香川大学 微細構造デバイス研究開発センター
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サンプル写真 覚センサ
MEMS触覚センサ ”手触り感・繊細なナノ触覚を定量化
香川大学 工学部 知能機械システム工学科 高尾研究室
(高尾英邦 教授/微細構造デバイス統合研究センター センター長)

シリコンで創る人工皮膚機能:MEMS触覚センサ


LATEST REPORT 2018.4.13

毛髪のキューティクルの触覚計測を実証【JST-CREST】

高分解能MEMS触覚センサを用いた毛髪表面の手触り感計測
平成30年電気学会全国大会IEEJ2018, 1404-A1, 3-150

JST-CRESTプロジェクトで研究開発したMEMS高分解能触覚センサによる毛髪のキューティクルの触覚計測を実証しました。
測定対象には、(1)抜いたままの毛髪(初期状態、洗髪前)、(2)シャンプーによる洗髪後の毛髪、(3)石鹸による洗髪後の毛髪を用いました。 図5に毛髪表面の光学顕微鏡画像(上段)とMEMS高分解能触覚センサによる表面摩擦変動の計測結果(下段)を示します。
(1)初期状態(洗髪前)の光学顕微鏡画像では、キューティクルの形状が明確に観察されます。表面摩擦変動の計測では、 このキューティクルの凹凸により発生した摩擦力の変化が波形の振動として計測されると考えられます。毛髪表面の皮脂の影響により全体的に低い摩擦係数が計測されます。
(2)シャンプーによる洗髪後の毛髪の光学顕微鏡画像では、塗膜されキューティクルの隙間が埋まっている表面状態が観察されます。 表面摩擦変動の計測では、初期状態(洗髪前)に比べて、より狭い振幅範囲の滑らかな波動変化が計測されます。
(3)石鹸による洗髪後の毛髪の光学顕微鏡画像では、くぼみや突出部が広範囲に観察されキューティクルが大きなダメージを受けていることがわかります。 表面摩擦変動の計測では、微細で突発的に大きな摩擦変動が計測されます。この摩擦変動が、毛髪の指先への引っ掛かりや毛髪表面の“キシキシ”感と関係していると考えられます。
このように,MEMS高分解能触覚センサにより,毛髪の洗髪等による微小な表面状態に起因する毛髪の手触り変化を精密に取得することが可能となっています。


図5.毛髪表面の光学顕微鏡画像(上段)と摩擦変動(下段)



REPORT 2017.3.7

"A ''MICRO-MACRO'' INTEGRATED PLANAR MEMS TACTILE SENSOR FOR PRECISE MODELING AND MEASUREMENT OF FINGERTIP SENSATION"
The 30th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS 2017Las Vegas, Nevada, USA, January 22 - 26, 2017, ORAL: Session Xa - Tactile & Flexible Sensors


従来、初期型マイクロ触覚センサを用いて、表面形状/摩擦サスペンションにより表面形状と摩擦力を同時検出することにより「手触り感」評価にアプローチしてきました。
最新の研究成果では、新たに押し当て力検出/基準面摩擦力検出サスペンションを導入することにより、デバイス全体への荷重と平均化された摩擦力を計測することができ、押し当て力制御下で表面形状と摩擦力を同時検出が可能になりました(図3)。
この結果、従来困難であった柔軟な材料の表面を高精度で測定できるようになりました。図4に糸を編み込んだ繊維における表面形状と摩擦力の測定結果を示します。表面形状の波形では、糸の周期構造(短周期)と編み込んだ繊維構造の周期構造(長周期)に相当するピークが観測されます。一方、摩擦力の波形では、糸の周期構造(短周期))に相当するピークのみが観測されます。
以上のことから、繊維などに対する触覚において、表面形状は短周期と長周期の構造から検知しする一方、摩擦力は短周期の構造からのみ検知しするものと考えられます。

図3.「人指指紋型」ナノ触覚センサ


図4.繊維における表面形状と摩擦力の測定結果


研究の目的
本研究では,「人間の指先」が持つ繊細な触覚をセンサ技術で再現する「ナノ触覚センサ」を実現し,「ザラザラ感」や「ふんわり感」,「しっとり感」などの手触り感を数値化できる新しい計測技術の開発に取り組む。いまだ数値化と計測が実現されていない人間の指先手触りの感覚を定量化,または計測する新技術を創出し,各種応用分野における「手触り感数値化」の実現に向けた新しい触覚情報処理基盤技術を開発する。

研究成果

本研究では,ナノスケールの解像力と複数種類のMEMS触覚センサを有する「ナノ触覚」を半導体MEMSデバイス技術で実現し,人間の指先皮膚がもつ高度な触覚を定量的に数値化することを目指している。指紋部分で感じるとされる,対象物表面の微細な凹凸形状とその形状に起因して生じる微細な摩擦力波形を,微細な接触子の先端を用いて同地点・同時刻で取得する。図1は,我々のMEMS触覚デバイスで取得した「わら半紙」と「コピー用紙」の表面波形をそれぞれ示しており,手触りの違いと一致する触覚情報が得られている。取得されたデータを詳細に分析することにより,指先が感じている手触り感に含まれる様々な「感覚」を数値として表現する。これにより,「すべすべ」と「ざらざら」などの抽象的表現で表される手触り感が数量的に表現されるようになると期待できる。
また,図2は内視鏡手術等に応用可能な,臓器固さ判別用MEMS触覚センサの特性評価結果である。これまで,内視鏡に搭載可能な微小サイズのMEMS硬さセンサでは,10HS(Shore-A)以下の固さ判別ができなかった。本MEMS触覚センサは,特性を安定化する新しい構造の導入により,10HS以下の固さ判別をMEMS触覚センサで初めて実現することに成功している(平成26年)。

MEMS触覚センサ

図1 MEMSセンサによる凹凸と摩擦の同時検知結果 図2 触覚センサと臓器固さの関係

備考
・平成25年度香川大学リーディングリサーチ推進事業研究課題採択
・平成27年度JST−CREST採択:研究課題「繊細な触覚を定量的に検知する『ナノ触覚神経網』の開発と各種の手触り感計測技術への応用」
Profile
工連携 超低侵襲内視鏡医療技術の実現に向けて

工連携 IoT時代を変革する農業プラットホームの実現に向けて

工連携 1細胞・1分子操作解析技術の実現に向けて

覚セン 繊細な”ナノ触角”を定量化

細胞空間分画 「その場」で細胞をナノサイズ分割して保持・測定



触覚センサ