サークル紹介(大学フォト)
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分子の3D構造から生命現象を理解する

 私たちの研究室では、生体内の分子の3D構造(立体構造)をX線結晶解析という手段を用いて決定して、そこで得られた情報から、生命現象において、その分子が担っている役割(機能)について考える、ということをしています。
 皆さんは、今、3Dの世界にいます。3D映画や3Dプリンターの出現で、3Dからは、2Dからよりも、得られる情報量が多いということを実感されていることでしょう。皆さんの体の中では、多種多数の分子がお互い関わりあって、生命活動を営んでいます。そこも、極微の世界ではありますが、やはり3Dの世界です。ですから、生命現象を理解するためには、3Dで物事を考える、つまり生命活動の担っている分子の3D構造を知る必要があります。
 分子というのは、とても小さいものです。皆さんがエネルギー源として使っているブドウ糖の分子は、直径およそ0.7 nm(ナノメータ)の大きさです。仮に、ブドウ糖が直径およそ7 cmの野球ボールの大きさだと仮定すると、身長130 cmの小学生は、なんと130,000 kmとなり、これは地球から月の距離の1/3に相当します。こんな小さなものは、光学顕微鏡で直接観察できないので、X線結晶解析という手段を用いるわけです。まず、3Dを決めたい分子で結晶をつくります。その結晶にX線を照射すると、いろんな方向に回折X線が観察されます。物理学を選択している人は「ブラッグの法則」として習っているでしょう。その回折X線の強さと方向から、結晶を構成している分子の3D構造がわかります。
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  私たちの現在の研究プロジェクトの1つをあげましょう。皆さんは、「希少糖」という言葉を聞いたことがあると思います。世の中にまれにしか存在しない糖、あるいはほとんど存在しない糖のことですが、これがいろいろ役に立つかもしれないということがわかってきました。私たちの研究室では、代表的な希少糖であるプシコースを、世の中にたくさんある果糖から生産してくれるD-タガトース 3-エピメラーゼと呼ばれる酵素(タンパク質)の3D構造を決定し、この酵素がどのようにして、果糖をプシコースに変換するのかを、3D的に分子レベルで解明しました。この研究成果を、今後、より効率よくプシコースを生産できるように酵素を改変する分子設計に発展させていこうと考えています。
 もし、私どもの研究に興味が持てたなら、ホームページ外部リンクアイコン (「香川大学 神鳥」で検索でも可)をのぞいてみてください。

   

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一緒に研究室を運営している吉田准教授(右)と実験室にて。奥にあるのが結晶から回折X線を測定する装置。

専門分野

構造生物学

趣味  
テニス、水泳、ウォーキング

研究を始めたきっかけ  
学部4年生で配属された研究室(理学部・化学科)では、教員三人に学生一人という環境でした。やりたい放題実験ができて、とても楽しかったからですかね。

氏名:神鳥 成弘(かみとり しげひろ)  
所属・職名:総合生命科学研究センター/医学部・教授