飯田涼太/知能機械システム工学科3年

・1日目(9月1日)

ヨーテボリのホテルに集合した。私はほか5人とコペンハーゲン(デンマーク)を3日間観光した後にコアスケジュールに合流した。ヨーテボリは予想していたよりもかなり都会で、近代的な都市だと感じた。特に電車のように連結された長いバスが走っているのが印象的だった。

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ヨーテボリのバス

スウェーデンは北海道よりも高緯度に位置しており、9月は雨や曇りの日が多く最高気温が15℃ほどで最低気温が10℃を下回ると聞いていたので、厚手の服を多めに持って行ったのだが、予想よりもだいぶ暑かった。太陽の位置は低く、日本の秋の終わりくらいに感じたが、気温は昼間が23度くらいあり、なおかつコアスケジュール中は毎日晴れで歩くことも多かったので、長袖1枚で十分だった。また、今年は日本が冷夏だったので、その反動がヨーロッパで起こっているような気もした。

・2日目(9月2日)

株式会社デンソー・スウェーデンの企業見学とVOLVOミュージアムの見学に行った。デンソーのオフィスはいかにもヨーロッパという感じの、光を取り入れたスタイリッシュで開放的なオフィスだった。そこでは、デンソーの事業内容や研究について英語のプレゼンで説明を受けた後、日本語でも詳しい説明を聞いた。デンソーはスウェーデンの交通事故死亡者数でゼロを目指す国家事業に貢献するため、歩行者に対する自動ブレーキングシステムの開発をしている。今回はその装置を搭載した自動車に、テストコースで試乗させていただいた。試乗は40km/hで走行中に歩道から子どもが飛び出してきたことを想定して行われた。実際に乗ってみると40km/hで走行中に飛び出してきた歩行者に対し、ドライバーが反応できそうにないと思われる距離に来たところで自動ブレーキがかかり、歩行者から50センチもないくらいのところで止まった。急制動なのでかなり恐怖感もあったが、このスピードで対応できるのはすごいと思った。将来的には60km/hで走行中に歩行者が飛び出してきてもシステムが作動することが目標だそうだ。開発者の話によると、システムを作動させるよりも誤作動させない方が大変というのを聞いた。今後、研究室に配属されたときに参考になる話がたくさん聞けてとても有意義だった。

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自動ブレーキ体験

VOLVOミュージアムでは、VOLVOのデザインや歴史を垣間見ることができた。VOLVOは日本の外車の中ではあまりメジャーではないが、スウェーデンでは日本におけるトヨタ以上にメジャーだった。

・3日目(9月3日)

ヨーテボリからハルムスタッドへと鉄道で移動し、その後ハルムスタッド大学でJAPAN DAYを開催した。JAPAN DAYでは、ハルムスタッド大学の学生たちに日本の文化や伝統、昔の遊びなどを紹介したり、英語でプレゼンテーションを行ったりした。英語のプレゼンでは、私は香川県について、うどんが有名なことや観光場所を発表した。しっかり練習してきたつもりが、いざ発表となると内容が飛んでしまい、ほとんど原稿に頼ってしまったので、もっと練習してきたらよかったと思った。その後の交流会では、主に書道のブースを担当した。書道は珍しいらしく、漢字で名前を書いてあげるとすごく喜んでいた。手巻き寿司や折り紙、茶道のブースも好評で、日本の良さを十分披露できたと思う。

・4日目(9月4日)

この日は最初にハルムスタッド大学の学務係の方から歓迎を受け、グループごとに日本のことやスウェーデンのことを情報交換した。日本からの留学生が少ないのは海外からみると不思議みたいだ。その後、大学の研究室を3つほど見学した。特に材料の基礎研究をしているところの教授は熱く語ってくださり、とてもいい刺激になった。この日はとにかく英語で説明されたことを聞き取らないといけなかったのですごく疲れたが、協定校訪問ならではの貴重な体験ができた。リスニング力が鍛えられた。

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ハルムスタッドの街並み

・5日目(9月5日)

スウェーデンのヘルシンボリと、その対岸にフェリーで20分ほどのところにあるデンマークのヘルシンゴ―を訪れた。ヘルシンゴ―では、1400年代に建築され現在世界遺産に登録されているクロンボー城を見学した。この古城は、シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の舞台として有名である。次にヘルシンボリではシェールナンを訪れた。シェールナンは15世紀に軍事目的で建てられた塔が残存しているもので、高台に塔が建てられている。この町は事前によく調べて、準備会でプレゼン発表をしていたので、一緒にいる人に観光案内するつもりで歩いた。下調べをしていた分、愛着もあり、塔には絶対上ると決めていたのだが、曜日の都合で営業時間が13時ですでに終了していた。日本では観光スポットが昼で閉まっていることはまずないので想定外だったが、もっと下調べをしておくべきだったと思った。どちらの街も港町といった感じで商店などが栄えていた。

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上れなかったシェールナン

・6日目(9月6日)

午前中はハルムスタッドからヨーテボリへ移動し、午後は自由行動だったので先輩たちとヨーテボリの街を探索したり、ショッピングをしたりして楽しんだ。ヨーテボリは中心部を離れるとハガと呼ばれる旧市街地やのどかな海沿いに作られた住宅地もあり、過ごしやすそうだと思った。この滞在中に訪れた都市の中で、ヨーテボリが一番おしゃれな店が多くありショッピングに向いていた。物価がかなり高いのであまり買い物はできなかったが、ヨーロッパっぽい雰囲気で十分楽しめた。

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海辺の住宅地

・7日目(9月7日)

コアスケジュール最終日は他の人と別れてストックホルムへ移動した。解散の後、2日間かけてストックホルムの市庁舎やガムラスタンを観光して、その後クルーズ船でフィンランドの首都ヘルシンキを訪れ、1日のんびりした後帰国した。ヘルシンキは香川よりも田舎なくらいのこじんまりした町だが、雰囲気は一番好きだった。

・協定校訪問を終えて

協定校訪問ではスウェーデンに滞在し、この前後に個人的にフィンランドとデンマークも旅行に行ったが、どこに行っても誰もが英語を普通に話しているのには驚いた。それと同時に自分の英語力の低さには正直、落胆した。聞き取ること自体は難しくなかったが、自分の意思を言葉にできなかった。初めて海外に行って、自分の中の価値観や世界観が大きく変わったと思った。日本を客観的に見ることができ、店のサービスや利便性は優れていると思ったが、インフラでは北欧が勝っていた。また、北欧では個性が重視されているのを目の当たりにすることができた。日本にいると当たり前すぎて気にも留めないことにも目を向ける機会となった。モチベーションを上げるのにいい刺激になり、視野も確実に広がり、充実した2週間だった。この経験を今後の人生に生かしていこうと思った。

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