理事閑話(2017.04)                                                    
       
       

理事閑話(2017.04)

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香川大学 理事・副学長(教育担当)井 宏史

クールジャパン


 最近、日本を訪れる海外からの観光客が急増し、テレビではクールジャパンをテーマにした番組が花盛りです。こうした番組を見ると、海外からの観光客が日本のどこに魅力を感じて訪れているのかが分かり、日頃気づかない日本の良さを再発見できますが、日本の良さの背後にあるクールでない側面、日本社会の現実を考えさせられることもあります。
 例えば海外からの観光客が一様に驚くのは、電車の中で居眠りをする日本人が多いことのようです。これは居眠りができるほど電車内が安全で治安が良いことを示すだけでなく、居眠りをするほど疲れている人が多い日本社会の現実を示しているかもしれません。また日本人の美徳とされる「おもてなしの心」や勤勉さは、海外にない消費生活の豊かさをもたらしてくれていますが、過労死を生み出しかねない働き方で実現されているかもしれません。
 そこで政府はこうした厳しい働き方にブレーキをかけようと「働き方改革」を進めています。最近の報道によると、長時間営業の外食産業やデパート、ネット通販の比重が高まる宅配便業界では、労働環境が悪化し従業員確保が困難なため営業持間の見直しや配送サービスの見直しが行われるようです。
 日本が真の意味でクールになるには、海外からの観光客に、観光で訪れるだけでなく、日本で働き生活したいと思ってもらえる魅力をつくることです。それが実現できて初めて、クールジャパンと世界に胸が張れるでしょう。ちなみに米国の「社会発展調査機構(Social Progress Imperative)」が発表した「2016 世界で住みやすい国ランキング」で、日本は14位です。

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