平成22年度 香川大学瀬戸内圏研究センター学術講演会
 辰巳 治之氏 「ICTを使った医療から、新しい医療へ:戦略的防衛医療構想Ver3.0情報薬の開発」

【講演内容】
 ICTを使った医療がどこまで新しい医療か。例えば、いわゆるそのメインのテーマがが戦略的防衛医療構想で、いろいろやってきましたが、その中で重要なもが情報薬の開発です。       
      
 
 それを情報薬を使ってどう実現してきたか。今回の高松でのシンポジウムでは、海、文化観光、健康を学ぶとなっていますが、僕の担当は健康ということで、健康とはどういうことかについてお話します。
 
 普通、自分が健康な時はそのことをあまり自覚しないわけで、病気になってから初めてそのありがたさが分かる。本日利用しているICTコンピュータネットワーク(超高速ネットワークであるJGN2+)、これがなかったら困るわけですが。

 まず、ネットワークが途切れてしまうと札幌から高松に講演できないわけで、ネットワークって本当に大切な存在です。しかし、ネットワークがつながってちゃんと稼働している時は、全く問題にならないんですね。こうやって遠距離で、相互にやりとりできるのが当たり前だという。

 ここからICTどう活用して体の健康に役立てるか、あるいはハードとしてのコンピュータネットワークだけではなくて、ソフトとしてネットワーク上で送られる情報を情報薬にもっていくかというのを考えるまでの流れを。従って、体もそうなんですが、こういうインフラを最大限に活用するためには情報薬が必要であろうということを考えています。

 最初にちょっと情報薬の話をして、更には構想面での戦略的医療構想をどのようにして実現できるか。今、瀬戸内地方では大変よい季節だろうと思うんですが、観光とか環境というのも一つの情報薬になるであろうと、これを踏まえることを活用することによってより一層健康を手に入れられる、あるいは幸せを手に入れられることが可能ではないかなということを考えております。

 そこで戦略的防衛医療構想についてです。
      
 最近、北朝鮮のテポドンなんかがよく話にでるわけなんですが、例えばこういうミサイルなんかが北朝鮮から打ち出された時に、その情報をいち早く察知して、このように空中でたたき落とすことができれば大事に至らない。これを戦略的防衛医療構想というわけです。
 防衛という言葉なんですが、積極的な防衛と言いますか先手を打つ意味です。普通は病気になってからさあ病気を治そうということになるんですが、ある意味では手遅れですので、そこで戦略的、防衛的に、病気になる前に病気の素を断ってしまおう、そういうことを我々考えているわけです。

 ここで非常に分かりやすく説明すると、こういうミサイルを空中でたたき落とすためにも、ミサイルが飛んできたと、じゃあどの辺を飛んでいるかというそういう情報が非常に重要になってきます。ようやくインターネットがあちこちで使えるようになって、携帯電話も使えるようになって、いつでも、どこでも、いわゆるユビキタスということが可能になってくる。      

 そこで我々提案しているのが、ユビキタスゼロクリックセンサーネットです。面倒くさい操作なく、いろんなことが簡単にできで情報が収集できる。こういうものを配置することによってたくさんの情報を集めて、その情報に基づいてこのようにミサイルを撃ち落とすことができるだろう。これを言い変えてみると、我々は逆ナースコールと呼んでるわけですが、実際はミサイルを発射するわけではなくて、強力な武器として情報薬を考えております。

 すなわち、ナースコールっていうのは病院なんかでベッドサイドに置いてあるんですが、例えば胸が痛くなった時にボタンを押すと、看護婦さん来てくれます。でも胸が痛くなって意識を失っている時にはボタン押せないわけです。
 そういう時にも、このユビキタスセンサーゼロクリックネットワークが、自動的に生体情報(体温や心電図など)を集めていて、その変化に応じて看護婦さんの方から逆に、向こうから声をかけてくれる。ちょっと調子悪いな、と思ったら向こうから声かけてくれるようなサービス、もしもこういったものがあれば非常にありがたい。

 転ばぬ先の杖といいますが、転んでない時に注意されても腹立つだけ、転んでしまってからであったとして来られてもこれまた遅い。転びそうになった時にタイミングよく助け舟というものが出てくると、非常にありがたく感じることができるだろう。というので逆ナースコールのタイミングを図る、どういう情報を送るかということが、今後重要な課題になってまいります。

 いろいろな情報を集めて、そういう情報に基づいて正しく判断できる。これは、ある意味で原先生がそちらでやっている「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)」ですね、これの発展形になるかと思います。そういう理想的なものができれば、将来病気になる前に病気をやっつけることができるだろうと、こう考えております。

 そこで医療の本質なんですが、ある意味では、皆さん良い医療が受けられているわけですから、もう一歩先の理想の医療というか、ちょっと違う攻め方をしてみたいと考えています。すなわち、健康といった場合に体だけではなくて、身体の構成だけでなく、心も非常に重要な問題になってまいります。どちらも大切ですね。      

 札幌には、シニアネットワークというのがあるんですが、そこであるおじいちゃんに教えられたんですが、そのおじいちゃんが言うわけですね、「もし健康になれるんだったら、もう死んでもよい」。それがどういうことかっていうと、年とって、あちこちが痛くなって、体が動かなくなって、初めて健康のありがたさが分かった。本当に健康が一番だと、健康さえあれば他に何にもいらんと言うんですね。

 でも行きすぎてしまって、健康にならないで死んでしまうと元も子もないわけですね。そのぐらい健康は大切であるというんですが、実は健康になって何を求めるか。そしたら健康な人は意外と多いわけですね。体が健康であれば、このおじいちゃんは幸せだと感じたわけなんですが、体が健康でも苦を感じる人がいるわけですね。ある意味で自殺する人が出てきたり、自殺する人はみんな病気を持っている人かっていうと違うわけです。
 一方、不幸にしてがんになってもですね、非常に感動しながら人生を満喫しているというかですね、幸福を感じながら、感謝しながら亡くなる人もおられます。

 ということで、体だけで良いかというと違う、両方必要だということなんですね。そこで、精神的アプローチっていうのは今まであまりなかったわけです。宗教的なものとかスピリチュアルなもの、あるいは精神療法、まあ精神科なんか催眠療法とかこういう色々な治療をやるわけですが、ちょっとぼやっとしていた所があるかと思いますね。ここら辺を、IT を使いながらサイエンティフィックなアプローチがあってもよいのではないかということを考えています。

 そこで非常に哲学的な話になるわけですが、幸せとは何か。
 前から心理学とか色々勉強しながら感じてたことなんですが、幸せとは感じ方の変化量である。例えば、「ああ、このインスタントラーメンおいしいな」、「どうりでおいしいな」と思うのはどういうことかというと、非常にお腹の減ってる時なんですね。逆に言えば、不幸なので幸せを感じられるということがあります。    
 一方、お腹がいっぱいな時にこのインスタントラーメン食べてもおいしくないわけですね。というので、まあ幸せすぎてもいかんというか幸せは長く続かない。例えば、恋愛の映画なんかでも、ハッピーエンドで終わるわけですが、現実の社会というか実生活はそこから後がまだあるわけですね。そこをピークだとすると後は落ちるだけという言い方があります。すなわち、幸せっていうのは長く続かない。これをどのように工夫して幸せを感じることができるか。それはやっぱり幸せの、ほんまの手に入れ方だと思うんですね。

 そういう話をしていたら、中国の歴史三千年か四千年、この古い歴史の中で、幸福の幸という字にそういう意味が込められていたんですね。象形文字で手枷足枷の意味だそうで、こういう手錠をもじった象形文字として幸福の幸という字がでてくる。逆の意味なんですね。牢屋に手錠をかけられて閉じ込められて何がハッピーかと思うんですが、同じようなこと言ってるんですね。こういう危険とか苦痛から解放された時のあの感覚が、ああ幸せだ、と。こういう感じだというんですね。
 というので、どのようにして幸せを感じるか、心も健康にできるかとそういうことを考えながらやっていきます。すなわちここで重要なのは変化量ということがポイントになります。

 例えば、この変化量から幸せへの道へと、こう考えるわけでありますが、普通この変化量をVarianceとこう言いますね。この変化量があるところから刺激になるというか、色々変化する。ただ変化しているだけではなくて、そういうのが刺激になる。ほどよい刺激っていうのは健康を維持するには必要になってきます。この刺激があるところが意味を持ってくる。例えば信号なんですね。ツーツツッツッツッ、というのもある意味で変化量であり、それが刺激であり、あるところから信号になる。更にそのツーツツッツッというのは集まって情報になる。すなわち、この情報で幸せになれるか、こういうことを今トライしております。

 例えば情報の見せ方というかですね、刺激、あるいは色んなデータを加工することによって非常に意味のあるものにしてしまうと。例えば、こういうメタボール(メタボール(Metaball)は、コンピュータグラフィックス用語)というもんなんですが、これだけでは全然エキサイティングではないわけですね。ここにこう点々を埋めていくんですが、それの中にグラデーションをつけて、ちょっと肌色でやってみると、ドキドキしてしまうわけですね。同じデータであってもデータの見せ方、これで全然意味が変わってきます。

 こういったことで人の心が動くかどうかなんですが、また中国語で、面白いなと。     
 新しくまた見つけたんですが、情報の情という字ですね。りっしんべんに心にですね、青いと書きます。青いっていうのはどういうことかというと、若いとか青年ですね、青葉とかこういう意味があって、変わるというニュアンスがあるそうです。あるいはセイと読んで濁ってるものが清くなる。そのように物事が変わっていく。すなわち、情報の情、情けというのは心が変わる、心が青くなるんじゃなくて心が変わるという。すなわち、情報というのは伝えて心が変わるものが情報であると、こう考えるわけです。

 その逆を考えるともっと分かりやすいですね。伝えても人の心が変わらなければ雑音であると。今、僕のしゃべってることが、まあうるさい雑音やなと、まあ全然心動いてないわけですね。このように話を聞いて「あ、なるほど」ということを思ってもらうと、それは一つの情報になるだろうと。情報を上手いこと使って、薬のようにして人の心を動かすことができればという事を考えています。

 例えば、最近、今話題のメタボリックシンドロームですが、なかなかね、これも心動かないんですね。一番簡単なのはダイエット、というか食べなければダイエットすぐできるわけですが、皆さん、なかなかできない。心が弱いわけですね。患者さんに、メタボリックシンドロームは、ダイエットしないと、これから問題になりますよ、と言ってるお医者さん達も非常に大きいお腹をしたりしてますよね。まず、心が弱ければなかなかダイエットができない、あるいは三日坊主で終わってしまう。
 もう一つはサイエンティフィックにというか、薬でそのような健康を得るというのも必要ですが、それ以外のところも攻めないとやっぱり難しいだろうと、こう思います。


 人間というのは細胞でできてるわけですね。細胞はどのようにしてコントロールされてるかというと、やっぱり情報なんですね。細胞っていうのはそれぞれ非常に面白いもので、あちこちから色んな形で情報を受け取っています。その情報に基づいて細胞が分裂したり移動したりします。
 例えば簡単な話、肝臓を半分取ってしまうとある情報が出るらしいんですね。おっ、隣の細胞がいなくなったと。あ、大変や、ということでその情報に従ってどんどんどんどん細胞が増えて、肝臓を半分取っても元に戻ってしまうんです。数週間で。ところが、もとの大きさになると、もうこのくらいでええで、という情報が来てですね、それ以上分裂しません。

 ところが、がん細胞というのは違うんですね。そこのところ最近、細かい分子レベルのことが分かってきてこう言われます。
 例えばEpidermal Growth Factor(EGF)というファクターがこう細胞の表面に来ます。ここにレセプターがあって、これをチロシンキナーゼでリン酸化をしてですね、K-Rasというタンパクが活性化されると細胞増殖するということが分かってきました。

 先ほどの話ですね、むやみやたらと勝手に細胞が増殖するのではなく、増殖しなさいという情報が来て、初めて細胞が、「あ、そうか、俺もちょっとがんばらないかんな」ということで増殖を始めるわけであります。これは必要な時にやるわけですね。もしこれががん化してるとどうなるかというと、増殖しなさいという情報が来て増えるのは、まあ普通正常なわけですね。
 ところが、がん化した細胞というのは、こういう増殖しなさいという情報が来ていないのにもかかわらず、勘違いするんですね。オオカミが来たぞとか言うようなもんですね。来てないのに来たように勘違いする。
 それでどうなってるかというと、どうも調べてみるとチロシンキナーゼが自己リン酸化されてて、この下のKが活性化されてしまっててですね、EGFがないにもかかわらず、細胞がどんどんどんどん増えてしまうということが最近分かってきました。

 そこで夢の薬というかですね、分子標的治療剤。最近有名になったイレッサですが、イレッサはこの自己リン酸化をブロックします。そうすることによって、がんが増えなくなり、非常によく効くと、夢の薬と言われたんですが、色々調べてみると、イレッサが効かない場合があるんですね。
 さらに詳しく調べてみるとその下のところでですね、K-ras、これが突然変異を起こしてて活性化されてしまってて、イレッサでその上流を防いでも下流の方がおかしいので、がん細胞をやっつけることができなかった。ということで、これを見ても分かるように、細胞の増殖は情報でコントロールされてるっていうのが分かると思います。

 そこで薬なんですが、またまた漢字の話になりますが、草を使って楽になろうというところから薬っていうのはできてきております。
 最近、次世代の新しい薬はどうやって作るか、ゲノム創薬とかITを使って作ると、こう言われます。ITもなかなかちゃんと理解されていないとういうか、先ほども言いましたようにインフラの問題が非常に難しいです。目に見えないのでその大切さっていうのがよく分からない。ITがITITしてると、なかなか受け入れられないんですね。これをユビキタス技術とかゼロクリック逆ナースコールによって、ちょっとこれを変形します。     

 ITに見えるかどうかですけども、ITを普通のものとして目に見えない形をゼロクリック逆ナースコールによってITを活用できるようになると、皆の意識が変わるだろうと。例えば、この携帯電話をITと意識してるかどうかなんですが、インターネット端末という言い方もありますし、コンピュータとも言えます。計算もできます。最近は歩数計もついてきてます。こういう目に見えないITをITらしからぬITを使って楽になろうと、これで薬を作ろう、健康になろうというのが情報薬という発想であります。

 2011年には地デジ対応のテレビが出てきます。アナログのテレビと何が違うかっていうと、デジタルになっただけではなくて、テレビの裏側にはインターネットの口がついていますので、双方向通信ができます。そこで、こういう携帯電話を使って上手いこと情報のやり取りをして、その情報薬は作れないかという事を今トライしています。

 それで、例えばその最先端をやっているゲノムの治療、遺伝子治療もある意味では情報薬という言い方ができます。遺伝子は情報の塊ですからそういう遺伝子を操作する。
 HUGOプロジェクトの委員長であった榊先生はですね、これからの医療を考えるということでお話されたんですが、糖尿病、テーラーメイドメディスンということで遺伝子レベルで病気を治していこうという。東大の門脇先生にお話しされたんですが。
 その次はというと、遺伝子の次ってなかなか皆さん、アイデアが無いみたいで情報薬を絶賛していただいたんですが、遺伝子の次はこれだということで、情報薬に期待がかかっております。
 そのプロジェクトの会に出ておられる三菱ケミカルホールディングスの社長さんがえらい気に入っていただいてですね、この情報薬を購入していただきました。早速、登録商標を作って、今後どういうサービスができるかというのを、今作戦を立てているところであります。

 そこで、情報薬を作るためにゼロクリックによる情報収集がどこまでできるかということを説明します。かなり昔になりますが、平成15年、17年に、経済産業省・NEDOのプロジェクトで、逆ナースコールのプロジェクトをやらせていただきました。おしっこをするだけで尿糖を測って情報がインターネットで飛んでいくと。色んな情報を集めて、その情報に基づいて逆ナースコールをかけようというプロジェクトであります。

 例えば、お年寄りの方に使っていただいたんですが、これ90名ぐらいですが、この血圧の例なんですが、血圧計、測るだけで、ほったらかしておいただけでインターネットにデータが飛ぶようになっていて、そのデータに基づいて健康管理をしようというんです。このような簡単な血圧計を用いました。180日間続けた時のデータなんですが、大体50%以上の人が毎日一回測ってくれていました。一週間に一回測ってくれている人は83%です。
 というので、やっぱり簡単な機器っていうのは、非常に重要になってきます。わざわざコンピュータ、電源を入れて立ち上げて、データを送信する。そういう面倒くさいことを毎日やらないといかんのでは、なかなかデータが集まりません。このようにしてたくさんの人から集めたデータというのは非常に価値があります。
     

 更に情報薬を作るために工夫をしたのは、そのデータの見せ方です。これを数値やグラフで見せたんではなかなか分からないわけですね。それを分かりやすくするために色で示してあります。
 一本一本の縦棒の所がですね、横軸が日数なんですが、一本一本のこの線が一日一日であります。この真っ赤なんは高血圧の重症な例です。これをグラフで見たんではもう一つピンときません。ここに波線グラフがありますが、もう一つピンとこないです。ところが、こうやって色別にすると非常に面白いことに、高血圧の重症でも、正常に近くなると水色から白になります。
 この人は時々赤いんですね血圧が。この人が、この血圧の高い時に病院に行くと、重症の高血圧ということで薬を山ほどもらって帰ってきます。あんまり飲みすぎると体に悪いん違うんかなっていうぐらいになるわけですが、普通、血圧を測ってるといつも高いわけではないです。時々高いわけです。逆にこの白い時に、血圧が正常な時に病院に行くと大丈夫ですよと言われます。で、安心してると、例えばこの一番最後の所に真っ赤な時がありますが、朝寒い時にトイレに行って、血圧高くてプッツンと出血する、脳梗塞になるということがあったりします。
 というので、こういうデータに基づいてどのように健康管理するかっていう作戦、戦略が必要になってきます。


 そこで情報薬として色んな形で情報を与えます。太ってるのは体に悪いと言われても、なかなかピンとこない人が多いわけであります。そこで、今回のこの実験はほったらかしの実験というか、無理矢理お駄賃を与える、あるいはご褒美をあげるという形で続けてもらうのではなく、こういう機械を配って非常に簡単にデータを吸い上げる事ができる。後は面白おかしく、情報薬としてレクチャーをします。
 例えば、太ってると体に悪いというのはどのように言うかっていうと、例えば20キロ体重の重い人、お腹の中に二人子供がいてるようなもの。双子を妊娠していてたら、母親の心臓とあわせて三つの心臓で動いてるわけですね。それを一つで動かしてる。しかもそこの部分、余分な血管が必要なわけですね。それだけでも心臓に負担がかかるし、高血圧にもなるよと。ちょっと散歩すると体に良いというか体重も減るし、ご飯もおいしいし、こういう話をします。

 そういう講義をした後、まあほったらかしの実験なんですが、同じように縦の線で一本一本が一日一日であります。血圧計のデータと歩数計のデータと体重計のデータを並べてあります。こういう実験をすると、たいがいは全体の平均値や標準偏差を出そうとするんですが、これをたくさん集めてやってもなかなか変化分かりにくいんですね。個人個人のデータを個別にこうやって分析すると非常に面白いデータが取れました。

 どうもレクチャーをした後、このおじいちゃん、真面目にそれを実践してくれて歩数計の量がこのようにちょっと増えています。やっぱりこれだけ運動すれば確実に体重はこう減るわけですね。
 ところが、そこで説明してたのは運動して体重が減ると血圧下がりますよっていう話をしてたんですが、重症にはなってないわけですが、逆にこの黄色、黄土色の所が増えています。運動量は増えてから若干増えてるわけですね。
 ところが、そのままほったらかしの実験をやってたんですが、おじいちゃんそのままずっと歩き続けてくれました。これが生活習慣になるとすごいもので、体重もある適当なところまで下がってまいります。結局6キロぐらい減ったんです。そうするとやらせみたいなデータが取れてしまいました。このようにほぼ正常化してしまったわけであります。

 というので、こういうデータに基づいてどのように運動を指導するか、あるいはこの黄色が増えてきた時点で、なんやあんまり減らへんな、っていう所でやめてしまうことがあるかもしれません。こういうタイミングでもうちょっと我慢してみましょうとこういうデータを見せるともっと続ける気になるし、ここまで良くなると、まあと生活習慣になってしまうと動も苦にはならないと、続けられるということになります。

 このように戦略的防衛医療構想は、データに基づいて情報薬を与えようということなんですが、これが単に一本のデータだけで、あるいはこういう検査をしてちょっと要観察値があったと、もう一回病院行って精査しなさいよと言われてもなかなかピンとこないと、行く気がしない。
 ところが、このようなゼロクリックユビキタスセンサーネットワークによってあらゆるデータ、血圧、体温、尿糖、歩数、体重、あるいはこういう連続的なデータに基づいて、なんかおかしいなという変化があると看護婦さんの方から逆ナースコールというので情報を与えますそうすると、これは情報薬となって、「んー、こんだけおかしいんやったらちゃんとしたデータに基づいて、なんか気になるようであれば病院に行ってみようかな」というので、病院に行く決心をします。早めに病院に行くとこれで、おお、命拾いということあるやろうということ想定してやっとりました。こんなうまい話があるかという事、皆さん思われるかと思うんですが、実際にはありました。

 これは100グラム単位で量れる体重計ですが、非常に面白いんですね。体重の変化が目に見て分かる。ただし、その時の情報の見せ方、情報薬と呼んでるんですが、同じように体重をつけている、同じようにグラフを見てても、その見せ方でだいぶ違うわけですね。
 例えば、上のグラフと下のグラフまったく同じグラフなんですが、最初の失敗例というかですね、適当にエンジニアの人たちがソフトを作ってくれたんですが、100グラムで量れる体重計にもかかわらず一目盛が4,000グラムなんですね。これだとあまり変化が分かりません。
 下の表では一目盛が500グラムです。そうすると、わずかな変化が非常にくっきりと分かります。これを可視化することで心に響くというか、時々体重計量って数字をみるだけでも効果はあると、グラフをつけるだけでも良いと言われることがあります。
 それをもう一つ一歩踏み込んで、サイエンティフィックビジュアリジェーションという言い方もできるんですが、これを上手く可視化することによって心に響くというかですね、これを見てもらっても分かりますように、個人個人それなりのバイオリズムっていうのがあります。

 もう一つ面白いのは、こういうグラフを見てると心が引きしまったりゆるんだりします。すなわち、ちょっと心引きしめて体重が下がってきます。下がってくるとちょっと心ゆるむんですね。そうするとちょっと食べすぎて増えたりします。で、増えたら今度また下がります。上がったり下がったりの繰り返しで、体重ていうのは維持されていることが多いわけですね。例えば、この場合にまた気ゆるんだのか体重が増えてきました。そこで今度は意識的にダイエットを開始したということなんですね。そうすると、それだけの価値あって、こう実感できるぐらい下がってきます。
 ところが限界っていうのがあります。個人個人のバイオリズム、この幅は一定というかですね、ある程度が限られているわけでありますが、このある程度の幅を超えるっていうのはなんか別の事象が起きているとこう考えたらええかと思うんですが、ここでビックリしたことに、次にここまで急激に下がってるわけですね。これは絶対なんか異常がありそうですよね。予期せぬ体重減少で、これが情報薬となってちょっと検査に行こかという気になりました。

 実はこれ人体実験してた僕のデータなんですが、ちょうど2月の18日ですが、2005年、この日にですね、四国へ、原先生ところへ、本日の会場(e-とぴあ)に講演に行く予定だったんですね。飛行機に乗る前に、あるいは家出る前にこのグラフを見てですね、ちょっとおかしいなと思って検査を受けてから出張に行こうと、それでもまだ出張に行く気だったんですが、この写真で本人は笑っているんですが、内視鏡を飲むともう血の海で、どうも2,000ccぐらい出血しているんですね。もう一回出血してたら死んでたということで、この情報薬によって自ら命を助けてもらったという例であります。情報薬、タイミングのよいこういう情報によって人命救済も可能であると考えます。


 こういうのを我々、戦略的防衛医療構想ver.1.0と呼んどります。

 そこでver.2.0なんですが、結局、戦略的防衛医療構想というのはどういうことかっていうと、何か一大事が起きる前に先手を打つ。我々こうやっててですね、先手を打って何事も起きなければ、なんや、何もなかったなって言われるんですが、そこは非常にこの評価の難しいところであります。事が起きてからって言っても手遅れになる場合が多いわけですね。
 一つはこのver.1.0というのはITをフル利活用した患者さん側の戦略的防衛医療構想、ver.2.0というのはお医者さん側なんですね。すなわちどういうことかっていうと、未熟な技術をなくすというか、医療事故を防ぐために腕を鍛えようと、こういうことなんですね。

 ところが、防衛医療というと非常に嫌う人がいます。アメリカの防衛医療はすぐ失敗すると訴えられてしまうので、自分の身を守るために余分な検査をしたりする。それが防衛医療なんですが、ほんまの防衛医療は、それは間違った防衛医療だと思うんですね。良い医療を提供すれば絶対訴えられないと、良い医療を提供するにはどうしたらよいか、ここをまじめに考えていこうというのがver.2.0の防衛医療です。

 もう一つは、情報薬によって社会を変えるというか、例えば法律とかですね、ガイドラインなんかも一つの情報薬だと考えています。こうすることによって、社会が右に行ってたのが左に行くようになると。こういうことも可能であると。今まで駄目であったのがOKになるということもあるだろうと、そういうことを計画しています。

 そこを情報薬でどのように対応できるかと。
 例えば、2002年にこういう事件が起きました。事故というか事件と言われるわけですが、患者さんで練習して患者さんを殺してしまったと、こういうことなんですね。十分に経験のない医師がそういう指導医無しで練習台として患者さんを使って殺してしまった。これはもう2006年に有罪判決が出て解決したかのようになっています。
 しかし、医者っていうのはどっかで練習しないと駄目なわけですね。初めてという場合が必ずあるわけです。その前にどっかで練習できる場があればいいんですが、そういうのがないから結局こういう事件が起きてしまいました。
 ところが、これでこの後に専門医の資格を取るのが大変難しくなったんです。資格を取るのにビデオテープを出したりしてチェックが入るんですが、そのテープですら患者さんで練習したテープを出すわけですね。ちょっと矛盾を感じます。     

 一方、お医者さんというのは決して患者さんを殺そうと思って診るわけではないんですね。不幸にして患者さんが亡くなってしまうということがあります。
 皆さんも覚えておられると思うんですが、福島県の大野病院の話ですね。決して殺そうと思ってないわけです。助けようと思ったけども助からなかったということで、残念なことなんですが、これは逮捕に至ってしまったわけですね。
 結局最後は無罪で釈放されたわけでありますが、この影響力というのは非常に大きくて、危ない橋は渡らないでおこうと、腕の無い人は積極的に練習しないと、そういうことはあちこちで起きてくる。

 その裏返しが今の地域医療、あるいは医師不足なんですね。立ち去り型のサボタージュとも言われます。すなわち、危ないことはやらんとこという人が増えてきたのか、まあ医師の数が足らない。どうみてもおかしいのが、毎年8,000人が医師国家試験に合格します。毎年8,000人できてて年々医師の数は増えているにもかかわらず、なぜ医師不足か。     
 いろんな問題もあるでしょうが、その内の一つにこういうちゃんとした練習ができないと。なんとなく肩身が狭いというかこういうものがあるかと思います。

 そこで情報薬としてお見せしたいのは、札幌医大としては2003年からそういうことのないようにご遺体を使って手術の練習、レベルアップができるようにということをやっております。
 例えば第1回目。神の手と言われる福島先生ですね、脳外の先生なんですが、その先生に来てもらってこういう勉強会をやっております。しかし、福島先生自身は決して神とは言ってないと思うんですね。マスコミがまた変な情報薬を流すというか、神の手だと言うんですね。あれはどう見ても人間の手であります。
 これから大学としてやらないかんことはどういうことかっていうと、どんな人でも神の手に近付けるように練習できる場、そういう指導をしなければならないということで、平成18年にはこういう文科省のお金をもらってやってまいりました。

 ところが、色々聞いてみると、これは違法だっていうんですね。まあそういうことを文科省に相談してからは、なかなか予算が当たらなくなりました。
 ここからは、非公式な見解なんですが、ご遺体、献体に関しては献体法というのがあります。献体法の中では、ご遺体、献体されたご遺体は学生さんの実習に使っても良いと書いてある。文科省、厚労省の非公式見解っていうか建前の話なんですが、学生以外に使うということは、そこだけ見ると目的外使用というと。目的外使用は違法だと言わざるを得ないと、ね。これはグレーゾーンで微妙だと言うんですね。
 どう考えてもお医者さんが練習をする、しかも同意を得た上でやる、安全にやる。何が悪いかと思うんですが、部分的に見るとこの三段論法でいくと違法と言わざるを得ないということを言われます。
 そこで、我々困ってしまいましてですね、訴えられても困りますのでちゃんと説明をして、ご遺体を提供してくれる人たちにこうやって承諾書を取ります。これが普通の献体の流れなんですが、これ以外にこういう特殊な使い方、医師の研修にあるいは研究に使ってもよいかどうか本人から同意を取る。亡くなられてから家族、遺族の方からもう一通同意書を取ります。
 ここまで同意書を取ってあるので、弁護士さんなんかに相談しても大丈夫である、訴えられたら勝つとこう言うんですが、なかなか文科省、厚労省訴えてくれません。

 我々どういう情報薬を作ったかっていうと、普通の話、なかなか意識しないと考えないことなんですが、運転免許センターで運転免許証を取るというと時には、仮免許証の後、路上教習という実施訓練を受けます。また、F1レーサーになるのにスーパードクターになるのにレーシングスクールみたいなのがあるわけですね。普通F1の世界ではあるわけです。
 ところが、医師免許証の場合には適当に自分でやりなさいということで、ちゃんとしたシステムがないわけですね。ここにこういうトレーニングセンターを作るべきであると。こういう話をしていると、一般の人たちはどう考えるかという話になります。

 すなわち、多くの人は献体というのはみんな嫌がってしてくれないんだろうとこう思うんですが、実は違うんですね。
 日本というのは非常に良い社会といいますか、こういうお話をすると今まで生きて来て何にもええことしてないと、最後に何か良いことをしたいというので自ら手をあげてこういう献体の会に入られてですね、私の体を使ってください。その人たちにこういう話をすると、もうどんどん使ってくれというんで、白菊会の会長さん、あるいは幹事から要望書をいただきました。
 あるいは、こういう特殊なお医者さんに使ってもらってもよいか、手術の練習、医療技術の練習に使ってよいかということを聞いたんですが、同意書を取ったんですが、三分の二近い会員さんが賛同し同意書を出してくれております。

 そこで我々、国はいかんていうのでなかなか進まないというんで、市民フォーラムを開きました。そうすると反対の人はいないんですね。是非とも安全安心医療のために献体を使ってほしいと。できるなら患者で練習しないでほしい。あるいは、我々献体する側からすると煮て食おうが焼いて食おうが良いと言うのに、何故ダメなんだ、というのでこういう市民からの声があがっている。
 この時にちょうど厚労省のお役人の方も参加いただいてお話いただいたんですが、建前としては目的外使用というのは違法と言わざるを得ない。しかし、今後変わる可能性があるということで言われてあります。

 そうすると、その後厚労省が動いてくれましてですね、平成20年度にこういう手術の練習をご遺体でした方がええか悪いか、こういう研究会ができました。一応、24学会中14学会は必要と。全部必要だと思うんですが、これちょっと特殊なこと考えられてたんではないかと思うんですが、必要だという方向になりました。
 その後海外調査をし、いろんなアンケート調査をしてですね、今年度ガイドラインを作る方向でっていうことで、どうやらこういう情報薬によって進みそうな方向であります。


 これがver.2.0なんです。

 さてver.3.0なんですが、心を動かせるものは何かということなんですが、例えば痛み。痛みは非常に体にとって悪いもんやとみなさん思うんですが、一つの信号なんですね。
 これは健康にするための一つの大きな情報薬で、もし痛みが無ければ知らんうちに出血して手が腐ってるということがあるわけですね。すなわちこの痛みによって心を動かす、あるいは行動を起こす。すなわち喜びであるとか感情、あるいは死の恐怖、あるいは信念、こういうものが情報薬になりうるだろうと。

 それから先ほども言いましたように法律。法律によって多くの人がこれを守る。まあ普通の話なんですが、みんな守ってくれへんかったら法律を作ろうと。あるいは権威。あるいはブランド。こういうもので多くの人の心が動きます。あるいはEBM。いろんなバックグラウンドのデータということでね。実証、多くのデータに基づいてこれは真実である、そういうのを見せると納得する人も。
 それから自分がそうでないと思ってもマスコミが騒ぐ、多くの人が言う、あるいはインターネットに書いてある。口コミとか噂とかコマーシャル。これによって心が動くだろう。これが動きすぎても危ないので一方ではこれの正常化といいますか、インターネット上の医療に関する情報というのは質が担保されていません。

 これはもう一つ僕が理事長をやってる協議会なんですが、日本インターネット医療協議会。平成10年にできたんですが、Japan Internet Medical Association、略してJIMAというんですが、ホームページでこれが悪い、あれが悪いという情報を流すのは大変難しんですね。それで、逆にある一定の基準を満たしていると、そういうところにはこういうマークをつけようという活動をやっています。こうすることによって質の良い情報、あるいは安心できる情報を皆さんに使ってもらえるということが可能である。これも一つの情報薬だろうと考えています。

 そこでもう一つ、医療産業研究会というのがこの間開かれて、伊藤元重先生、東大の経済学部の学部長ですが、この先生を座長に置いて、医療産業というのはどのようにしたら成り立つかっていうのをディスカッションしてまいりました。この中で我々提案したのはこういう健康データとか人の組織の使い方、この利用に関する法律を作ってもらえれば非常に動きやすい。
 先ほども違法だと言われましたが、実際、安全にいろんな条件をクリアした上で練習するのは決して悪いことではないわけですね。それを自分の思いだけでやるのはいかん。一定のガイドラインを作る、あるいは法律を守ってやる。そういうことは非常に重要だと思うんです。

 例えば、先ほど痛みの話したんですが、実は痛みは脳が作ってるっていうんですね。
 これはどういうことかっていうと、例えば犬、ここに書いてあるんですが、このバラの刺で刺激した。そうするとこの刺激が脊髄の後根神経から入って、前核のニューロンを刺激します。そうすると、結局犬の手の屈筋の収縮がおきて、手を後ろに引くわけですが、これが痛みで起きてるかどうかですね。
 我々は、痛いから手を引っ込めてると思うわけでありますが、それと同時に脊髄視床路によって脳まで、視床を経由して脳まで行くわけ、大脳皮質まで行くわけでありますが、興味深いのはこういう動物、脊髄の所ですね、延髄の下の所で神経路を切ってやると、上まで、脳まで刺激が行かへんわけです。それでもバラの刺で反射は起きると、実際に痛みっていうのは頭で感じてるので、痛いから手を引っ込めてるんではなくて反射的に手を引っ込めてると。
 では痛みとは何かというと、こういう不幸なことが起きた後に嫌な感じというか、こう感情を付け加えると。頭での痛みを作ってるというんですね。こうすることによって記憶を強化する。次にはバラを見ると踏まないというかですね、バラを避けて通るようになると。というので、痛みっていうのは非常に重要な情報薬になるわけであります。

 というので人間の脳というのは非常に不思議で、先ほども言いましたユビキタス・センサーネットワークというか、人間の体のどこを触っても分かるというかですね、そういうあちこちの情報はすべて視床に集まる。しかし、実際に頭で考える、感じるのはその一部なんですね。フィルタリングされています。
 もう一つ面白いのは、下から上がってくる情報にプラス随伴感情というのを作ります。あるいはええ感じ、嫌な感じ。例えば、同じ力で背中をかいても、かゆい時には気持ちいいわけですね。ところがかゆくない時にゴシゴシかかれると痛いわけです。そこら辺はいろんなコントロールされているというかですね、過去の記憶、経験でプログラムされている時もあるし、元々持って生まれたそういう感情が付け加わることもあります。というので、心の壁というかですね、視床のところでフィルタリングされているわけですね。
 例えば、ちょっと意識を変えるだけでフィルタリングが変わるというか、心の壁と呼びましたが、例えば眼鏡をかけている。腕時計をしている。通常忘れているわけですね。眼鏡かけてるかどうかっていう意識しようと思うと、意識するとその情報は大脳皮質で受け取って感じることができるわけです。というような情報を与えることによって意識を動かすと、感受性も変わるであろう。
 もう一つはタッピングという方法があるんですが、体のあちこち、東洋の方法なんですが、ツボのところを刺激することによって、このいろんな、変な現象が取れてしまうということがあります。

 というので、こういうものを使って戦略的防衛医療構想を実現したいということを考えています。
 さしあたって、ver.3.0としては、人体の組織だけではなくて健康データ、例えば原先生のところがデータセンターにいろんな健康に関する生体情報のデータを集めてると。  
 みんなのためにこの薬、どういう条件の時にどういうことが起きたかという新しい薬の開発用(治験用)のデータとして使えてもええわけなんですが、あまり今、個人情報保護法が行きすぎているために勝手に使うと怒られるわけですね。国の許可を取ったり用意するのがものすごい大変なんですね。
 こういう公共的な研究用に使えるというあるレベルを保持してから、自由に使えるという法律ができればもっと研究が推進されるでしょうし、こういう電子カルテあるいは意思表示カルテなんかは花咲くだろうということを考えています。


 長い間ご清聴ありがとうございました。この辺りで終わりにしたいと思います。       



【質疑・応答】
Q.辰巳先生どうもありがとうございました。ver.3.0、新しいお話、非常に興味深く聞かせていただきました。札幌医大とこの香川大学の間はJGN2のネットワークで常時接続されております。講演会以外でも、例えば3D画像を送ったり、医療に関するあらゆる情報を相互に交換しており、日本全体の中でも高速のネットワークの使用という意味では札幌医大と香川大学だけであって、旧帝国大学でも実施さていませんよね?

A.そうですね。

Q.ということは非常にまあ皆さまにお話ししたいことと、後は日本中のこういったイベント会場で常時使えるっていうのも、おそらく香川のこの会場とサンポートだけです。ですから高松でこういった催し物をやる場合に、辰巳先生にお出ましいだたくことが多いんですけども、ネットワークを使えば沖縄でも東京でも、今後、外国でもこういったイベントが出来るようになります。
 後、辰巳先生が言われましたように辰巳先生のところは在宅での個人の血圧とか万歩計とか、最近では携帯を使えば位置情報とか体温などの情報を集められる。そういった技術が非常に得意です。香川ではどちらかというと得られた情報を電子カルテからの情報や新しい薬の開発のための治験情報などを集める、そういった方に特化してというかそちらが得意ですので、この二つの地域が一体化していけば、今後すばらしい成果が得られると思います。  
 今後とも辰巳先生とずっと長く一緒にやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。先生、もう一言。


A.はい。いつも原先生にはお世話になっていてですね、奥尻島など離島の妊産婦さんのサポートは、原先生のシステムを使わせてもらってですね、実際にあそこの電子カルテはK-MIXの方を使ってるんです。ということでネットワークがないと成り立たないというかですね、こういうインフラがあるおかげで、これまでできなかったことができるようになったという言い方ができます。
 ちょっと最後に一言だけですね、いつも忘れるんですが、これを出しておきたいなと思うんですけども、実はこのインフラネットワークを使うにあたって、いろんな方々がサポートいただいてるんですね。例えば、実はJGNのノックまでつなぐのに、北海道のHOTNETさんのご好意でその線をタダで使わせてもらってたり、実は瀬戸内圏の研究センターの方、研究協力グループの方、札幌医科情報センターの方が裏でこういういろんなセットアップをしてくださっているから簡単に使えるんですね。  
 あまり今までね、ここに気を使わなかったんですが、ここの評価とは非常に低いんですね。インフラで頑張っている人たち、先に人間の体の話もしました。ネットワークの、コンピュータのネットワークの話もしました。これだけでどうっちゅうことないんです。どうっちゅうことないので医療系のアプリケーションを上に乗せる必要はあるんですが、こういことをアプリケーションが役に立つためにもインフラがしっかりしてないと役に立たない。ということで、インフラをサポートしてくれる人たちが息切れしないようにというかですね、皆さん方でサポートしてあげてもらえたらと思います。皆様方、どうもありがとうございました。

Q.辰巳先生言われてましたように、この実際講演される方々の裏には非常にたくさんのご協力があります。香川大学のJGNのアクセスポイントからここまでの回線は、STNetが共同研究ということで、この10年間ずっとここまで快く使わせていただいています。通常商用回線使うと、今日だけでも50万とか100万とかなってしまいます。あと辰巳先生、今後、香川県では、法医解剖に関してCTを導入することになりましたので、(辰巳先生:あっ、AIですね)、これをネットワーク上で接続したいと思ってますが、先生も是非よろしくお願いします。

A.よろしくお願いします。
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