浅海環境通信

第4号

浅海環境通信 発行 2005年7月
香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設
香川県木田郡庵治町鎌野4511-15
TEL/FAX:087-871-3001
■2004年度 香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設 教育・研究活動&地域貢献事業
 浅海環境通信の第4号では2004年度に当施設が行った教育・研究活動と主な地域貢献事業についてご紹介いたします。
■2004年度 浅海域環境実験実習施設 スタッフ
施設長   多田 邦尚 (農学部 教授)
施設主任  一見 和彦 (浅海域環境実験実習施設 助教授)
        浜垣 孝司 (浅海域環境実験実習施設 技術専門職員)
関係教官  山田 佳裕 (農学部 助教授)
        末永 慶寛 (工学部 助教授)
■教育・研究活動
【学部生実験・実習】
5月 農学部生命機能科学科3年生実験実習
8月 農学部生命機能科学科3年生海洋環境実習
【修士論文研究】
・沿岸海域において大型珪藻 Coscinodiscus wailesii が栄養塩循環に果たす役割 小野 哲(多田研究室)
・夜光虫の現存量とその餌生物に関する研究 近藤芳樹(多田研究室)
・志度湾における栄養塩循環システムに関する研究 原田太一(末永研究室)
・水産資源増殖構造物の流動制御による海域環境改善機能に関する研究 宮川昌志(末永研究室)
・スラグの再利用による海域環境改善技術に関する研究 安岡かおり(末永研究室)
【卒業論文研究】
・新川春日川干潟域における懸濁粒子の特性 福永昌高(一見研究室)
・干潟底生微細藻類の増殖ポテンシャルに関する研究 山下裕明(一見研究室)
・人工魚礁の海域環境改善機能に関する研究 小松原健治(末永研究室) ・構造物設置による栄養塩の鉛直分布変化に関する研究 大畠徹朗(末永研究室)
■2004年度 浅海域環境実験実習施設に関わる研究業績
【著書】
多田邦尚:おもしろい海・気になる海(日本海水学会編).p 240-243,p 266-269,工業調査会,東京(2004)
多田邦尚:海のトリビア(シップ・アンド・オーシャン財団,海洋政策研究所,日本海洋学会).p14-15,p16-17,p 26-27,p 48-49,p 94-95,日本教育新聞社,東京(2005)
【学術論文】
●Tada, K., Pithakpol, S., and Montani, S.: The abundance and seasonal variation in Noctiluca scintillans from the Seto Inland Sea, Japan. Plankton Biology and Ecology, 51, 7-14 (2004).
●Tada, K., Yamaguchi, H., and Montani, S.: Comparison of chlorophyll a concentrations obtained with 90% acetone and N,N-dimethylformamide extraction in coastal sea water. Journal of Oceanography, 60, 259-261 (2004).
●多田邦尚,一見和彦,横田隼人トニ,山田真知子,門谷茂:洞海湾で鞭毛藻類が大増殖しない理由.海の研究,13,271-279(2004).
●多田邦尚,山口一岩,一見和彦,Sarawut Srithongouthai:夏季の瀬戸内海・播磨灘の表層水中の粒状物の化学組成.海と空,79,89-95(2004).
●多田邦尚:干潟域のアナアオサの現存量.日本水産学会誌,70(5),(2004).
●一見和彦:干潟域の付着珪藻の増殖生理.日本水産学会誌,70(5),(2004).
●Nonomura, A., Hoshino, T., Suenaga, Y., Tada, K., Ichimi, K. and Masuda, K.: Study on the techniques for distribution of chlarophyll-a in the real sea area by using remote-sensing. Journal of Fisheries Grounds Creating Technology, 1, 29-37 (2004).
●Nakashima S. and Yamada Y.: Temporal-Spatial Distributions of High nitrogen Concentration in Headwater Areas of Regions with Low Precipitation, Limnology, 6, 53, (2005).
●山田佳裕:水系生態系における環境評価指標としての安定同位体比.水資源研究センター研究報告,No.24,57-60,(2004).
●末永慶寛,宮川昌志,山中稔,藤原宗弘,星野高士,堀田健治:水産資源増殖構造物の流動制御と生物蝟集機能,Eco-Engineering,17(2),127-132(2005).
●Suenaga, Y., Miyagawa, M., Hoshino, T., Yasuoka, K., Masuda, K., Kimigawa,K.: Techniques of Restoration Syetem of Marine Biological Environment. Journal of the Recent Advances Marine Science and Technology, in press, (2005).
●Nonomura, A., Hoshino, T., Suenaga, Y.,Hirosako,T.,HOSHINO,T.: Development of the System for Creating Fishery Grounds by Using Remote-Sensing. Journal of the Recent Advances Marine Science and Technology 2004, PACON2004, in press, (2005).
●Yamanaka, M., Yasuoka, K., Suenaga, Y., Matsuyama, T., Hoshino, T.: Development of CaCO3 Porous Material for Improvement of Marine Environment. Journal of the Recent Advances Marine Science and Technology 2004, PACON2004, in press, (2005).
●木村光一,末永慶寛,山中稔,掛川寿夫,東田真一:藻場造成構造物の流動制御および生物着生機能に関する研究.漁場造成技術研究会論文集,1,46-63(2004).
●末永慶寛,星野高士,山中稔,安岡かおり,掛川寿夫,竹田弘之,浅井功:実海域における水産資源増殖構造物の影響範囲の定量的評価に関する研究.漁場造成技術研究会論文集,1,38-45(2004).
●安岡かおり,山中稔,末永慶寛,松山哲也,星野高士,竹田弘之,白木渡:スラグを利用した多孔質基質による海域環境改善技術に関する研究.漁場造成技術研究会論文集,1,23-28(2004).
●山中稔,安岡かおり,末永慶寛,松山哲也,星野高士,寺林優:水産資源増殖のためのCaCO3多孔質体の開発.第3回海環境と生物および沿岸環境修復技術に関するシンポジウム発表論文集,101-106(2004).
【学会講演等】
●多田邦尚:干潟域のアナアオサの現存量.2004年度日本水産学会春季大会-ミニシンポジウム.
●一見和彦:干潟域の付着珪藻の増殖生理.2004年度日本水産学会春季大会-ミニシンポジウム.
●松岡聡,吉松定昭,本田恵二,多田邦尚,一見和彦,藤原宗弘,安部亨利:香川県における2002年度のノリの色落ちについて,2004年度日本海洋学会春季大会.
●一見和彦,山下裕明,澤山稔,多田邦尚,門谷茂:干潟域に生息する底生微細藻類の増殖ポテンシャル,2004年度日本海洋学会秋季大会.
●多田邦尚,小野哲,一見和彦:大型珪藻Coscinodiscus wailesiiが沿岸海域の栄養塩循環に及ぼす影響,2004年度日本海洋学会秋季大会.
●多田邦尚,和田彩香,橋本俊也,一見和彦:海砂利採取船からの高濁度排水中の微粒子の拡散について,2004年度日本海洋学会秋季大会.
●門谷茂,川西稔展,石丸夏海,柴沼成一郎,山田俊郎,一見和彦:干潟域における底生珪藻の増殖特性と基礎生産量の推定,2004年度日本海洋学会秋季大会.
●Tada K., Ichimi K., Yamada M., Montani S.: Phytoplankton productivity and a red tide outbreak in a heavily eutrophic embayment, Dokai Bay, Japan. International Symposium “Long-term variations in the coastal environments and ecosystems”(2004).
●Kondo Y., Tada K., Ichimi K., Saito H., Furuya K., Montani S.: Seasonal variation in the abundance and ecological role of Noctiluca scintillans on the coastal ecosystem in the Seto Inland Sea, Japan. International Symposium “Long-term variations in the coastal environments and ecosystems”(2004).
●山田佳裕,中島沙知(2004):ダム湖における富栄養化の評価のための新しい手法~四国におけるダム湖の富栄養化の現状~.日本陸水学会第69回大会講演要旨集,p 188.
●山田佳裕,中島沙知(2004):ダム湖における富栄養化の評価のための新しい手法~安定同位体比を指標とした富栄養化の解析~,日本陸水学会第69回大会講演要旨集,p 189.
●中島沙知,山田佳裕(2004):極度に富栄養化したダム湖におけるメタンの分布と放出,日本陸水学会 第69回大会講演要旨集,p 247.
●山田佳裕,井桁明丈,中島沙知,三戸勇吾,小笠原貴子,和田彩香,大野智彦,上田篤史,兵藤不二夫,谷内茂雄,陀安一郎,福原昭一,田中拓弥,和田英太郎(2004):しろかき期の濁水流出による琵琶湖への生元素負荷~圃場レベルの実験結果より~,日本陸水学会第69回大会講演要旨集,p 251.
■地域貢献事業
 研修講座や昨秋サンポートで行われた全国豊かな海づくり大会への参加の他、香川大学生涯学習センターが主催する恒例の「子ども開放プラン」(香川大学調査船体験航海-海の中を覗いてみよう-)を開催しました。毎年、夏休み期間中に実施していますが、昨年は台風の影響で秋の開催となりました。
・8月26日 香川県教育委員会「ふるさとリーダー研修」(中学2年生対象)
・10月3日 第24回全国豊かな海づくり大会(歓迎行事:漁船パレードに参加)
「香川大学調査船体験航海-海の中を覗いてみませんか-」
・10月24日 子ども開放プラン「香川大学調査船体験航海-海の中を覗いてみませんか-」
「香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設における赤潮関連調査研究」
・11月19日 マレーシア赤潮対策技術専門家協力プロジェクトに伴う研修
「香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設における赤潮関連調査研究」
■附属浅海域環境実験実習施設セミナー
5月31日
「アワビはなぜ増えないのか?-繁殖生態・初期生態研究による解明-」
 河村知彦助教授 東京大学海洋研究所(資源生態分野)
「北太平洋における鉄散布実験」
 津田 敦助教授 東京大学海洋研究所(浮遊生物分野)
12月21日
「北太平洋亜寒帯域におけるクロロフィルの分布」
 塩本明弘博士 水産総合研究センター中央水産研究所(海洋生産部)
■インタラクティブコーナー
皆様と自然科学の研究者とで創るコーナーです。
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昨秋、香川県下では度重なる台風で大きな被害が出ましたが、それに関わる内容として、高松市内にお住まいの仁尾様からいただきましたお便りをご紹介させていただきます。
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いつも楽しみにして読ませていただいています。身近な自然の中で不思議に感じた事としてお便りさせてもらいました。それは、干潮・満潮の時刻です。
質問1
「潮見表にあるように、先々の干潮・満潮時刻はどのように予測しているのですか?」
質問2
「昨年、数多くの台風が上陸して香川県下で大きな被害が出ました。その中でも高潮による被害が深刻だったのですが、名古屋・大阪・香川・高知・愛媛・九州など、各地域の満潮時刻がバラバラだったように記憶しています。単純に考えると、例えば東から西へ向かって順番に満潮をむかえるように思うのですが、そうはなっていませんでした。どうしてでしょうか?」
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答え1
 海水の干満は地球を周っている月の引力によって起こる一種の「波」です。皆さんご存知のように、日の出ならぬ月の出は、毎日50分ずつ遅れていきます。したがって、月の引力によって起こっている干満も毎日50分ずつ遅れていくことになります。これを基本に、これまでに全国各地で実施されている潮位に関する観測結果を加味して干潮・満潮時刻を予測しています。
答え2
 干満は月の引力によって起こる「波」ですから、当然、東西でその時間が異なってくることになります。ただ、単純に東西南北といった位置だけでなく、地形がその干潮・満潮時刻に大きく影響してきます。1つ例を挙げましょう。香川と徳島は日本の中ではほとんど同じような位置にありますが、高松港と徳島港の干潮・満潮時刻は全然違います。これは両県の間に鳴門海峡があるからなんです。干満によって瀬戸内海側と太平洋側の海水があんな狭い海峡を大量に出入りしていますから、例えば、満潮時に外海から瀬戸内海へ海水が入ってきても一気には入りきらず、どうしても時間にずれ(遅れ)が出てしまうんですね。
海水の干満
 皆様がこの通信の中で興味を持たれたこと、また疑問に思われたこと、身近な自然の中で不思議に感じられたことがありましたらどしどしお便りください。このコーナーで取り上げさせていただいて、読者の方々の自然に関する興味や知識を深めることが出来たらと思っています。特に投稿規程はありません。お便りお待ちしています。
投稿先:〒761-0130 香川県木田郡庵治町鎌野4511-15 
香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設 一見 和彦 宛
電子メール:ichimi@ag.kagawa-u.ac.jp
編集:浅海域環境実験実習施設利用者グループ
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