香川大学 微細構造デバイス研究開発センター
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MEMS細胞分画 ”「その場」で細胞をナノサイズ分割して保持・測定する「細胞空間分画技術」”
香川大学 工学部 知能機械システム工学科 寺尾研究室
(寺尾京平 准教授/微細構造デバイス統合研究センター副センター長)
寺尾研究室のホームページはこちら

バイオMEMS:ナノブレードアレイによる単一「細胞空間分画」技術

LATEST REPORT 2017.3.7

NANOBLADE ARRAY FOR SPATIAL DISSECTION OF SINGLE CELLS AND TISSUES
The 30th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS 2017Las Vegas, Nevada, USA, January 22 - 26, 2017, POSTER SESSON: T-059

「細胞空間分画」技術を用いた解析において2つの手法を提案します(図3)。
(1)High-resolutionタイプでは、一方の面が閉じた微細な箱構造が連なるナノブレードアレイを用います。内面に抗体等を塗布したナノブレードアレイで分画することにより、細胞とアレイ内面の抗体等が反応するので、そのまま光学的に観察できます(図1、図2)。
(2)Trough-holeタイプでは、貫通した孔構造が連なるナノブレードアレイを用います。分画した後に貫通した孔を通して上面から、分画した細胞を採取して観察します。




研究の目的
生体分子の種類と数は個々の細胞毎に異なるだけではなく、1個の細胞内の部位によっても異なり、その不均一性によって高度な細胞機能を発現する。したがって、バイオテクノロジー分野において、生体を真に解析するために、生体分子の種類・量だけではなく臓器内・細胞内の空間分布の計測を行う技術が求められている。しかし、現在のそのような要求を満たす適切な手法が存在していない。そこで、組織内・細胞内の空間情報を保持した状態で、細胞から生体分子を取り出して測る技術の実現を本研究の目的とした。本研究は、MEMSのバイオテクノロジー分野への応用(バイオMEMS)において、半導体微細加工技術と微小物体操作技術を組み合わせることで、1個の細胞を複数の微小領域に、また組織を1細胞に区画化して、物理的に一括で切断する「細胞空間分画技術」と呼ぶ新たな細胞加工技術を研究開発する。

研究成果の概要

微細な刃状構造体を並べたナノブレードアレイを用いて、個々の細胞を培養・観察している「その場」でナノサイズの微小領域に細かく物理的に分割し、なおかつ分割した部位が散逸することなく、空間情報を有した状態で保持する、「細胞空間分画技術」の開発を行っている。さらに、薬液処理と定量的な計測を一体化したシステムとして構築することにより、細胞を「分解」したその場で分子の空間分布の定量的取得を行うことを目指している。これまでにシリコンによる様々なアレイ形状のナノブレードを微細加工技術によって作製し、高精度な自動押圧機構によってブレードを顕微鏡下で押しつけ物理的に切断する操作を実現した。本手法によって細胞培養株による切断を実証しており、組織への適用についても検討を進めている。

細胞空間分画:ナノブレードアレイと区画化細胞
    図1 Siナノブレードアレイ           図2 区画化切断された単一細胞


備考
・平成26年度JSTさきがけ採択「シングルセル分解計測へ向けた細胞空間分画技術の創出」

Profile
工連携 超低侵襲内視鏡医療技術の実現に向けて

工連携 IoT時代を変革する農業プラットホームの実現に向けて

工連携 1細胞・1分子操作解析技術の実現に向けて

覚センサ 繊細な”ナノ触角”を定量化

細胞空間分画 「その場」で細胞をナノサイズ分割して保持・測定




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