理事閑話(2017.07)

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香川大学 理事・副学長(総務・労務担当) 特殊文字画像

YOUTH(青春)

 「青春とは、人生の一時期のことではなく、心のあり方のことだ。」
 これは、米国の詩人サミュエル・ウルマン(1840-1924)の詩「YOUTH(青春)」の一節である。詩の中では、「人間は年齢を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いる。」とも謳っている。
 この詩を座右の銘にしていたのが、往年の経営者 松下幸之助氏である。 また、日本初の女性報道写真家として度々マスコミに取り上げられる笹本恒子氏など、100才を超える今も尚、この詩の「青春」を体現している方々がいる。
 これらの方々に共通した人生との向き合い方には、「あくなき好奇心・探求心」、「目標へのチャレンジ意欲」、「好きなことをやり続ける努力」などが見て取れ、ともすれば安きに流されそうな自分自身を支えるロールモデルにもなって、大いに励まされる。
 大学のキャンパスに集い、行きかう皆さんの溌剌とした賑わいの中に、爽やかな活力を感じる日々を過ごしているが、段々と年齢を重ねるにつれ、時間感覚が若い時より短くなってきているのを実感しており、益々「貴重な時間の使い方」を意識するようになった。
 若者の特権である「時間」を十分持っている皆さんには、漫然と日常に埋没することなく、将来進むべき目標や理想をもって充実した学生生活を送っていただき、まさに今ある「青春」を謳歌してもらいたいものである。

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理事閑話(2017.06)

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香川大学 理事・副学長(企画・特命担当) 清水 明
遍路の山道を歩く


 四国に住むことになったのだからという軽い気持ちで、厚い信心も修行の心構えもないままに、 八十八箇所霊場のいくつかを訪れている。高松市街から近い屋島寺、八栗寺、根香寺は、健康増 進も兼ねて遍路道を歩いて登ってみた。
 急な坂道ではあるが、道は歩きやすく整備され、地元の方々の活動だろうか、草刈り・清掃も されている。鶯の鳴き声、緑の木々を抜ける風、道端の野の花に舞う蝶などに癒やされつつ歩を 進め、霊場に到着すると、眼下には穏やかな瀬戸内海とともに、高松の町の家々も小さく見える 。「汗をかいて登って見る景色の美しさは、車やロープウェイで来た人にはわからない」と自分 勝手に満足する。
 また、遍路道ですれ違う老若男女と交わす挨拶は心に元気をくれる。遍路の装束の方、犬と散 歩中の方など様々で、重そうな荷物を背負った外国人の歩き遍路も多い。また、お接待の飲み物 をいただいたこともある。不真面目な遍路なので恐縮してしまうのだが。
 霊場の寺院だけでなく、そこへと至る遍路道、風景、人々などの全体から、生きていくパワー が伝わってきた。東京に長く暮らしてきた私にとって、これらは四国・香川でしか得ることので きない新鮮で貴重な体験である。
 今、地域の特色と強みを生かした「地域創生」(まち・ひと・しごと創生)が大きな社会的課 題となり、大学にはその推進役としての役割が期待されている。遍路体験を通じて得られた前向 きな姿勢で、地域の魅力(もちろん「うどん」と「遍路」だけではない!)とそれを生かすアイ デアを発見し、国内外に発信していくことはできないだろうか、と考えている。

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理事閑話(2017.05)

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香川大学 理事・副学長(研究・評価担当筧 善行

マツバウンラン


 桜が満開の某日、大学の傍のとある喫茶店で食事をしていると、カウンターの上でガラスコップに無造作に生けられた紫色の蘭に似た小さな花が目にとまった。「マツバウンランです。香川大学のまわりにたくさん咲いてますよ。」と欧州風の可愛いコスチュームを着た女性主人が教えてくれた。調べてみると帰化植物だそうで、華奢なみかけとは異なり大変逞しい植物と分かった。日本本土に成育する約4000種類の植物のうち約1200種類がこのような帰化植物だそうである。植物の世界の方は日本もグローバル化がかなり進んでいるようだ。インターネットによる情報量の加速度的な増加などで世界はグローバル化が急速に進行しているが、一方で移民問題やテロの勃発など問題が次々噴出している。四方を海で囲まれた日本はどちらかというとグローバル化の進行が遅く、この様な問題もどこか人ごとの様な受け止められ方が依然として強い。しかし、香川県に在住する外国人は他の四国3県よりも多く、1万人近くに増加している。大学の周辺のコンビニエンスストアに入ると、外国人留学生とおぼしき若者がたどたどしい日本語でレジ応対してくれる機会が増えた。接客マナーは厳しく教育されているようで、一生懸命日本の生活に馴染もうとしている様子がほほえましい。昨今の世界情勢は内向き傾向が目立つが、彼ら外国人の多様な文化を寛容に受け入れ、日本文化と調和させ、逞しい香川、逞しい日本にしたいものである。

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理事閑話(2017.04)

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香川大学 理事・副学長(教育担当)井 宏史

クールジャパン


 最近、日本を訪れる海外からの観光客が急増し、テレビではクールジャパンをテーマにした番組が花盛りです。こうした番組を見ると、海外からの観光客が日本のどこに魅力を感じて訪れているのかが分かり、日頃気づかない日本の良さを再発見できますが、日本の良さの背後にあるクールでない側面、日本社会の現実を考えさせられることもあります。
 例えば海外からの観光客が一様に驚くのは、電車の中で居眠りをする日本人が多いことのようです。これは居眠りができるほど電車内が安全で治安が良いことを示すだけでなく、居眠りをするほど疲れている人が多い日本社会の現実を示しているかもしれません。また日本人の美徳とされる「おもてなしの心」や勤勉さは、海外にない消費生活の豊かさをもたらしてくれていますが、過労死を生み出しかねない働き方で実現されているかもしれません。
 そこで政府はこうした厳しい働き方にブレーキをかけようと「働き方改革」を進めています。最近の報道によると、長時間営業の外食産業やデパート、ネット通販の比重が高まる宅配便業界では、労働環境が悪化し従業員確保が困難なため営業持間の見直しや配送サービスの見直しが行われるようです。
 日本が真の意味でクールになるには、海外からの観光客に、観光で訪れるだけでなく、日本で働き生活したいと思ってもらえる魅力をつくることです。それが実現できて初めて、クールジャパンと世界に胸が張れるでしょう。ちなみに米国の「社会発展調査機構(Social Progress Imperative)」が発表した「2016 世界で住みやすい国ランキング」で、日本は14位です。

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