清水愛華/安全システム建設工学科2年

今回の協定校訪問に行き、海外という今まで考えもしなかった世界が広がった。海外は雲の上のような存在と思っていたが、実際に足を運んでみると、海外にいるという不思議な気持ちと、現地の人の笑顔が私の中でとても印象的だった。接客をしてくれたホテルやレストランの店員さん、買い物をするお店の店員さん、すれ違う人までもが、ずっと見ていたくなるほど素敵な笑顔の現地の人が大好きになった。

〔9月1日(月)〕

高松を5時前に出発し、関西空港へ移動した。関西空港を10:45に出発し、所要時間およそ10時間15分かけヘルシンキへ移動した。そして乗り継ぎ時間が1時間という短さで、なんとか乗り換えることができた。しかし、一緒に乗っていた4人とはぐれてしまい、その4人は結局後からの飛行機に乗って合流という形になった。何とかみんなが飛行機に乗れないかと、CAさんに慣れない英語でその事情を一生懸命説明し、理解してもらえたことはとても嬉しく、思い出に残っている。さらに1時間25分かけヘルシンキからスウェーデンのヨーテボリへと飛行機で移動した。現地時間ではおよそ16:25に到着した。バスでホテルまで移動し、ホテルの近くを先生に案内してもらった。青色のバスや路面電車が走り、スウェーデンらしい、シンプルなデザインだった。
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〔9月2日(火)〕
二日目はDENSOとVOLVOミュージアムへ行った。VOLVOとH&Mはスウェーデン発祥である。DENSOでは、事故予防のためにどのようなことがなされているのか説明してくださった。“ビジョン ゼロ”を目指し、死傷者0を目標として研究している。人を判別し、ぶつかるぎりぎりになると急ブレーキがかかる車の試乗をさせてもらった。

VOLVOミュージアムでは、“安全”を重視した車が数多く見られた。車の周りにいる小さな子供さえも確認できる窓ガラスになっていた。
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また、三点を固定するシートベルトを考えたのも、VOLVOである。このように、車の中、外、両方の人の安全を考えられていたことがよくわかる展示であった。他にも、白熊の絵が描かれている北極に行った車や、面白いデザインの車などがあった。さらに乗用車以外にも、大型トラックや消防車などの車があり、乗り物が大好きなわけではないが、そんな私でもとても楽しく回れるミュージアムであった。

ホテルに着いた後に、夜の街を散策した。川沿いに建っている建物の光が水面に反射し、とても美しかった。
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夜に商店街を歩くと店内の商品がライトアップされていた。ガラス張りの店舗が連なる商店街はお洒落な雰囲気で、閉店後も楽しく歩けて素敵だった。午後8時になるとほとんどの店が閉まり、商店街から人がいなくなってしまう。曜日によって午後3時という日本ではなかなか考えられない早い時間で店が閉まることがあることにびっくりした。これはスウェーデンの国民が幸福と感じる一因になっているのではないかと思う。

〔9月3日(水)〕
三日目は、ハルムスタッド大学を訪問した。この日はJAPAN DAYで、日本の文化を紹介した。手巻き寿司や、焼きそば、お好み焼き、抹茶を振舞ったりもした。お茶を振舞っているときは、なんと説明していいかわからず、あまり話すことはできなかった。しかし、参加してくださった方たちはとても優しく最後にはたくさんの人と話すことができ、よかった。書道では、みんなの名前などを書き、楽しんでもらえたと思う。
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ごはんを食べながら話をしていると、「たくさん食べると、家でごはんが食べられなくなるから」と言って、早めに帰っている人がいた。結婚をすると、家庭を大切にするために夕食は一緒にそろって食べるべきという考えがあるそうだ。日本でももっとこのような考えが広まってほしいと思う。

〔9月4日(木)〕
この日もハルムスタッド大学を訪問した。食堂の昼食をごちそうになった。この訪問の中で一番おいしかった。
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また、ハルムスタッド大学の研究室を見学させてもらった。一番関心を引いたのは、建築と福祉課関係の研究である。コンセプトは既存のシステムを使ってシステムを作るということである。現在販売されているものを組み合わせ、システムを安く作れるようにしている。ベッドの重さを量り、何人の人がいるか判別し、マットレスの上のセンサーで呼吸が分かるようになるモーションセンサーがある。また、人がベッドから離れるとセンサーライトが光るようになっている。
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このようなセンサーを用いて普段の行動をデータベース化することによって、いつもと違う行動をしていたら、家族に伝わるようになっている。高齢者が増える一方で、看護する人が少なくなっているというギャップを埋めるためにも、このような技術で人々を支援することは、これからの社会で非常に大切になってくると思う。

〔9月5日(金)〕
五日目は、ヘルシンボリ・ヘルシンゴーへ歴史探訪に行った。
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クロンボー城の中へ入ったり、ゆったりランチをしたり、海辺を散策したりと、とてもリラックスできた。北欧ならではのオレンジ色や黄色など原色を使った壁の家が可愛かった。ゆったりと観光することで、小さな発見がたくさんできた。その中でも、城の周りにある堀に夕方の空が反射してきらきらと輝いていたのがとても美しく、心を動かされたのをよく覚えている。

〔9月6日(土)〕
六日目は、美術館に行ったり、お土産を買ったりした。スウェーデンのお土産として人気なものは、幸福の象徴であるダーラナホースや、モズというシカのキャラクター、ロウソク立てなどである。ロウソクは、ホテルやレストランなど、行くところ行くところにほぼ必ずあった。日本でも同じブランドがあったりするが、日本とは違うスウェーデンならではの商品や、陳列方法があった。
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〔9月7日(日)〕
コアスケジュールでは、七日目が帰国の日である。私たちはコペンハーゲンに行った。レゴのお店に行き、レゴで作ってある自転車に乗った。また、他にもレゴで作られたものがたくさんあり、とても楽しむことができた。ニューハウンでは、運河に沿ってオープンテラスが広がっている通りがあった。ぼーっと人の流れを眺めている時間がとても充実した時間だったように思う。

このようにたくさんのことを経験し、異文化に触れることができた。日本と大きく異なると思ったことは、幸福に対しての意識が違うと思った。自分の時間を大切にしていることが、幸せにつながっているのではないかと思う。また、いろいろなところで光の取り入れ方が工夫されており、寒い土地でも快適に暮らせるようになっていた。建築や都市計画以外にも価値観などにも触れることで、より自分や大切な人との関係を大切にして過ごそうと思えた。
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