・システムにいたるまで、社会のあらゆるレベルにおいて備えておくべきリスク対応能力・危機管理能力として注目されています。今後必要になる能力だと思いますので、ぜひ関心を持っていただきたいと思います。
201806挿絵

副学長閑話(2018.5)

德田副学長顔写真


 
香川大学 副学長
(国際戦略・グローバル環境整備担当)
德田 雅明

グローバルキャンパス 

 2017年末の時点で、日本全体で約250万人の外国人が暮らしている。香川県でも約1万人が住み、インバウンドの外国人観光客も急速に増えていて、街を歩けば必ず海外の方と出会う。香川大学では、250人ほどの留学生を400人に増やし、日本人学生を年間100人海外派遣する計画(4&1プラン)が進行中である。キャンパス内でも留学生と日本人学生が一緒に居る光景は普通になってきた。幸町キャンパスのオリーブスクエアにあるEnglish Cafeでは留学生と共に学べるプログラムが人気だ。

 グローバル化はなぜ必要なのだろうか。コミュニティに海外の人たちが増え社会活動において重要なパートナーとなっている。また経済活動でも少子化と人口減少が進む日本国内だけを向いては成り立たなくなってきている。だから卒業後どの分野に進もうが、グローバルな感覚を持ちローカルに貢献できる「グローカル人材」として行動できることが求められている。そのために何をすればよいのか。

 何年か前に国連難民高等弁務官やJICA理事長などを歴任された緒方貞子氏の講演を聞いた。緒方さんは、日本人は決して内向き人種ではないと言われた。そして日本人は異文化理解には重要なとても素晴らしい素質を持ち、それは相手の国の文化や価値観の多様性を尊重し共に成長しようとする心を持っていることだと言われた。確かにそうだと思った。

 香川大学の学生さんには、ちょっと勇気を出して留学を経験してほしい。自分自身のことを含めて、海外に出てみて初めて見え、気付くことがある。各学部での留学プログラムもあれば、全学でもネクストプログラム、EXPLORE、トビタテ留学JAPANなど多くのチャンスがある。何においてもコミュニケーションは人間関係構築に不可欠な手段であり、英語を中心とした表現能力は必要だ。気軽にEnglish Cafeやインターナショナルオフィスを覗いてほしい。

201805挿絵

学長閑話(2018.4)

profile05.jpg


 
香川大学長 筧 善行

 今年のソメイヨシノの咲きぶりは見事だった。入学式の学長告辞でも触れたが、「休眠打破」という現象が桜の咲きぶりに大いに関係があるとのこと。要するに、冬の寒さが厳しければ厳しいほど、桜の蕾に強烈な目覚め現象が起こり、開花に向けたプログラムが一斉に始動するため開花時期が揃うのだそうである。逆に、東南アジアなどの亜熱帯国にプレゼントされたソメイヨシノは、一年中花をつけるのだが、ぽつぽつとした咲きぶりで一斉に開花することはないそうである。入学式ではこの桜の開花と休眠打破にひっかけて、厳しい受験勉強に耐えたからこそ今日のこの晴れの日が迎えられた、という趣旨で新入生にお祝いを述べさせていただいた。

 さて、4月から始まった新年度、香川大学では様々な改革が本格的に始まっている。創造工学部や経済学部、農学研究科修士課程で始まった新コースや新カリキュラム、医学部に新設された臨床心理学科の船出などである。これら以外の学部や研究科も皆、心新たに新年度をスタートさせている。いざ蓋を開けてみると色々と問題も起こってくるだろうが、それも想定内である。全ては、香川大学を選び入学してくれた学生達に、他大学とはひと味もふた味も違う知識やスキルを身につけてもらうための改革である。新入生達が数年後に自信に満ちあふれた笑顔で卒業式を迎えてくれることを、ひとえに願うばかりである。

 ところで3月挙行した学部生の卒業式、学歌斉唱で会場からも歌声が響いてきたのには感激した。また、今年度の入学式は学生有志の企画で、これまでとは少し違ったスタイルで挙行された。新入生は式の約1時間前から会場に集まり、自分の周りに座る他学部の学生に自己紹介をしたのち、未来宣言をカードに記入したり、アカペラサークルの指導で学歌の練習などを行った。彼らが卒業式を迎える時は、会場からさらに盛大な歌声が響き渡ることと期待している。新入生諸君、そして新年度を迎えた在校生諸君、「希望にあふれ、歴史に輝き、未来の中へ!」

201804挿絵

他年度のメッセージ

このページの先頭へ