木下怜/安全システム建設工学科4年

2015年9月15日から協定校訪問に参加した。今回の協定校訪問の行き先はアメリカ合衆国オハイオ州に位置するトレド大学であった。大学・大学院において250以上の専攻分野を持つトレド大学にはおよそ2万人もの学生が通っており、キャンパスは広大で非常に美しく、設備の整った環境であることを実感した。

1日目、午前中はScott Molitor教授に工学部を案内していただいた。様々な研究施設や講義室、ミーティングルームなど丁寧に説明していただき、本学工学部との大きさの違いや、用途による施設の違い、また建物自体の構造の違いなど多くの発見があり、驚くことばかりであった。トレド大学工学部の中では6つの学科が存在し、それぞれの実験室も案内していただいた。化学科や機械科、電子科、土木科といった学科の紹介があり、それぞれに整った設備が用意されていた。私の専門分野である土木科の実験室は、橋梁、コンクリート、造船などの技術開発に取り組んでいる様子がうかがえた。しかし、実験設備においては本学よりやや劣っており、水理学等における研究があまりなされていない様子であった。トレド大学の近くには五大湖があり、それに伴う河川も存在するが、水関係の研究にはあまり力が入れられていないのかなと疑問に思った。

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午後からは、キャンパスツアーに参加した。ここではトレド大学の学生が大学内を歩いて紹介し、フットボールの壮大な会場、大学内に設けられたスターバックスやブュッフェ、しっかりとした造りでデザインにも凝った学生寮など、工学部のみならずトレド大学全体の施設を知ることができた。また、キャンパスツアーをしている最中、一般の学生から声をかけられたりするなど、アメリカのフレンドリー感覚を非常に実感した。

2日目、午前中はトレド美術館の見学を行った。トレド美術館周辺はモンロー・ストリート、並木、芸術作品、公園といったものが存在し、非常に景観が良く感じた。また、美術館の外観はギリシャ風の白い円柱が特徴的であり、外からでもその気品がうかがえた。美術館内は様々な画家やアーティストによる、古い作品から比較的新しい作品まで多種多様な作品が展示されており、非常に興味深いものもあった。

3日目、デトロイトへの日帰り旅行を行った。ヘンリー・フォード博物館及びグリーンフィールド・ヴィレッジ、またデトロイト美術館といった有名な施設を体験する良い機会であった。ヘンリー・フォード博物館ではトーマス・エジソンの研究所、ライト兄弟の自転車屋他、周囲を巡る蒸気機関車、さらにはリバーシップなど開拓以降の歴史的建造物や乗り物が保存されていた。また、グリーンフィールド・ヴィレッジは、1900年代初期のアメリカにタイムスリップした気分をたっぷり味わうことができた。そして、ここにあるものが全て実際に動き、使える状態になっている。広い村の中にある家も車も自転車も、すべて現役そのままであり、その車に乗せてもらうこともできるといった、あまり体験できないことも経験した。

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最終日、フリータイムののちテイルゲートパーティー、フットボール観戦を行った。フリータイムでは、ショッピングモールへ向かった。ショッピング1つ行うのも当然英語であり、単語すら聞き取れないことが多々あった。しかし聞き取ろうとする姿勢をとると相手もゆっくり話してくれることがわかったため、そういう面においても勉強になったと感じる。テイルゲートパーティーでは、トレド大学の学生が用意してくれたご飯を食べたり、フットボールをしたりと様々な工夫で私たちを楽しませてくれた。また、ここでもトレド大学の学生と交流できる良い機会となった。汗をながした後、トレド大学フットボールチームの応援をした。トレド大学内に位置する立派なフットボール会場には非常にたくさんの観客が集まり、プロ顔負けの盛り上がりをみせた。フットボールの試合観戦をしたことがない私には非常に刺激的で感動さえ覚えた。

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実際にアメリカへ行き、専門的な面で気付いたことは、構造物における耐震構造を設けていないことであった。日本と違い地震災害はないので、"耐震"という言葉さえ出てこないであろう。耐震構造を考えなくてよいのであればコスト面や施工日数など非常に軽減されると考えられる。そういった面において、非常に新鮮で勉強になったと感じる。

最後に、本協定校訪問では、短期間ではあったものの様々な経験をし、専門的なことから海外でのコミュニケーション、あるいは生活に関することなど、広い面において勉強となりました。お世話になった先生方やトレド大学の方々、またサポートしてくださった先生方に感謝し、今回の経験をこれからの人生にいかせたらと考えています。貴重な機会を与えていただきありがとうございました。

 

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