○香川大学医学部附属病院治験受託取扱細則

平成29年6月1日

(趣旨)

第1条 香川大学受託研究取扱規程第18条の規定に基づき、この細則を定める。

2 香川大学医学部附属病院における外部からの依頼を受けて行う医薬品等の臨床研究のうち、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号)に定める治験の取扱いについては、この細則に定めるもののほか、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(以下「医薬品GCP」という。)(平成9年厚生省令第28号)、「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令(以下「医療機器GCP」という。)(平成17年厚生労働省令第36号)、「再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令(以下「再生医療等製品GCP」という。)(平成26年厚生労働省令第89号)(以下医薬品GCP、医療機器GCP、再生医療等製品をあわせて「GCP」という。)及びその他の法令等によるものとする。

(定義)

第2条 この細則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 医薬品等 次のいずれかに該当する医薬品、医療機器又は再生医療等製品で人体に試用するものをいう。

 厚生労働大臣の製造販売承認前の開発段階のもの

 厚生労働大臣の製造販売承認済みで未発売のもの

 既発売医薬品又は既発売医療機器で新薬効開発中又は新用途開発中のもの

(2) 治験担当医師 治験責任医師及び治験分担医師のことで、被験者に対して直接治験を行う者

(3) 治験責任医師 教授、准教授、講師又は助教若しくはこれらに相当し治験審査委員会(以下「委員会」という。)が認めた者とし、医薬品GCP第42条、医療機器GCP第62条又は再生医療等製品GCP第62条に規定する要件を満たす者

(4) 治験分担医師 教授、准教授、講師、助教、病院助教又は医員若しくはこれらに相当する者の中から指名し、治験責任医師の指導・監督のもと治験の重要な業務を分担して行う者

(5) 治験依頼者 契約締結前にあっては、治験を依頼しようとする者(医師主導治験においては自ら治験を実施しようとする者)契約締結後にあっては、治験を依頼した者(医師主導治験においては自ら治験を実施する者)

(6) 統一書式は厚生労働省が定める書式をいう。

2 この細則における用語の意義は、特にこの細則において定めるもののほか、GCPに定めるところによる。

(治験の申込み)

第3条 病院長は、医薬品等の治験依頼者から治験の申込みがあったときは、診療科等の長の承認を得た治験責任医師の合意のある統一書式の治験依頼書を提出させるものとする。

2 治験責任医師は、診療科等の長の承認を得て治験分担医師の分担する業務(治験協力者が存する場合には、治験協力者の分担する業務を含む。)を記載した統一書式の治験分担医師・治験協力者リストを、治験依頼書に添えて提出しなければならない。

3 治験責任医師は、病院長及び治験依頼者に統一書式による履歴書を提出しなければならない。治験分担医師は、治験依頼者の求めに応じて提出するものとする。

(実施の適否)

第4条 病院長は、前条の治験依頼書を受理したときは、別に定める委員会に統一書式の治験審査依頼書により審査を依頼するものとする。

2 委員会は、治験の審査を行い、その結果を統一書式の治験審査結果通知書により、病院長に通知するものとする。

3 病院長は、治験審査結果通知書により実施の適否を決定し、その結果を治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。この場合において、治験責任医師は、通知について診療科等の長に報告しなければならない。

4 委員会により治験の審査結果が「修正の上で承認」とされた場合、治験依頼者は治験責任医師の合意のもと、統一書式の治験実施計画書等修正報告書により対応内容の修正を病院長に速やかに報告するものとする。

5 病院長は、前項の修正が承認の条件とした事項を満たしていることを確認し、統一書式の治験実施計画書等修正報告書をもって委員会に通知するものとする。

6 委員会により、治験の審査結果が「却下」とされた場合、病院長は治験の実施を承認してはならない。

7 委員会により、治験の審査結果が「保留」とされた場合、病院長は治験依頼者及び治験責任医師に必要な書類を提出させ、委員会の意見を聴くものとする。

(治験の契約)

第5条 病院長は、治験の実施を決定したときは、その旨を学長に通知するものとする。

2 学長は、前項の通知を受けたときは、別に定める受託研究契約書により速やかに治験依頼者との間に契約を締結するものとする。

(治験の開始)

第6条 治験担当医師は、受託研究契約書に記載の研究開始日以後に治験を開始するものとする。

(医薬品等の保管・管理)

第7条 病院長は、医薬品等を適切に保管・管理させるため治験薬等管理者を置き、薬剤部長又は副薬剤部長をもって充てる(以下「治験薬等管理者」という。)ただし、治験薬等管理者が保管・管理することが適当でない医薬品等については、治験責任医師を治験薬等管理者として保管・管理(及び医療機器においては保守点検)させる(以下「治験薬等管理者(治験責任医師)」という。)ことができる。

2 前項の治験薬等管理者が保管・管理することが適当でない医薬品等とは、次の各号に掲げるものをいう。

(1) 医療機器、再生医療等製品

(2) 医薬品のうち、体外診断用医薬品、放射性医薬品及び造影剤

(3) 診療科等の長の要請を受け、薬剤部長が当該治験責任医師で保管・管理することが適当であると認めたもの

(安全の確保)

第8条 治験担当医師は、治験の実施に当たっては、GCPの趣旨に沿って被験者の安全確保のために適切な配慮をしなければならない。

(被験者の同意)

第9条 治験担当医師は、被験者又は代諾者に治験の趣旨及び予想される効果等について委員会で承認を得た説明文書を交付して十分な説明を行い、その同意を得た上で、所定の同意文書を得るものとする。

2 前項の同意文書は、診療録等に適切に保管するものとする。

3 治験担当医師は、説明文書・同意文書の写しを被験者に交付するとともに、同様の写しを治験責任医師の確認を得た上で治験薬等管理者に提出するものとする。

4 治験担当医師は、第1項の説明文書が改訂されたときは、治験の参加の継続について被験者の同意を得るものとする。この場合においては、前三項の規定を準用する。

(診療録への記録)

第10条 治験担当医師は、治験の実施に関する事項(前条第1項及び第4項の規定により被験者等に説明した内容及び検査データ等を含む。)を診療録に記載しなければならない。

(治験中の報告)

第11条 治験分担医師は、治験による重篤な有害事象・不具合を認めたときは、治験責任医師に速やかに報告しなければならない。治験責任医師は、治験による重篤な有害事象の報告を受けたとき又は認めたときは、直ちに診療科長等の承認を得て統一書式、詳細記載用書式により病院長及び治験依頼者等に報告しなければならない。

2 治験依頼者は、医薬品等の副作用・不具合によるものと疑われる疾病等の副作用等症例について、はじめて治験の計画を届け出た日から起算して1年ごとに、にその期間満了後3か月以内に病院長及び治験責任医師に報告しなければならない。

3 治験に関する変更がある場合、治験依頼者は、治験責任医師の合意のもと統一書式の治験に関する変更申請書により病院長に申請しなければならない。

4 被験者の緊急の危険を回避するためその他医療上やむを得ない理由により治験実施計画書に従わなかった場合、治験分担医師にあっては治験責任医師に直ちに報告するものとする。この逸脱について、治験責任医師は、統一書式の緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書により、速やかに病院長及び治験依頼者に報告するものとする。

5 治験責任医師は、進行中の治験のうち研究期間が1年を超えることとなるものについて統一書式の治験実施状況報告書により治験の実施状況を病院長に報告するものとする。

6 治験依頼者は、逸脱に関する報告の措置を検討し、その結果を統一書式の緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する通知書により病院長に通知しなければならない。

7 治験担当医師は、前六項の治験実施計画書から逸脱した行為を理由のいかんによらず、全て記録しておくこと。

(治験継続の審査)

第12条 病院長は、前条第1項から第6項までの報告又は申請を受けたときその他必要があると認めたときは、治験を継続して行うことの適否について統一書式の治験審査依頼書により委員会に諮り、委員会から提出のあった統一書式の治験審査結果通知書により継続の適否を決定し、その結果を治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。

(治験中止の報告と通知)

第13条 治験担当医師は、被験者から中止の要請を受けたときは、直ちに当該被験者に対する治験を中止しなければならない。

2 治験責任医師は、当該治験を中止しようとするときは、速やかに統一書式の治験終了(中止・中断)報告書により、病院長に報告しなければならない。

3 病院長は、統一書式の治験終了(中止・中断)報告書をもって委員会及び治験依頼者に概要等について通知するものとする。

4 病院長は、治験依頼者から統一書式の開発の中止等に関する報告書により当該被験薬の開発を中止若しくは当該治験を中止又は中断の報告を受けたときは、この報告書をもって速やかに委員会及び治験責任医師に通知するものとする。

(治験終了の報告と通知)

第14条 治験責任医師は、治験を終了したときは、結果を速やかに診療科等の長に報告しなければならない。

2 治験責任医師は、治験を終了したときは、治験担当医師の作成した症例報告書を診療録及び所定の同意文書等と照合することにより、その実施経過を精査した上で統一書式の治験終了(中止・中断)報告書をもって病院長に報告しなければならない。

3 病院長は、統一書式の治験終了(中止・中断)報告書により治験結果の概要等を確認するものとする。この場合において、病院長は、その実施経過に疑問を認めたときは、治験責任医師に説明を求めることができる。

4 病院長は、治験が終了したときは、統一書式の治験終了(中止・中断)報告書をもって委員会及び治験依頼者に通知する。

(治験中止・終了の通知)

第15条 病院長は、前二条の規定により治験の中止又は終了を決定したときは、学長に通知するものとする。

(費用の請求)

第16条 病院長は、被験者に対して保険外併用療養費の支給対象とはならない費用の保険自己負担分費用以外の費用の請求は行わないものとする。

(治験に要する経費等)

第17条 治験依頼者から徴する治験に要する経費は、病院長が別に定める算定基準によるものとする。

2 治験参加に伴う被験者負担の軽減措置に係る経費は、病院長が別に定める算定基準によるものとする。

(記録等の保存)

第18条 診療録、検査データ、委員会の記録、被験者の同意に関する記録、医薬品等の使用記録等は、医薬品等の製造販売承認日若しくは治験の中止又は終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間保存しておくものとする。なお、治験依頼者がこれよりも長期間の保存を必要とする場合には、協議の上決定するものとする。

2 前項の規定による治験に係る記録等の保存責任者を、次のとおり定める。

(1) 治験責任医師において保存するもの

症例報告書の変更及び修正の記録の写し、医薬品等の使用記録(治験薬等管理者となった場合)

(2) 薬剤部長において保存するもの

医薬品等の使用記録(医薬品等引渡書、医薬品等受払簿)、委員会の審議に関する記録及び資料、同意文書(薬剤部用)

(3) 総務課長において保存するもの

契約に関する書類及び治験参加に伴う被験者負担の軽減措置に係る経費支給に関する書類

(4) 医事課長において保存するもの

診療録(同意文書の保管、検査データ等を含む。)及び被験者の診療費用の治験依頼者への請求に関する書類

(5) 臨床研究支援センター長において保存するもの

保存期間を過ぎて臨床研究支援センターに回付された画像診断フィルム、デジタル画像等

(治験事務局)

第19条 治験事務局は、臨床研究支援センターに置き、その事務を処理する。

(雑則)

第20条 この細則に定めるもののほか、治験に関してその他必要な事項は、別に定める。

2 香川大学医学部附属病院において外部から依頼を受けて行う医薬品等の製造販売後臨床試験については、この細則を準用する。この場合において、細則中「治験」とあるのは、用語中の字句を含め「製造販売後臨床試験」と読み替え、GCP並びに「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成16年厚生労働省令第171号)又は「医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施基準に関する省令」(平成17年厚生労働省令第38号)、「再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成26年厚生労働省令第89号)、(「再生医療等製品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成26年厚生労働省令第90号)を遵守する。ただし、第18条第1項中「医薬品等の製造販売承認日若しくは治験の中止又は終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間」とあるのは、「医薬品等の再審査又は再評価が終了する日まで」と読み替えるものとする。

1 この細則は、平成29年6月1日から施行し、平成29年4月1日から適用する。

2 この細則の施行により、香川大学医学部附属病院医薬品等臨床研究受託取扱規程(平成16年4月1日制定)は廃止する。

(平成30年5月1日)

この細則は、平成30年5月1日から施行する。

(平成31年4月1日)

この細則は、平成31年4月1日から施行する。

(令和2年10月14日)

この細則は、令和2年10月14日から施行する。

(令和3年11月10日)

この細則は、令和3年11月10日から施行する。

香川大学医学部附属病院治験受託取扱細則

平成29年6月1日 種別なし

(令和3年11月10日施行)