副学長閑話(2018.6)

白木副学長顔写真


 
香川大学 副学長
(産官学連携・特命担当)
白木 渡

 「レジリエンス(resilience)」という言葉をご存知でしょうか? 最近は、テレビのニュースや新聞記事でもよく登場しますので、見聞きされている方も多いと思います。しかし一般の方には馴染みのない言葉ですので、意味を理解している方は少ない気がします。辞書では「復元力」や「回復力」などと記述されています。ハードな「物」が有する力学的な「力」という意味で使われます。一方「心のレジリエンス」という使い方もされます。この場合は人が逆境下で生き抜くために必要な「能力」という意味になります。具体例として、「ストレス対応力」、「ポジティブ思考力」、「関係構築力」、「モチベーション維持力」の4つの能力が心のレジリエンスとして定義されています。

 私がレジリエンスに興味を持ったのは、東日本大震災がきっかけです。想定外の事態に対応できる学問や技術は無いか探して、巡り合ったのが「レジリエンスエンジニアリング」です。この考え方では、レジリエンスとは「環境の変化や外乱の発生前、発生中、発生後に、社会の中で活動を続ける組織や社会・技術システム(組織や個人を含む)がその機能を調整し、想定内、想定外いずれの状況でも必要な行動・動作を維持できる能力(予見能力、監視能力、対処能力、学習能力)である。」と定義されています。

 現在、四国において危惧されている最悪の事態は、南海トラフ巨大地震の発生です。今後30年以内に70~80%の高い確率で発生し、最悪の場合死者数は全国で32万人以上、四国では9万人以上に達すると想定されています。政府は平成25年12月に「国土強靭化基本法」を公布・施行し、強さとしなやかさを持ったレジリエントな国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土強靱化(national resilience)」の政策を推進しています。

 このようにレジリエンスは、個人から企業や行政などの組織・システムにいたるまで、社会のあらゆるレベルにおいて備えておくべきリスク対応能力・危機管理能力として注目されています。今後必要になる能力だと思いますので、ぜひ関心を持っていただきたいと思います。
201806挿絵

副学長閑話(2018.5)

德田副学長顔写真


 
香川大学 副学長
(国際戦略・グローバル環境整備担当)
德田 雅明

グローバルキャンパス 

 2017年末の時点で、日本全体で約250万人の外国人が暮らしている。香川県でも約1万人が住み、インバウンドの外国人観光客も急速に増えていて、街を歩けば必ず海外の方と出会う。香川大学では、250人ほどの留学生を400人に増やし、日本人学生を年間100人海外派遣する計画(4&1プラン)が進行中である。キャンパス内でも留学生と日本人学生が一緒に居る光景は普通になってきた。幸町キャンパスのオリーブスクエアにあるEnglish Cafeでは留学生と共に学べるプログラムが人気だ。

 グローバル化はなぜ必要なのだろうか。コミュニティに海外の人たちが増え社会活動において重要なパートナーとなっている。また経済活動でも少子化と人口減少が進む日本国内だけを向いては成り立たなくなってきている。だから卒業後どの分野に進もうが、グローバルな感覚を持ちローカルに貢献できる「グローカル人材」として行動できることが求められている。そのために何をすればよいのか。

 何年か前に国連難民高等弁務官やJICA理事長などを歴任された緒方貞子氏の講演を聞いた。緒方さんは、日本人は決して内向き人種ではないと言われた。そして日本人は異文化理解には重要なとても素晴らしい素質を持ち、それは相手の国の文化や価値観の多様性を尊重し共に成長しようとする心を持っていることだと言われた。確かにそうだと思った。

 香川大学の学生さんには、ちょっと勇気を出して留学を経験してほしい。自分自身のことを含めて、海外に出てみて初めて見え、気付くことがある。各学部での留学プログラムもあれば、全学でもネクストプログラム、EXPLORE、トビタテ留学JAPANなど多くのチャンスがある。何においてもコミュニケーションは人間関係構築に不可欠な手段であり、英語を中心とした表現能力は必要だ。気軽にEnglish Cafeやインターナショナルオフィスを覗いてほしい。

201805挿絵

学長閑話(2018.4)

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香川大学長 筧 善行

 今年のソメイヨシノの咲きぶりは見事だった。入学式の学長告辞でも触れたが、「休眠打破」という現象が桜の咲きぶりに大いに関係があるとのこと。要するに、冬の寒さが厳しければ厳しいほど、桜の蕾に強烈な目覚め現象が起こり、開花に向けたプログラムが一斉に始動するため開花時期が揃うのだそうである。逆に、東南アジアなどの亜熱帯国にプレゼントされたソメイヨシノは、一年中花をつけるのだが、ぽつぽつとした咲きぶりで一斉に開花することはないそうである。入学式ではこの桜の開花と休眠打破にひっかけて、厳しい受験勉強に耐えたからこそ今日のこの晴れの日が迎えられた、という趣旨で新入生にお祝いを述べさせていただいた。

 さて、4月から始まった新年度、香川大学では様々な改革が本格的に始まっている。創造工学部や経済学部、農学研究科修士課程で始まった新コースや新カリキュラム、医学部に新設された臨床心理学科の船出などである。これら以外の学部や研究科も皆、心新たに新年度をスタートさせている。いざ蓋を開けてみると色々と問題も起こってくるだろうが、それも想定内である。全ては、香川大学を選び入学してくれた学生達に、他大学とはひと味もふた味も違う知識やスキルを身につけてもらうための改革である。新入生達が数年後に自信に満ちあふれた笑顔で卒業式を迎えてくれることを、ひとえに願うばかりである。

 ところで3月挙行した学部生の卒業式、学歌斉唱で会場からも歌声が響いてきたのには感激した。また、今年度の入学式は学生有志の企画で、これまでとは少し違ったスタイルで挙行された。新入生は式の約1時間前から会場に集まり、自分の周りに座る他学部の学生に自己紹介をしたのち、未来宣言をカードに記入したり、アカペラサークルの指導で学歌の練習などを行った。彼らが卒業式を迎える時は、会場からさらに盛大な歌声が響き渡ることと期待している。新入生諸君、そして新年度を迎えた在校生諸君、「希望にあふれ、歴史に輝き、未来の中へ!」

201804挿絵

他年度のメッセージ

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