「船の祭典2010共催事業」香川大学瀬戸内圏研究センターシンポジウム
 一見 和彦 准教授 「残された干潟とその重要性」

【講演内容】
 瀬戸内圏研究センターの一見と申します。宜しくお願い致します。

 松田先生、多田先生とも、大きく瀬戸内海全域の話をされましたけれど、私の方は、もう少しピンスポットに、干潟という特殊な環境についてお話したいと思います。

 干潟というのは皆さんもよく耳にされると思います。環境保全のような話になると、その象徴のような形で出てくる場所です。
 松田先生、多田先生も言われましたように、幼稚魚などの「ゆりかご」と呼ばれたり、生物多様性や生物量が非常に豊かな場所です。
 非常に大事な場所というのは、感覚的によくわかるのですが、しかし実際にどれくらい大事なのか、あるいは根本的に、干潟の生態系メカニズムというところは、実はほとんど分かっていません。その感覚的に非常に大事だというところを、我々の研究グループで、きちんと調べなくてはならないということで、この干潟研究に取り組みました。

 それではまず、干潟というのはどんなところかという、簡単なところからです。
 これは、高松市の新川・春日川河口干潟という、我々が観測を行っている干潟です。このように、屋島の頂上から高松市街を見下ろしたときに見える干潟です。
 左側の図は、満潮時です。満潮時は完全に海になっていますが、干潮時になると、右図のように干潟が出現します。
 この日は、それほど潮が引く日でなかったので、これくらいしか干潟が出ていません。大潮の干潮時であれば、だいたいこの辺りまで、全部干潟になって干出(かんしゅつ)するようなところです。1日に、干潮と満潮が2回ずつ、正確には24時間50分、つまり1日と50分かけて満潮と干潮が繰り返されています。

 今日は、香川県の干潟の話をします。
 香川県にどれくらい干潟があるのかというのがこの図です。干潟というところは、基本的に干潮・満潮で海になったり陸になったりするところですから、細かく見てやれば、すぐ近くの海岸であっても、小さな干潟と呼べるわけです。
 ここに挙げているのは、香川県にある、干出幅が100m以上、あるいは、干出面積が1ha以上の干潟です。この緑で示したのが、50ha以上ある大きな干潟です。それとこの小さな赤の方は、1~50haの比較的小さい干潟です。大きなところでは、さきほど示しました新川・春日の河口干潟と、これは土器川の河口干潟です。あるいは、香川県では非常に有名な「有明浜」ですね。河口に広がっている河口干潟と、遠浅の浜を「前浜干潟」といいます。
 その他にも、小さな前浜干潟や河口干潟が点在しています。このように見ていきますと、香川県の干潟としましては、高松市の東側の東讃には非常に少なくて、西讃に大きな干潟が集中しているのがお分かりいただけます。

 干潟と、今日は藻場も入れましたけれど、この重要性について、従来から言われています事柄を並べてみました。まず、魚介類の産卵の場である、あるいは幼稚魚の育成の場であるということ、それから漁場になるということです。
 これは潮干狩りしているところですけれど、潮干狩りも含めて、漁場になっています。また、自然の浄化槽としても機能しています。干潟というところは分解の場と言われますが、河川から陸上の物質が入ってきて海に流入するまでの間に、干潟があることによって、色々なものを分解して、水をキレイにする能力があるということです。次に、環境教育の場として非常に有効な場所だということです。

 これは、我々が毎年、香川県と一緒にやってる「干潟ウォッチング」という一般市民講座の様子です。これは、去年開催した写真なのですが、このように、小学生から中学生、それと保護者の皆さんと一緒に、干潮時の干潟に出て行って、現場でいろんな生物を探したりしているところです。子供たちは、すぐに飛んで行っていろんな生物を探してきます。
 またこの2枚は、我々の瀬戸内圏研究センターの庵治マリンステーションに、干潟で採集した生物を持ち帰って観察しているところです。
 こちらは、アナジャコを寒天に潜らせている写真ですね。この他にも、いろんな生物の小さな実験をやっています。このように、干潟というところはアクセスがいいですし、いろんな生物を簡単に捕まえることができますので、環境学習を行う場所として非常に適した場所であると言えます。

 またこれは松田先生、多田先生からも紹介されましたけど、魚介類の産卵の場であり、幼稚後の育成の場であります。この写真は、さきほど多田先生も出されていましたが、香川県水産試験場の藤原さんが撮影した写真で「アマモ場」です。
 藻場の中にいる魚はメバルで、こちらは、恐らくコウイカ類の卵だと思います。
 このように、魚介類の産卵の場、あるいは小魚の隠れ家のようになっています。こちらは実際に干潟の上で我々が捕獲したカレイで、コチとウキハゼ。このように稚魚がたくさん見つかります。また、幼稚魚の餌になっているような小動物がたくさんいます。さらに残りの2つ、漁場、あるいは潮干狩りができる場で、今日は潮干狩りの話をします。それと、干潟は分解の場であり、自然の浄化槽と呼ばれています。この2つについてもう少し詳しく説明していきます。

 これは「干潟の生態ピラミッド」です。
 さきほど多田先生が海の生態ピラミッドを出されていましたが、これは干潟の生態ピラミッドです。一番底辺に植物がいて、それを食べる動物がいて、頂点に、干潟の場合は鳥と人間です。
 まず、この一番底辺にいる植物ですが、これはアマモです。アマモとかアオサといった、いわゆる大型の海草だとか海藻類ですね。
 これら以外に大事な植物として、「微細藻類」という、顕微鏡で見ないと分からない小さな植物がたくさんいます。干潟に出て行って足跡を付けてもらえば、足跡の下には、何百万、何千万という微細藻類がいます。こういうものが餌になって、貝だとかゴカイが育ち、今度は鳥などに食べられる。

 干潟というところは、非常に生物量が多いところですが、どうして生物が多いかと言いますと、まずは、河口干潟が典型的な例ですが、上流側に河口があって、そこから河川を通して、窒素とかリンという我々が「栄養塩」と呼んでいる栄養物質がたくさん入ってきます。
 この窒素やリンというものは、微細藻類、いわゆる植物ですね、植物の体を作る材料ですから、それがたくさん入ってくる環境ですね。それで、これに太陽光、干潟は浅い場所ですから、太陽光がサンサンと降り注ぎます。
 海の方は、沖合いに出て行くと、例えば15mとか20mも水深があると、もう光が届かなくなります。そうすると、生態ピラミッドの一番底辺を支えている植物は、光合成ができませんので、そこで繁茂できなくなるんですね。干潟は、そういう栄養物質と光合成に必要な光が、ふんだんにある環境と言えます。
 干潟という所は、熱帯雨林に次ぐ豊かな生物環境を持っていると言われますが、それは、このように非常にたくさんの生物が生息しているからです。つまり、干潟では植物の光合成量が莫大で、これを食べるその生き物たちが溢れている。生物生産が非常に活発であるという場所です。
 これ実は、ほぼイコールなんですが、活発な生物生産があって、「食う-食われる」という関係がものすごく発達しているということは、同時に、分解作用も非常に早いのです。要するに、体が作られてそれがまた壊される。その「作る-壊す」という作業が、非常に速いスピードで回っているという特徴があります。

 ここで、分解の過程をイメージしたのですが、干潮時・満潮時にどんな生物が活躍しているかというと、まず干潮時は、干潟の泥、堆積物の表面に降り積もっているような有機物を、カニが一生懸命食べています。
 干潮時も満潮時も働いているのはゴカイです。ゴカイは、自分の体の何倍もの量の泥を体の中に入れて、泥の中の有機物を食べています。
 満潮時、干潟に水が入ってきてからになりますけども、アサリは、水中のプランクトン、微細藻類だったり、川から入ってきた懸濁物質ですけども、そういうものをどんどん吸い込むように食べています。我々は「濾過捕食者」と呼んでいますが、海水のまま体の中に取り入れて食べています。
 アサリというのは、お味噌汁に入れて食べるような2~3㎝くらいのアサリだと、1日に数十リッターの海水を濾過します。新川・春日川河口干潟に生息しているアサリは、干潟の上に乗ってくる海水を、2回~3回くらい全部濾過してしまうくらいの能力があると推測しています。
 アサリはもちろん、ゴカイ、カニもそうですけども、こういう生物が非常に活発に生息していることで、生産をしながら分解もしているということになります。

 いま挙げたこれらの生物は、春から秋までの暖かい時、あるいは暑い時に活躍する生物ですが、冬にもそういう生物がいるんですね。
 これは生態ピラミッドの頂点にいる、干潟の最上位の生物ですね。ここに挙げたのは、「ヒドリガモ」と「オナガガモ」というカモです。
 この新川・春日川の河口干潟に、越冬のために渡来しているのですが、ヒドリガモだと、だいたい600羽から1,000羽くらいいます。オナガガモだと、だいたい300羽くらい、それくらいのカモが越冬しています。
 この間分かってきたことですが、ヒドリガモは草食で、干潟の上で繁茂しているアオサを食べています。アオサは、増えすぎるとちょっと困った問題が出てくるのですが、このアオサを、ヒドリガモの個体群が、越冬している5~6カ月の間で、約90トン食べます。
 また、オナガガモは肉食なんですが、オナガガモは、干潟にいる「ホトトギスガイ」という二枚貝を、40トンくらい食べています。それで、食べた後どうなるかなんですが、どちらも同じような数字なんですけども、食べた量のだいたい6割くらいは、糞として出てきます。残りのだいたい4割くらいが、二酸化炭素、つまり呼吸ですね、二酸化炭素になって飛んで行きます。
 要するに、アオサあるいはホトトギスガイという生物体であったものが、カモが食べることによって、かなりの部分が、気体に分解されて飛んでいってるんです。そういう意味では、鳥類というのも、冬の間分解能力が落ちる時期に、非常に大きな仕事をしているというのが分かります。

 ここでちょっと番外編です。人間がいったいどれだけアサリを捕っているかということです。新川・春日川河口干潟は、何年か前に、ホームページで「あそこでアサリが捕れる」と紹介されて、アッという間に有名になったんですけども、アサリがたくさん捕れます。
 これは2007年の事例なんですけども、人間がどれくらいアサリを捕っているかという調査です。当然、潮干狩りの時期に一番人間が訪れますので、潮干狩りシーズンの、4月中旬から6月上旬までの54日間を対象にしています。
 まず、この間にどれくらい人が来るか、人数をカウントしました。その結果の総計がこれです。54日間で4,100人くらいの人が、潮干狩りに来ています。当然、ゴールデンウィーク期間中の5月3日~5日が一番多くて、だいたい1日に500人近くの人が、干潟に来ていました。
 今度は、1人当たりどれだけのアサリを捕って行ったかというのがこの数字です。これは、70名の方に聞き取り調査しているのですが、なかなか苦労しまして、最初、男子学生に立ってもらって「重さを量らせて下さい」と頼むのですが、皆さん逃げるように遠慮されて。これではイカンということで、今度は女子学生に頼むのですが、そうすると量らせてもらえる上に、「お土産」まで貰えるという。ホントにこれは女子学生がやってくれたような数字です。3.99㎏、要するに1人当たり4kgです。1人当たりですから、人によってもちろん差はあって、可愛く500gくらい捕って行く人から、「プロフェッショナル」といいますか、ズタ袋いっぱいに捕って行く人もいます。
 これらの数字を使って4,100人に1人あたりの4kgを掛けてやると、このほぼ2ヵ月間で、人間がアサリを捕って行った量は「16.3トン」。アサリの市場価格を、だいたい1kg=800円として考えてやると、だいたい1,300万円くらいに相当する量のアサリが、この干潟から捕られています。そういう意味では、我々はすぐ近くに、こんないい場所を持ってるわけですね。

 今度は、干潟の機能的な役割についてお話しします。
 先にお話ししました通り、干潟では、非常に活発な生物生産があって、餌生物がたくさんいますので、魚介類のゆりかごとして機能しています。
 もう1つ、生産とは全く逆なんですが、大きな分解能力があります。干潟は「自然の浄化槽」と言われています。干潟が水質浄化の場であることは、これまでにも言われてきたことですが、ただ、観測によってどの程度の浄化能力があるのかといった研究は、日本ではほとんどありません。
 この5年くらいをかけて、我々の観測で分かってきたのは、干潟が、栄養物質、さきほどからお話してます、窒素やリンというものですね、この「栄養物質の貯蔵庫」として機能していそうだなということです。

 その窒素やリンは、河川を通して、無機物、硝酸やアンモニアになりますが、それと有機物、これは粒子です。水の中に漂っている粒子、これらが、このような形で海に入ってきます。
 有機物、粒子は海底に沈殿していきますけども、無機物に関しては、これを材料にして植物プランクトンが繁茂していきます。
 植物プランクトンは、動物プランクトンが食べて小魚が食べる、というように植物連鎖が進みますが、無機物の窒素、リンというものが大量に入ってくると、30~40年前の瀬戸内海を思い浮かべていただければいいのですが、有害赤潮、要するに魚を殺してしまう赤潮が頻発する海になります。
 有機物がたくさん入ってくる、あるいは、たくさん増えたプランクトンなどが大量に沈降することによって、その海底に、貧酸素水塊、要するに酸素が非常に少ない水ができる。非常に生物が棲みにくい環境ができます。そういう意味では、この窒素やリンが、どれだけ河川を通じて海に入ってくるかというのは、非常に大事になってきます。

 これは新川・春日川河口干潟を上空から見たところです。
 新川と春日川から、窒素、リンがこう入ってきて、干潟上で、量的にも質的にも変化を受けて、その後、海に出ていきます。
 その間、窒素とリンがどのように振る舞うのかといいますか、どのように干潟で変化して最後に海へ流出するか、それを我々が観測で調べています。大学の調査船で、いろんな観測定点を回ります。

 今日は、非常に簡単にまとめてしまいますけども、結果的に、春から夏の暖かい時には、窒素やリンが河口から入ってきて、漂っている有機物ないし粒子というのは、まず、干潟の上に落ちて沈降堆積します。
 干潟というところは、河川と海水がちょうど混じり合うところですね。急激に流れが小さくなって、しかも静電気的な物理作用によって粒子が大きくなり、ボタボタと落ちる場所なんですね。
 こういう粒子や有機物を餌にしてゴカイが増える、あるいは成長する。アサリも、さきほど1日数十リッターの海水を濾過すると言いましたが、これらの有機物を濾過して食べてくれる。要するに、有機物を干潟に溜める方向に行くのですね。
 もう1つ、溶けている無機物です。溶けていますので見えませんが、硝酸だとかアンモニアのようなものを、アオサとかアマモなどの海藻(草)がどんどん取り込んで自分の体にしていきます。このアオサとかアマモは、この時期に繁茂します。すなわち、この期間は、生物が成長する時期です。したがって、基本的には窒素やリンというものが干潟の中に溜まっていく時期になります。

 今度は逆に、秋から冬、寒い時期になるとどうなるかと言いますと、アマモとかアオサというのは、どんどん枯れていきます。アサリだとかゴカイも低水温で活発でなくなってくる。
 そうすると、この補足作用、溜められる作用がなくなって、しかもどんどん分解されて、干潟から出ていくことになります。これらの生物による捕捉効果、留めようとする力が働かなくなりますので、干潟に溜められていたものがドンドン海の方へ出ていくことになります。
 これはつまり、春から夏、要するに暖かい時期、暑い時期には、河川から入ってきた窒素やリンという物質を、干潟が握っていてくれる。一方で秋から冬になると、今度はそれを手放す、そういった機能を、干潟が持っていそうだということが分かってきました。

 これは少し言い過ぎかもしれませんけれども、例えば、夏になると、現在はだいぶ減りましたけれど、赤潮問題があります。
 先ほどお話したとおり、赤潮は河川から入ってきたような栄養物質を使って、植物プランクトンが大量繁茂することで起こります。また現在、冬に海苔の色落ち問題、すなわち栄養不足という問題が起きています。
 そこで干潟の機能を考えると、この赤潮が発生するような春から夏に、干潟はその原因物質となる窒素やリンを握っていてくれて、冬になってこういう栄養物質が必要な時に放出してくれる、という可能性があるわけですね。これからは、本当にそのような機能を持っているか、しっかりと見極めなければならないと考えています。

 以上で私の話は終わりですが、我々は、先代の教授から数えてもう15年から20年近く干潟の研究をやっていますが、干潟環境というのは、やればやるほど色々なことが分かってくるのですね。
 そういう意味では、干潟について我々はまだ本当の意味で理解できていません。沿岸域の中で、干潟がどんな機能を持っていて、どれだけ重要なところであるのかというところを、今後もしっかりと検証して行きたいと思っています。



【質疑・応答】
Q.スライドの中で、アサリは水中の有機物を食べているように描いてあったのですが、有明海あたりでは、泥や砂の上についている微細藻類を相当食べているという話です。高松市のこの干潟ではどうでしょう?

A.アサリのエサというのは、干潟によって違うというのがいろんな観測から報告されています。基本的には、微細藻類もそれ以外の有機物も、どちらも食べていると思います。
 干潟は干満の流れでかなり水が動くところです。さきほどスライドで示しましたように、泥の表面にいろんな微細藻類がたくさんいますが、それが舞い上がって水の中に巻き上げられています。
 実際、水の中を見てみると、泥の表面にいる微細藻類がたくさん水の中にいます。そういう意味では、もともと水の中に住んでいる、あるいは水の中に漂っているものと、泥の中から水の方へ出てきたものの両方を含めて、ということです。恐らく、これは時間帯によっては、泥由来のもの、水由来のものを食べているように思いますけども、基本的にはどちらも食べているのではないかと考えます。


Q.干潟のアサリは人間に捕られ過ぎですか?

A.この質問に答えるためのスライドがありますので、それを使って説明ます。

 これは、2007年1月から2009年12月までの3年分のデータです。これが1㎡あたりのアサリの個体数です。この赤いのが20㎜以上の大型サイズで、我々が潮干狩りで取っているアサリですね。水色が10㎜~20㎜、黄色が5㎜~10㎜サイズの稚貝ですね。これは3年間の推移ですが、我々が捕る大きいサイズを示す赤い部分が大きく減る時期があります。
 ここが潮干狩りの時期です。
 2007年は、見事に潮干狩りの時期と一致しています。2008年がここです。2009年がここです。我々の計算では、潮干狩りの時期に減っている大きなアサリの6割くらいを、人間が捕っているようです。
 そういう意味では、人間が捕る漁獲圧力というのは、非常に大きいことが分かります。2007年にこの小さい貝を示す色が多いのが分かるかと思います。
 面白いことに、小貝がたくさんいるような年は、これだけ捕られた後も回復していくのですね。潮干狩りの時期が終わると、また同じようなレベルに戻ります。ところが2008年は、その小貝が少ない。2009年はもっと少ないです。そうすると2008年は、大きく減った後に、元に戻っていません。2009年になるとスタートがここで、同じように減って、ほとんど回復が見られません。
 小貝がいないと回復してこない。潮干狩りの人数は2ヵ月で4,000人とさきほど言いましたけれども、このレベルの人数であれば、小さい貝を捕らなければ、おそらく回復してくるのだろうと思います。ただ、もっと人数が増えた時には、サイズ規制なり、人数制限を考えないといけないと思います。


Q.ということは、他の要因で減少したのですか?

A.大きなサイズの貝が捕られたから小貝が入ってこなかったのではなくて、違う要因だと思っています。といいますのも、播磨灘の、例えば姫路の方だったでしょうか、その他の所と減少のパターンが同じなのですね。ですから、新川・春日川だけのピンポイントの問題だけではなく、もっと大きな問題だと思います。
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