学長二期目を迎えるにあたって

 10月から2年間、引き続き学長を務めることになりました。香川大学の発展長尾学長_学報-4.jpgのため、教職員各位のさらなるご協力をよろしくお願いします。これから2年間の学長として課せられた最大の責務は、第三期中期目標・中期計画期間中に本学が機能強化を果たすための道筋をつけることにあると考えます。第三期中期目標・中期計画では、文部科学省は全国の大学を3類型に分けましたが、本学は「地域活性化・特定分野重点支援拠点」を目指します。運営費交付金が漸減する厳しい状況は変わりませんが、それゆえに、大胆な機能強化を果たさなければ、本学の次代の展望は開けないのであり、そのためにリーダーシップを発揮して各位のご協力のもと、改革を推進したいと考えています。
 本学の機能強化構想はすでに本年3月の将来構想推進本部会議において提示し、了承されましたが、そこに掲げた「地域活性化に貢献する人材養成拠点をめざして」という方向に向かって、2年間の任期中に特に以下の取り組みを具体的に推進することによって、機能強化への道筋を確かなものにします。

○不透明で多様化する時代を生き抜く人材の養成
 私が常に学生が第一と申し上げているように、大学の最も重要な使命は人材育成です。今日の少子高齢化や人口減少、就業形態の変化などによって、先の見通しが不透明で多様化する時代にあっては、その中で自らを開拓し、生き抜く、足腰の強い人材が求められています。そのような学生を育成するために、大学教育基盤センターや各部局を中心に学習機会の多様化をめざして、フィールドワークやICTを活用したアクティブラーニングを取り入れた授業、反転授業など、教育の拡大、充実を図ります。また、入試制度の改革(高大連携)を見据えて人材育成像を再検討するとともに、生涯にわたる学習習慣を身につける授業や、グローバルな視野を拡げる授業の拡充を図ります。

○若手研究者支援と特色ある研究の推進
 研究は大学における教育や社会貢献の基盤です。本学の強みである特色ある研究をさらに伸ばし拠点化を進め、競争力を高めます。その環境の下、若手研究者を刺激し、支援するためのよりきめ細かな対策を打ち出し、本学の次代を担う研究者を育成します。具体的には、学外からも大きな注目と高い評価を得ている希少糖研究と防災・減災研究を機構化し、グローバルな研究展開を目指して全学で支援します。また、現行のリーディング・リサーチグループによる研究推進を絞り込み、地域イノベーションにつながる特色ある研究を支援する体制を強化します。これらの取り組みにより外部資金の獲得を図ります。

○グローバル化の推進と国際寮の建設
 本学のグローバル化推進のために平成25年度より「4&1」プラン(10年後に留学生の受け入れを400名、香川大学の学生の半年以上の長期の海外への派遣を100名に増やす)を策定しました。現在、受け入れ留学生は200名程度にとどまっています。それを400名に増やすためには、受け入れ態勢の整備が不可欠であり、中でも留学生の住居の整備は最も重要だと思っています。新寮建設推進委員会を立ち上げて、日本人学生と留学生が交流できる寮のあり方を検討し、国際寮の建設を目指します。一方、学生の派遣については、短期を含めると平成24年度は200名程度でしたが、平成26年度には300名を超えました。将来、半年以上の長い期間、海外で学ぶ学生を100名以上に増やしたいと考えています。ネクストプログラムを始め、6名のネイティブ教員を雇用するなど、日本人学生のグローバル感覚を高める取り組みを展開しています。

○新学部・学科設置
 6月の将来構想推進本部会議において、平成30年度設置を目指して新学部・学科設置を目指すことが了承され、そのためのWGを立ち上げました。平成30年度設置を目指すためには、遅くても来年夏頃までに構想を練り上げなければなりません。したがって、WGでの検討を精力的に行い、部局の意見を聞きながら早急に構想を作成します。

○教員ポストの再配分
 機能強化を目指した新学部・新学科設置や新機構設置、さらには部局の改革や人件費削減の観点からも、教員ポストの再配分は避けて通れません。そのために、機能強化と人件費削減の方向を見据えて再配分案を提示し、部局の意見を聞きながら取りまとめます。

○全学センターのスリム化
 全学組織の機能を再編する中で、センターの見直しが懸案となってきましたが、人件費管理の面からもセンターのスリム化は避けて通れません。そこで、研究を主機能とするセンターについては、関係部局の教育研究と一体化する方向で、教育・学生指導を主機能とするセンターについては、専門的職員の活用も含めて、センター教員数の見直しを行い、全体としてのスリム化を図ります。

○教職員のスキルアップ
 スリム化に伴う教職員の質の低下を防ぐためには個々のスキルアップが不可欠です。教員のFDはかなり進んできましたが、これと並行して、事務職員が専門的知識、能力を習得し、エキスパートとして大学運営に参画していただく必要性を強く感じています。それによって、教員の教育研究への専念度を高めるとともに、職員のモラールを高めることになり、大学運営の効率化にもつながります。そこで特に、入り口(アドミッション業務)や出口(キャリア支援)、国際交流支援等の分野におけるSD体制を整備し、これらの分野で学生指導に責任を持ち、運営をリードできる専門的職員を育成し、登用する制度を構築します。

○退職教職員の有効活用
 センターのスリム化とともに、これからの大学運営には一層厳しい人件費管理が求められますが、削減だけでは教育・研究・運営の円滑な維持と教職員のモラールが低下するのは明らかです。このジレンマを克服する一策として、退職される(あるいは既に退職された)教職員が能力と経験を生かし、母校を育てるために、引き続き大学に貢献していただける制度を整備することが考えられます。昔に比して、生理年齢が10歳若返ったといわれており、退職後も教育・研究・運営に意欲を持って取り組んでいただける方々は、大学にとっても貴重な人材です。現在でも、40名ほどの特任教授や非常勤講師、20名を超える再採用職員の方々に尽力していただいておりますが、さらに多くの退職教職員が貢献していただける制度を作ります。

○外部団体との交流の活発化
 本学が地域活性化の中核としての役割を発揮し、本学の存在意義を地域にアピールするためには、自治体や経済団体など地域との交流をさらに活発化させる必要があります。
平成25年度から自治体と連携し、地域を志向した教育、研究、地域活性化を推進する地(知)の拠点整備事業(COC事業)に取り組んでいるところですが、さらに今般、文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COCプラス事業)」に採択されたところです。本事業は、行政や企業などの団体と連携し、地域の課題となっている人口減少問題に対して、学生の地元就職率を上昇させることにより、地方創生を目指すもので、このような事業実施を契機として、外部諸団体との交流を活発化させる取り組みを積極的に展開します。また外部諸団体との交流を活発化させる部局の取り組みを支援します。

 以上、挙げましたことは、教育、研究、地域貢献、国際化、管理運営など、大学の果たすべき役割の一部に過ぎません。これらは相互に関連するとともに、地域との強い関係性の中でこそ、機能の最大限の発揮が期待されるのです。教職員の間、教員と学生の間など大学内はもとより、大学人と地域住民の方々間などと、人と人とを繋ぐ絆を強く太くして、一緒に乗り越えて行きたいと願います。
 最後に、この2年間は本学が「地域活性化・特定分野重点支援拠点」となるための「架け橋」の役割を果たす期間と位置づけ、直面する難局にあっても皆様とともに、目前の諸課題を一つ一つ着実に解決し、本学の行く末を決定づける改革を成し遂げるべく決意で臨んでおりますので、改めてご協力のほどよろしくお願いする次第です。



平成27年10月1日
国立大学法人香川大学長

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