○国立大学法人香川大学化学物質管理規程

令和5年4月1日

(目的)

第1条 この規程は、国立大学法人香川大学(以下「大学法人」という。)において使用する化学物質の管理について必要な事項を定め、事故等の防止を図ることを目的とする。

(法令との関係)

第2条 大学法人における化学物質の取扱いについては、消防法(昭和23年法律第186号)、高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号)、水銀による環境の汚染の防止に関する法律(平成27年法律第42号)その他の法令(以下「法令等」という。)に定めるもののほか、この規程の定めるところによる。

(定義)

第3条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 「化学物質」とは、元素及びその化合物のうち、危険有害性を有するものであって、かつ、関係法令等により指定されている物質(医療に用いる医薬品、及び放射性物質を除く。)をいう。

(2) 「部局等」とは、化学物質を管理する教育学部、経済学部、医学部、創造工学部、農学部、保健管理センター等(化学物質管理支援システム(以下「YAKUMO」という。)使用組織を含む。)をいう。

(3) 「部局等の長」とは、前号に規定する部局等の長をいう。

(4) 「リスクアセスメント」とは、化学物質等による危険性又は有害性を特定し、特定された化学物質等による危険性又は有害性並びに当該化学物質等を取り扱う作業方法、設備等により業務に従事する者に危険を及ぼし、又は健康障害を生じさせるおそれの程度及び当該危険又は健康障害の程度(以下「リスク」という。)を見積り、かつ、リスク低減措置の内容を検討することをいう。

(5) 「リスクアセスメント対象物」とは、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第57条の3第1項に規定するものをいう。

(学長及び理事の責務)

第4条 学長は、法令等及びこの規程の定めるところに従い、化学物質管理に関し必要な措置を講じなければならない。

2 職員の安全衛生に関する業務を担当する理事(以下「担当理事」という。)は、大学法人における化学物質管理の統括責任者として、学長を補佐するとともに、大学法人の化学物質管理に関する業務を実質的に統括する。

(化学物質管理者)

第5条 各部局等に、当該部局等の化学物質の管理を統括する者として、化学物質管理者を置く。

2 化学物質管理者は、当該部局等の長をもって充て、次の各号に掲げる業務を実施・管理し、学長に報告する。

(1) 部局等において取り扱う化学物質に関するリスクアセスメント

(2) 化学物質管理の状況に関する情報の提供要請に速やかに対応できる体制の整備

(3) ラベル表示及びSDS(安全データシート)等の確認等、化学物質の安全な管理・取り扱い・排出・廃棄に必要な情報の収集・整備

(4) 化学物質の安全な管理・取り扱い・排出・廃棄に必要な知識の周知等、化学物質取扱者の資質の向上に必要な教育・研修の定期的な実施

(化学物質管理補佐者)

第6条 必要に応じて、化学物質管理者を補佐する者として、化学物質管理補佐者を置くことができる。

2 化学物質管理補佐者は、当該部局等の中から化学物質管理者が任命する。

3 化学物質管理補佐者は、化学物質管理者を補佐し、当該部局等においてこの規程が遺漏なく実施されるよう努めなければならない。

(化学物質取扱責任者)

第7条 部局等において化学物質を取り扱う講座・研究室等ごとに、化学物質取扱責任者を置き、講座・研究室等の長等をもって充てる。

2 化学物質取扱責任者は、化学物質管理者の管理のもとに化学物質の性状に基づき適切に取り扱うとともに、化学物質を取り扱う全ての者(以下「化学物質取扱者」という。)に対し適正な指導を行わなければならない。

3 化学物質取扱責任者は、化学物質管理者の管理のもとに化学物質の盗難、紛失、漏洩等に留意し適切に取り扱うとともに、化学物質取扱者に対し適正な指導を行わなければならない。

4 化学物質取扱責任者は、その職を辞するときは、所有する化学物質のリストを作成し、当該リスト及び化学物質を後任の化学物質取扱責任者等に引き継がなければならない。

(化学物質取扱者の責務)

第8条 化学物質取扱者は、法令及びこの規程に基づいて化学物質を適正に取り扱わなければならない。

2 化学物質取扱者は、学長、担当理事、化学物質管理者、化学物質取扱責任者等が、法令及びこの規程等に基づいて講ずる措置に従い、化学物質を適正に取り扱わなければならない。

(化学物質管理支援システムへの登録)

第9条 化学物質取扱責任者は、所有する化学物質をYAKUMOに登録しなければならない。

(YAKUMOへの登録を省略できる化学物質)

第10条 前条の規定にかかわらず、次に掲げる化学物質は、YAKUMOへの登録を省略することができる。

(1) 化学物質取扱者が生成した混合液、廃液等の化学物質

(2) 市販の検査キット及び実験キット等に含まれる化学物質

(3) 医学部附属病院等で運用されている物流システムで管理されているもの

(4) 気体状の化学物質(高圧ガスボンベを除く。)及び寒剤

(5) 火薬類取締法(昭和25年法律第149号)第2条に規定するもの

(6) 覚せい剤取締法(昭和26年法律第252号)第2条に規定するもの

(7) 農薬取締法(昭和23年法律第82号)第1条の2に規定するもの

(8) 麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)別表第1に掲げるもの

(9) 前各号に掲げるもののほか学長が指定したもの

(化学物質の有害性及び危険性の情報の収集)

第11条 化学物質取扱責任者及び化学物質取扱者は、化学物質を購入し、持ち込み、又は譲り受けるときは、当該化学物質の有害性及び危険性に関する情報を収集しなければならない。

(化学物質の保管等)

第12条 化学物質取扱責任者は、化学物質専用の保管庫を設置し、地震等の災害、事故等に備えて、同保管庫について固定、容器の落下防止、接触破損防止等の対策を講じなければならない。

2 化学物質取扱責任者は、化学物質のYAKUMOへの登録状況及び在庫数量を定期的に確認し、使用の見込みのない化学物質については、速やかに廃棄処分等の処置を講じなければならない。

(化学物質のばく露防止措置)

第13条 化学物質取扱責任者は、化学物質を使用する場合には、次に掲げる事項を行い、ばく露される濃度の低減措置を講じなければならない。

(1) 化学物質取扱者に、取り扱う化学物質の有害性及び危険性についての情報を、SDS(安全データシート)等により取得させること。

(2) 化学物質の有害性又は危険性が高いと判断した場合は、有害性又は危険性が低い化学物質への転換等代替物等の使用に努めること。

(3) 発散源を密閉する設備、局所排気装置又は全体換気装置の設置・稼働等、化学物質の飛散の防止措置を講じるとともに、化学物質を使用する前に、局所排気装置等の点検を行うこと。

(4) 換気等作業環境改善のみでは防ぐことができない場合、呼吸用保護具を化学物質取扱者に使用させること。

(5) 取り扱う化学物質についてのリスクアセスメントを行うこと。

(6) リスクアセスメントの結果を化学物質取扱者に周知すること。

(7) 化学物質取扱者の健康障害を防止するために、リスクアセスメント対象物に化学物質取扱者がばく露される程度を最小限にすること。リスクアセスメント対象物以外の物質を取り扱う場合も、化学物質取扱者がばく露される程度を最小限度にするよう努めること。

(8) リスクアセスメント対象物のうち、一定程度のばく露に抑えることにより、化学物質取扱者に健康障害を生じるおそれがないものとして、厚生労働大臣が定める物質(濃度基準値設定物質)を使用する場合は、これらのものにばく露される程度を厚生労働大臣が定める濃度の基準(濃度基準値)以下とすること。

(9) 化学物質のうち、がん原性物質(がん原性がある物として厚生労働大臣が定めるもの)を取り扱う場合は、化学物質毎に化学物質取扱者の氏名並びに作業概要及び当該作業に従事した期間(著しく汚染される事態が生じた場合は、その概要及び応急措置の概要)を記録すること。

(10) リスクアセスメント対象物をラベル表示のない容器に入れ又は包装して保管する場合は、当該容器又は包装への表示その他の方法により、当該物を取り扱う者に対し、当該物の名称及び人体に及ぼす作用等を明示すること。

2 化学物質取扱者は、化学物質の使用に当たっては、次に掲げる事項に従って取り扱わなければならない。

(1) 化学物質の使用にあたっては、事前にSDS(安全データシート)等により当該化学物質の有害性及び危険性等を確認し、理解すること。

(2) リスクアセスメントの結果を確認し、その結果に応じて適切に取り扱うこと。

(3) 通風又は換気が不十分であるなど、化学物質の取り扱いに不適切な場所では取り扱わないこと。

(保護具着用管理責任者)

第14条 化学物質取扱責任者は、保護具着用管理責任者として、化学物質を使用する場合には、次に掲げる事項を行わなければならない。

(1) 前条に規定の化学物質のばく露防止措置を講じるとともに、化学物質取扱者が皮膚・眼刺激性、皮膚腐食性又は皮膚から吸収され健康障害を起こすおそれがないことが明らかな物質以外を取り扱う場合は、保護眼鏡、不浸透性の保護衣、保護手袋または履物等適切な保護具を使用させるよう努めること。

(2) 前号の物質のうち、皮膚・眼刺激性、皮膚腐食性又は皮膚から吸収され健康障害を起こすおそれのあることが明らかな物質を取り扱う場合は、保護眼鏡、不浸透性の保護衣、保護手袋または履物等適切な保護具を使用させること。

(事故防止とリスク管理)

第15条 化学物質管理者は、事故の防止とリスク軽減のため、組織的で効果的な化学物質のリスク管理を行わなければならない。

2 化学物質管理者は、化学物質取扱責任者によるリスクアセスメントの実施状況を適切に管理し、必要に応じて、作業方法及び設備等の改善、安全対策の実施を指示して、化学物質取扱者の安全確保とリスク軽減に努めなければならない。

3 化学物質管理者と化学物質取扱責任者は、化学物質による危害を未然に防止するため、化学物質の使用状況を把握し、自主的なリスク低減措置を実施するとともに、化学物質取扱者に対し化学物質の安全な取扱いと適正な管理について指導しなければならない。

(化学物質の廃棄)

第16条 化学物質取扱責任者及び化学物質取扱者は、化学物質及びその容器を処分する場合は、関係法令に定めるところに従い適切に行わなければならない。

2 化学物質取扱責任者は、不要となった化学物質について、可能な限り学内での有効活用を図るよう努め、将来にわたり使用見込みのない化学物質及び内容が不明な物等は、専門の処理業者に委託する等により、迅速、かつ適正に処理しなければならない。

(緊急時の措置)

第17条 化学物質取扱者は、化学物質に起因する火災、爆発等又は化学物質の飛散、漏えい、流出等による健康障害若しくは環境汚染が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、直ちに化学物質取扱責任者に報告するとともに、必要な措置を講じなければならない。

2 化学物質取扱者は、化学物質による労働災害が発生した場合、直ちに化学物質取扱責任者に報告しなければならない。

3 化学物質取扱者は、化学物質が盗難に遭い、又は紛失したときは、直ちに化学物質取扱責任者に報告しなければならない。

4 化学物質取扱責任者は、前3項の報告を受けたときは、直ちに化学物質管理者に報告しなければならない。

5 化学物質管理者は、前項の報告を受けたときは、速やかに学長及び担当理事に報告するとともに、保健所、警察署又は消防機関に届け出る等の必要な措置を講じなければならない。

(委員会)

第18条 大学法人に、化学物質の管理について必要な事項を審議するため、化学物質管理専門委員会(以下「専門委員会」という。)を置く。

2 専門委員会に関し、必要な事項は別に定める。

(健康管理)

第19条 化学物質取扱者の健康管理については、「国立大学法人香川大学安全衛生管理規則」に定めるところによる。

(毒物及び劇物の管理)

第20条 毒物及び劇物の管理については、「国立大学法人香川大学毒物及び劇物管理規程」に定めるところによる。

(雑則)

第21条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は別に定める。

2 この規程は、学生、研究生等に準用する。

この規程は、令和5年4月1日から施行する。

国立大学法人香川大学化学物質管理規程

令和5年4月1日 種別なし

(令和5年4月1日施行)