浅海環境通信

第6号

浅海環境通信 発行 2007年5月
香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設
香川県木田郡庵治町鎌野4511-15
TEL/FAX:087-871-3001
■2006年度 香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設 教育・研究活動と地域貢献事業
 浅海環境通信の第6号では2006年度に当施設が行った教育・研究活動と主な地域貢献事業についてご紹介いたします。
■2006年度 浅海域環境実験実習施設 スタッフ
施設長   多田 邦尚 (農学部 教授)
施設主任  一見 和彦 (浅海域環境実験実習施設 助教授)
        浜垣 孝司 (浅海域環境実験実習施設 技術専門職員)
関係教官  山田 佳裕 (農学部 助教授)
        末永 慶寛 (工学部 助教授)
■教育・研究活動
【教育(卒業・修士・博士論文研究を除く)】
5月17日 農学部応用生物科学・実習(1年生対象)
5月24日 農学部応用生物科学・実習(1年生対象)
5月31日 農学部生命機能科学実験・実習(3年生対象)
7月31日~8月4日 農学部生命機能科学実験・実習(海洋実習:3年生対象)
8月 8日 生物学A(全学対象)
10月23日 高知大学農学部アジアンフィールドサイエンス・海外トレーニングコース
(香川大学農学部受入プログラム)
【博士論文研究(愛媛大学大学院連合農学研究科)】
・少雨地域の水系における物質循環の特性に関する研究 中島沙知(多田研究室)
・陸域-沿岸域における炭素、窒素の動態に関する研究 三戸勇吾(多田研究室)
【修士論文研究(AAP特別コース)】
・The interaction between environmental condition and phytoplankton growth
Suksomjit Marut(多田研究室)
【卒業論文研究】
・干潟域に出現する動物プランクトンの現存量と摂食圧について 風間健宏(一見研究室)
・河口干潟域における新生物元素の挙動 浜口佳奈子(一見研究室)
・干潟域に生息する微細藻類の増殖について 山本昭憲(一見研究室)
・干潟域におけるタンパク質の質的変化 西友美(多田研究室)
・夜光虫(Noctiluca scintillans)の増殖と餌選択性 林実菜子(多田研究室)
・希少糖の海洋環境中における分解と植物プランクトンへの影響 伏見加奈子(多田研究室)
・藻場造成による海域環境改善技術 大塚弘晃(末永研究室)
・府中湖の水質浄化に関する研究 米浦大輔(末永研究室)
・備讃瀬戸東部海域におけるノリ色落ちと流入負荷の関係 中島寿樹(末永研究室)
・半閉鎖性海域における人工魚礁の流動制御による底質改善機能に関する研究 松岡良介(末永研究室)
■2006年度 浅海域環境実験実習施設に関わる研究業績
【学術論文】
●橋本俊也・多田邦尚・和田彩香・一見和彦:海砂利採取船からの高濁度排水中の微粒子の拡散.Journal of Graduate School of Biosphere Science, Hiroshima University,45,31-36(2006).
●星野高士・松岡聡・末永慶寛・山田佳裕・一見和彦・多田邦尚・吉松定昭・藤原宗弘・堀田健治・白木渡:数値モデルを用いた備讃瀬戸東部海域のノリ色落ちに関する研究.Eco-Engineering,18,173-180(2006).
●一見和彦・宮尾和宏・門谷茂:瀬戸内海引田湾における有害赤潮鞭毛藻Karenia mikimoto(渦鞭毛藻)の赤潮発生年と非発生年の海域環境の比較.日本プランクトン学会報,54(1),9-15(2007).
●Kanzaki, T., Hashimoto, T., Suenaga, Y., Hasegawa, S., Yamanaka, M.: Analytical Study and Research on the Influence Area of the High Water by the Typhoon Disaster Using the VRS-RKT-GPS, Proceedings of OCEANS’06, OMS3-1-6 (2006).
●三戸勇吾・山田佳裕・山本敏哉・中島沙知・白金晶子・堤裕昭・多田邦尚:知多湾における堆積物中の有機物の起源.日本水産学会誌,73(1),1-7(2007).
●三戸勇吾・山田佳裕・小川浩史・山本敏哉・多田邦尚:知多湾表層水中における窒素とリンの空間的季節的変動.沿岸海洋研究,44,191-202(2007).
●門谷茂・三戸勇吾・山田佳裕・多田邦尚:感潮河川(北九州市紫川)の高濁度域における懸濁粒子の起源.水環境学会誌,29,635-642(2006).
●Nakashima, S., Yamada, Y., Tada, K.: The characterization of the water quality of dam lake on Shikoku Island, Japan, Limnology, 8 (1), 1-22 (2007).
●中島沙知・山田佳裕・多田邦尚:香川県の沿岸域における魚類の炭素・窒素安定同位体比の分布,香川大学農学部学術報告,59,59-64(2007).
●中島沙知・山田佳裕・多田邦尚:讃岐山脈を源流とする吉田川の上流域における窒素の分布,香川大学農学部学術報告,59,65-69(2007).
●小野哲・一見和彦・多田邦尚:ノリ養殖に被害を及ぼす大型珪藻Coscinodiscus wailesiiの現存量と沈降速度.
日本海水学会誌,60,253-259(2006).
●Suenaga, Y., Tsunezawa, Y., Matsuoka, S., Yoshimatsu, S., Ichimi, K., Fujiwara, M., Yamaga, K., Tada, K.,: Research on the Discoloration of Nori (Porphura) and Characteristics of water Quality using the numerical model. Proceedings of OCEANS’06, PMT4-1-6, May (2006).
●Suenaga, Y., Hoshino, T., Yasuoka, K., Ohtsuka, H., Muguruma, R., Suenaga, A., Kimigawa, K.: System for the creation of Fishery Grounds Using the Artificial Reefs, Proceedings of the International Forum on the Future Development of Constructed Reefs in Taiwan, pp.54-60 (2006).
●多田邦尚・和田彩香・一見和彦・橋本俊也:海砂利採取船からの高濁度排水中の微粒子の挙動-微粒子の特性と沈降速度-.沿岸海洋研究,43,157-162(2006).
●Tada, K., Meksumpun, S. Loassachan N. and ichimi, K.: The elemental composition of particulate matters in Bang Pakong River estuary, Thailand, Coastal Marine Science, 30, 88-90 (2006).
●多田邦尚・一見和彦・山田真知子・門谷 茂:洞海湾の河口循環流と赤潮形成,.沿岸海洋研究,44,147-155 (2007).
●田村隆雄・端野道夫・末永慶寛・星川豪:引田湾に隣接する森林流域からの物質流出機構と流出負荷量.土木学会,水工学論文集,51,1165-1170(2007).
●山田佳裕・井桁明丈・中島沙知・三戸勇吾・小笠原貴子・和田彩香・大野智彦・上田篤史・兵藤不二夫・今田美穂・谷内茂雄・陀安一郎・福原昭一・田中拓弥・和田英太郎:しろかき期の強制落水による懸濁物,窒素とリンの流出-圃場における流出実験-.陸水学雑誌,67(2),105-112(2006).
●Yamaguchi, H., Loassachan, N., Miyoshi, C., Kuwae, M., Takeoka, H. and Tada, K.: Comparison of vertical distribution of sedimentary biogenic silica among different solid to solution ratio extractions, Chemical Pollution and Environmental Changes, Proceedings of International Symposium Pioneering Studies of Young Scientists on Chemical Pollution and Environmental Changes held on November 17-19, 2006, Matsuyama, Japan, (Tanabe, S., H.Takeoka, T.Isobe and Y. Nishibe eds.), 343-346 Universal Academy Press, Inc. (2007).
●Yasuoka, k., Hirosako, T., Hoshino, T., Suenaga, Y., Kakegawa, H.: Techniques for Improvement of Marine Environment Including the Biological Production Using the Industry By-Product, Proceedings of OCEANS’06, PMT5-1-6 (2006).
●Yodnarasri, S., Montani, S. and Tada, K.: Temporal change of the environmental conditions of the sediment and abundance of the nematode community in the subtidal sediment near a river mouth with tidal flats. Plankton Benthos Research, 1, 109-116 (2006).
【学会講演等】
●Suksomjit, M., K, Ichimi, K. Tada, M. Yamada and S. Montani :Effect of high ammonium concentration on growth of phytoplankton in Dokai Bay.2006年度日本海洋学会春季大会(横浜市立大学)
●Loassachan, N.・一見和彦・多田邦尚:The evidence of high benthic-microalgal activity in shallow water ecosystem.2006年度海洋学会春季大会(横浜市立大学)
●多田邦尚・N. Loassachan・S. Meksumpan ・M. Suksomjit:タイ・バンパコン河口域における懸濁態無機リン
(PIP)の挙動. 2006年度海洋学会春季大会(横浜市立大学)
●一見和彦・多田邦尚・釜野孝司・門谷茂:干潟底生微細藻類の増殖形態について.2006年度海洋学会春季大会(横浜市立大学)
●末永慶寛・掛川寿夫・岩原廣彦・山本房市:石炭灰固化体を用いた魚礁・藻礁への適用性に関する研究,土木学会四国支部平成18年度技術研究発表会,平成18年5月.
●多田邦尚・安森早苗・和田彩香:一見和彦:植物プランクトンのレッドフィールド比と海水中の懸濁態リン.2006年度海洋学会秋季大会(名古屋大学)
●三戸勇吾・山田佳裕・多田邦尚:炭素・窒素安定同位体比から見た河口干潟域における有機物の起源と輸送.2006年度海洋学会秋季大会(名古屋大学)
【学会賞受賞】
末永慶寛 論文賞受賞 生態工学会、平成18年6月.
■第17回 瀬戸内若手会
瀬戸内海で海の研究を行っている大学等が毎年持ち回りで実施している「瀬戸内若手会」。2006年で17年目を迎えた「瀬戸内若手会」ですが、昨年度は香川大学が開催校となり、9月6日・7日の日程で開催されました。「瀬戸内若手会」は専門分野の異なる大学・研究機関が一同に会し、研究発表、親睦を深める文字通り学生が中心となった若手会です。昨年度は、愛媛大学、高知大学、広島大学、神戸大学、九州大学、香川大学から参加いただきました。
「瀬戸内若手会」
■附属浅海域環境実験実習施設セミナー
3月15日 演題:「Light Fishing in Thailand」
演者:Dr. Monthon Anongpornwodsakul (Kasetsart University, Thailand)
■地域貢献事業
・7月17日 平成18年度 瀬戸内海における浜辺の自然・文化・歴史教室(屋島)
・7月23日 平成18年度香川大学公開講座「-海の中をのぞいてみませんか-」
・7月24日 香川県理科教職員研修 -瀬戸内海を科学的に調査しようⅡ-
  「サイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)」文部科学省
・7月28日 香川県三豊市中学理科教員研修
・10月 1日 干潟ウォッチング(香川県・エコライフかがわ推進会議)
香川大学公開講座 浜辺の自然・文化・歴史教室
香川大学公開講座 浜辺の自然・文化・歴史教室
■「干潟の生き物ハンドブック」(香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設編)を発行
 昨年度、福武学術文化振興財団の助成を受けて、干潟で観察される生き物のハンドブックを作成しました。当施設では、小中学生やその保護者、あるいは中学・高校の理科の先生方を対象に毎年公開講座を行っています。しかし、「これは、何と言う生物ですか?」などと質問されても、自信を持って答えられないことがあります。図書館や書店で探してきた図鑑は、やたら分厚くて専門性が高すぎたり、香川県周辺には生息しない生物がたくさん載っていたり、なかなか適当なものがありません。その度に、『我々が住んでいる香川県の周辺で目にするような生物を中心にした図鑑が欲しい』と痛感しました。その時から、干潟へ調査に出掛ける時にはいつもデジタルカメラを携帯し、生物の写真を撮り続けました。ハンドブックに並んでいる生き物は、すべて香川県の干潟で普通に観察されるものばかりで、プランクトンなどの顕微鏡サイズの生物から鳥類まで幅広く掲載されています。今後、このハンドブックを使用してより有意義に公開講座を実施してゆきたいと考えています。(A5版)
干潟の生き物ハンドブック
■インタラクティブコーナー
皆様と自然科学の研究者とで創るコーナーです。
皆様がこの通信の中で興味を持たれたこと、また疑問に思われたこと、身近な自然の中で不思議に感じられたことがありましたらどしどしお便りください。このコーナーで取り上げさせていただいて、読者の方々の自然に関する興味や知識を深めることが出来たらと思っています。特に投稿規程はありません。お便りお待ちしています。
投稿先:〒761-0130 香川県木田郡庵治町鎌野4511-15 
香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設 一見 和彦 宛
電子メール:ichimi@ag.kagawa-u.ac.jp
編集:浅海域環境実験実習施設利用者グループ
調査船「カラヌスIII」
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