7月24日(土)、瀬戸内圏研究センターは、庵治マリンステーションにおいて、高校生を対象に「海の中を覗いてみよう!海と日本PROJECT」を開催しました。私たちのすぐそばに広がる海、しかし、日常生活の中で海に触れる機会はどれほどあるでしょうか。身近にありながら普段は目にすることのできない海の世界を、高校生に体感していただきました。今回も昨年と同様に参加人数を制限し、十分にコロナ対策を行ったうえで開催しました。

 学校の授業でなじみのある陸上の生態系から、海の生態系に目を向けてみると、そこには様々な違いが見えてきます。施設内の講義において、食物連鎖、生産速度、栄養段階、物質循環の観点から見た海陸の差異や、貝の毒化などの海特有の事例について学びました。調査船カラヌスⅢで実施した海洋観測においては、志度湾の水質、透明度の測定や海底堆積物採取、プランクトン採集を行い、見えない世界に迫りました。

 海洋観測の最後に行った海底泥に手で触れる体験での、海のきれいさを物語る土を慈しむ高校生の姿が印象的でした。顕微鏡でのプランクトン観察では、初めて出会う生物に感嘆の声が上がりました。海に心をよせ、海を知り、海について考える、本プロジェクトを通して、海の魅力に触れた若者たちが、未来の海に希望の光をもたらしてくれるであろうことを願っています。